新着情報
特別支給の老齢厚生年金とは?対象や金額・手続きをわかりやすく解説
「特別支給の老齢厚生年金」とは何なのか、いつ誰がもらえるのか——多くの方が「年金の話は複雑」「自分は対象か分からない」と不安を感じています。
実はこの制度、年代によって受け取れる人・受け取れない人が分かれています。知らずに手続きを忘れると本来もらえる年金を損してしまうことも。
今回は全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、特別支給の老齢厚生年金の仕組み・受給条件・よくある誤解と手続きをやさしくわかりやすく解説します。
特別支給の老齢厚生年金とは?背景と対象者をやさしく解説
■ そもそも「特別支給の老齢厚生年金」って?
この年金は、本来65歳から受け取れる「老齢厚生年金」の受給開始年齢が1985年の法律改正で60歳から65歳へ段階的に引き上げられる際、“現役世代の不利益を減らすつなぎ”として生まれた制度です。
制度変更前から一定条件を満たしていた人が、65歳になる前でも年金を受け取れる仕組みです。
簡単に言うと「年金の受給開始が65歳に遅くなった代わりのつなぎ年金」。
■ どんな人が対象?2024年時点の条件
<主な受給要件>
- 男性:昭和36年4月1日以前生まれ
- 女性:昭和41年4月1日以前生まれ
- 老齢基礎年金(国民年金)の受給資格期間が10年以上ある
- 厚生年金保険に1年以上加入していた
- 生年月日に応じた「受給開始年齢」に達している
たとえば、昭和36年4月2日以降生まれの男性・昭和41年4月2日以降生まれの女性にはこの年金はありません。
詳細はこちらの記事も参照ください。
■ 受給開始年齢は人によって違う
「男性は昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれなら63歳から」「~昭和36年4月1日生まれなら64歳から」など、2年刻みで1歳ずつ引き上げ。女性は5年遅れで同様に年齢が決まっています。
自分の受給開始年齢は、日本年金機構から送付されるお知らせや「ねんきんネット」で確認できます。
いくらもらえる?計算方法と受給手続きのポイント
■ 年金額はどう決まる?
特別支給で受け取れる金額は、厚生年金の加入期間が長いほど、また給与やボーナス(標準報酬月額など)が高いほど多くなります。
現在は「報酬比例部分」のみが支給されます(かつて支給された「定額部分」は基本的に終了)。
計算式のイメージ:
(1) 2003年3月までの加入分は「(平均標準報酬月額)×0.007125×加入月数」
(2) 2003年4月以降分は「(標準報酬月額/標準賞与額)×0.005481×加入月数」
(1)+(2)の合計が1年分の年額の目安。
自分の見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
■ 在職中は減額もあり?
60歳以降も働いて厚生年金保険に加入しつつ年金をもらう場合、賃金+年金額が一定額(2024年度は月50万円)を超えると上回った分の半分だけ年金が減額されます(在職老齢年金制度)。
逆に50万円以内なら満額支給です。
■ 受給手続きの流れ
・年金受給開始年齢の3カ月前、日本年金機構から「年金請求書(事前送付用)」が届きます
・本人確認書類や受取口座のコピー等を用意して年金事務所などで手続き
・手続きを忘れても65歳時点で再度書類が送られます(ただし未請求期間が5年以上経つとそのぶん受給できません・時効に注意!)
なお、特別支給期間が終わると自動で老齢厚生年金に切り替わるわけではなく、再度手続きが必要ですので注意してください。
よくある疑問と注意点をQ&Aで解説
Q. なぜ特別支給の制度は今後なくなる?
A. 社会の高齢化や時代の変化を受け、「60歳からの年金受給」を徐々に縮小し65歳起点に統一する過程の“つなぎ”だったためです。65歳からは本来の老齢厚生年金を受け取ります。
Q. 受給の繰下げや繰上げはできる?
A. 繰下げ(=66歳以降に遅らせて増額)はできません。受給開始年齢になったら速やかに手続きしましょう。なお繰上げは可能ですが減額されます。
Q. 失業保険(雇用保険)と同時にもらえる?
A. 雇用保険の基本手当(失業給付)を受給する間は、特別支給の老齢厚生年金は受給停止となるため両取りは不可。どちらを先に受けるべきかよくシミュレーションを。
まとめ|制度を正しく知って安心の老後設計を
特別支給の老齢厚生年金は、今後間もなく終了する「つなぎの年金」。
自分・家族が対象かどうか事前に日本年金機構の案内で確認し、手続きは忘れずに行うことが何より大切です。
疑問点は、社労士や年金事務所・公式サイトを活用しながら早めの準備をおすすめします。
大阪なんば駅徒歩1分
給与計算からIPO・M&Aに向けた労務監査まで
【全国対応】HR BrEdge社会保険労務士法人