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会社役員の厚生年金加入条件と手続き完全ガイド!経営者が知るべきポイント

2025.10.04 スタッフブログ

「会社の役員は厚生年金に加入できるの?」「取締役の社会保険の手続きはどうすればいい?」このような疑問を抱えている経営者や総務担当者の方は多いのではないでしょうか。

会社役員の厚生年金制度は、一般の従業員とは異なる複雑なルールがあり、適切な理解なしに進めると大きなトラブルにつながる可能性があります。特に、役員報酬の設定や加入条件の判定ミスは、将来の年金受給額に大きく影響するため注意が必要です。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、会社役員の厚生年金について、加入条件から実際の手続き方法、よくある失敗例まで、経営者と総務担当者それぞれの視点で詳しく解説します。正しい知識を身につけて、安心できる役員の社会保険運用を実現しましょう。

会社役員の厚生年金制度の仕組みと加入条件

会社役員の厚生年金は、一般従業員とは大きく異なる特殊な仕組みです。多くの経営者が「役員は厚生年金に加入できない」と誤解していますが、実際には一定の条件を満たせば加入可能です。

役員の厚生年金加入条件
会社役員が厚生年金に加入するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります:

1. 法人の役員であること
個人事業主や合名会社・合資会社の役員は対象外です。株式会社、有限会社、合同会社などの法人役員のみが対象となります。

2. 役員報酬が定期的に支払われること
毎月定額の役員報酬が支払われている必要があります。年1回のみの報酬や不定期な支払いでは加入できません。

3. 実質的に従業員と同様の勤務実態があること
名目上の役員ではなく、実際に会社で継続的に勤務している実態が必要です。

総務担当者の視点では、これらの条件を満たしているかの判定が重要なポイントになります。特に、役員報酬の支払い実態については、給与計算の記録をしっかりと残しておくことが大切です。

経営者の視点では、役員の厚生年金加入は税務上の影響も考慮する必要があります。社会保険料の会社負担分は損金算入できるため、適切な活用により節税効果も期待できます。

加入時期と報酬月額の決定
役員の厚生年金加入手続きは、役員就任日から5日以内に行う必要があります。この際、標準報酬月額は年間の役員報酬予定額を12で割った金額で決定されます。

一般従業員と大きく異なるのは、役員の場合は3か月間の平均ではなく、年間報酬の見込み額で標準報酬月額が決まることです。このため、期中での大幅な報酬変更は標準報酬月額の改定手続きが必要になります。

よくある誤解と注意点
「代表取締役は厚生年金に加入できない」という誤解が多く見られますが、これは間違いです。代表取締役であっても、上記の条件を満たせば厚生年金に加入できます。

また、役員が他社の厚生年金にすでに加入している場合でも、二重加入は原則として認められません。この点は、顧問の社労士と相談しながら適切に判断することをお勧めします。

役員の厚生年金手続きの実践的な進め方と事例

会社役員の厚生年金手続きは、一般従業員と比べて複雑な部分が多く、正確な手続きが求められます。ここでは、実際の現場で使える具体的な手順と、成功・失敗事例をご紹介します。

ステップ1:加入資格の確認と準備
まず、役員の勤務実態と報酬支払い状況を詳しく確認します。この段階でDX化を進めている企業では、勤怠管理システムや給与システムのデータを活用して、客観的な証拠を準備することが重要です。

必要書類の準備:
・役員就任の登記簿謄本
・役員報酬の決議書(取締役会議事録など)
・実際の報酬支払い実績がわかる書類
・勤務実態を証明する書類(出社記録など)

成功事例:建設業D社(従業員95名)
千葉県の建設業D社では、創業時から社長が厚生年金に加入していませんでしたが、事業拡大に伴い専門的な就業規則の整備とともに役員の社会保険加入を検討しました。社労士と連携して適切な手続きを行い、役員3名全員が厚生年金に加入。結果として、優秀な人材確保にもつながり、助成金の活用も可能になりました。

失敗事例:小売業E社(従業員110名)
東京都の小売業E社では、役員報酬を年1回のボーナス形式で支払っていたため、厚生年金加入を申請しましたが却下されました。「定期的な報酬支払い」の条件を満たしていなかったためです。その後、月額報酬制に変更して再申請し、無事加入できましたが、手続きに半年以上を要し、その間の保険料負担が増大しました。

ステップ2:標準報酬月額の適切な設定
役員の標準報酬月額設定は、一般従業員よりも慎重に行う必要があります。年間報酬予定額を正確に算出し、適正な等級を選択することが重要です。

総務担当者は、将来的な報酬変更の可能性も考慮して設定することをお勧めします。頻繁な標準報酬月額の変更は、事務負担の増加につながります。

経営者の立場では、税務上の最適化と社会保険料負担のバランスを考慮する必要があります。役員報酬の設定は、法人税、所得税、社会保険料を総合的に検討して決定しましょう。

ステップ3:継続的な管理と見直し
役員の厚生年金は、加入後の管理も重要です。定期的な報酬改定、役員の異動、退任時の手続きなど、様々な場面で適切な対応が求められます。

成功事例:製造業F社(従業員120名)
愛知県の製造業F社では、役員の厚生年金管理を完全にアウトソース化しました。専門の社労士事務所に委託することで、複雑な手続きミスを防ぎ、経営陣は本業に集中できる環境を整えました。特に、海外展開時の役員派遣に関する社会保険手続きも適切に対応でき、グローバル展開がスムーズに進みました。

よくある手続きミスと対策
最も多い失敗は、役員就任日と厚生年金加入日のズレです。登記上の就任日と実際の業務開始日が異なる場合があるため、正確な加入日の設定が重要です。

また、役員報酬の期中変更時に、標準報酬月額の改定手続きを忘れるケースも多く見られます。このような事務処理の複雑さを避けるため、多くの企業が専門家へのアウトソースを選択しています。

よくある質問と解決策

Q1: 取締役と代表取締役で厚生年金の扱いに違いはありますか?

A1: 基本的に違いはありません。取締役、代表取締役、監査役など、役職に関係なく同じ加入条件が適用されます。重要なのは、定期的な役員報酬の支払いと実質的な勤務実態があることです。ただし、非常勤の社外取締役など、実際の勤務実態がない場合は加入できません。総務担当者は、各役員の勤務状況を個別に判断する必要があります。

Q2: 役員の厚生年金と国民年金、どちらが有利ですか?

A2: 一般的には厚生年金の方が有利です。厚生年金は国民年金に上乗せされる制度で、将来の年金受給額が大幅に増加します。また、障害年金や遺族年金の保障も手厚くなります。経営者の視点では、会社負担の社会保険料は損金算入できるため、税務上のメリットも大きいです。ただし、役員報酬の水準によっては国民年金基金との比較検討も必要です。

Q3: 役員の厚生年金手続きを社内で対応するか、外部委託するか迷っています。

A3: 従業員100名規模の企業では、専門家への委託をお勧めします。役員の社会保険は一般従業員と異なる複雑なルールが多く、手続きミスのリスクが高いためです。特に、内製化を進める企業でも、役員関連の手続きは外部の専門家に任せることで、トラブル回避と業務効率化の両方を実現できます。年金事務所とのやり取りや法改正への対応も含めて、総合的にサポートを受けられる体制が理想的です。

まとめ

会社役員の厚生年金制度は、適切に活用することで役員の老後保障を充実させるとともに、税務上のメリットも得られる重要な制度です。しかし、一般従業員とは異なる複雑な仕組みがあるため、正確な理解と適切な手続きが不可欠です。

総務担当者の方は、役員の勤務実態や報酬支払い状況を正確に把握し、継続的な管理体制を整えることが重要です。経営者の方は、役員報酬の設定や社会保険加入を、税務戦略と合わせて総合的に検討することをお勧めします。

役員の厚生年金手続きは、専門性が高く複雑な部分が多いため、経験豊富な専門家のサポートが効果的です。当法人では、役員の社会保険から給与計算、各種手続きの代行まで、企業の成長段階に応じた包括的なサービスを提供しております。

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