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確定拠出年金の配分がわからない方へ|放置リスクと賢い選び方

2025.06.30 社労士コラム

確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)を始めたものの、「配分の仕方がわからない」「初期設定のまま放置してしまっている」「損していないか不安」と感じていませんか?

実際、多くの中小企業の従業員や、総務担当者から以下のような声が聞かれます:

  • 「最初にどのファンドに配分するか選んだけど、それ以降見直していない…」
  • 「そもそも運用商品が多すぎて、違いがよくわからない」
  • 「会社で導入されたけど、自分で判断するのは難しいし不安」

このような悩みが起きる背景には、「金融知識不足」「制度の複雑さ」「制度導入時の説明不足」「業務多忙で見直す時間がない」などの構造的な課題があります。

この記事では、確定拠出年金における賢い配分の考え方と実践法を、初心者でもわかりやすく解説します。大阪・東京・名古屋・福岡など全国の中小企業で導入が進むこの制度。正しい知識を持てば、大きな資産形成の味方になります。放置による“もったいないリスク”を避けるために、ぜひ最後まで読んでください。

確定拠出年金の配分がわからない理由と、放置するリスク

確定拠出年金(DC)は、従業員自身が運用商品を選んで資産を形成していく制度です。2001年に制度がスタートして以降、企業型DC・個人型(iDeCo)ともに利用者が増加しています。しかしその一方で、「わからないまま」「よく調べずに」初期設定のまま放置している人も多いのが現状です。

なぜ配分が難しく感じるのか?

  • 商品数が多く、違いが見えづらい:投資信託、元本確保型など、聞き慣れない商品が多数あるため比較しづらい。
  • 選ばないと「デフォルト商品」に自動配分:選択しないと、元本確保型や定期預金に自動で配分されるケースも。
  • 制度や運用の仕組みを学ぶ機会が少ない:特に総務や人事が手続きや助成金対応に追われ、従業員への教育まで手が回らない。

放置するとどうなる?

たとえば、Aさん(東京・メーカー勤務・40歳)は、入社と同時にDCに加入。最初に定期預金型に100%配分したまま10年間放置していた結果、元本はほとんど増えず、インフレ分で実質マイナスに。

一方で、Bさん(大阪・サービス業勤務・38歳)は、自分に合ったリスク許容度をもとに国内外の株式投信にバランス配分。年利平均4%前後で着実に資産を形成。

同じ掛金でも、配分の差が資産形成の明暗を分けるということです。

よくある誤解とその背景

  • 「定期預金にしておけば安全」→確かに元本保証ですが、長期運用では増えずに終わります。
  • 「どうせ退職時まで引き出せないから、気にしなくていい」→実は途中で配分変更は何度でも可能。見直しが重要。
  • 「給与計算とは関係ないし、自分には関係ない」→実は給与から自動で天引きされており、立派な“もう一つの給料”です。

文化的背景や企業による差も

たとえば、名古屋の製造業では「投資=ギャンブル」と捉える文化が根強く、DC加入後も配分に慎重すぎる傾向があります。一方、東京や大阪のIT企業では「DX推進」や「社員の金融リテラシー向上」を掲げ、専門家による説明会やシミュレーション提供が一般的。

制度の裏話:「初期設定のまま」が想定されている?

実は、運営管理機関(レコードキーパー)によっては、初期設定の商品に“資産を滞留させること”を前提に手数料収入を得ている場合もあります。つまり、選ばずに放置されることは、必ずしも中立的ではないのです。

配分に迷ったら試したい8つの具体的なアクション

  1. まずは「自分のリスク許容度」を診断する
    理由:自分がどのくらいの価格変動を許容できるかで、適切な配分が異なる。
    方法:証券会社や金融機関の「リスク許容度診断ツール」を利用。
    効果:自分に合った投資スタイル(攻め・守り型)が明確になる。
  2. 現在の配分と評価額を確認する
    理由:今どうなっているかを把握しない限り改善できない。
    方法:Webサービスやアプリ(例:SBIベネフィット・野村DCウェブ)で確認。
    効果:意外な商品に偏っていたことに気づくことも。
  3. 商品ごとの「信託報酬」を比較する
    理由:同じ種類の投信でも、手数料が高いと資産形成に差が出る。
    方法:商品一覧の「コスト」「信託報酬率」をチェック。
    効果:低コスト商品に乗り換えるだけで、数十万円の差が出ることも。
  4. 配分は3〜4商品に分散する
    理由:集中投資はリスクが高い。
    方法:「国内株式」「外国株式」「債券」などにバランス配分。
    効果:特定市場の暴落でも、全体資産への影響が緩和される。
  5. 定期的にリバランス(再配分)する
    理由:時間が経つと比率が崩れる。
    方法:半年〜1年に1回、配分を見直し。
    効果:常に理想的な資産構成を維持できる。
  6. 金融教育セミナーに参加する
    理由:制度理解が進むと、自信を持って配分できる。
    方法:企業主催や外部顧問社労士事務所主催のセミナーに参加。
    効果:「投資って怖い」という意識が変わり、周囲と情報共有も進む。
  7. 社労士に相談する
    理由:給与や退職金、就業規則との整合性を含めてアドバイスが得られる。
    方法:顧問社労士や外部パートナーに定期相談。
    効果:制度の有効活用や助成金申請のチャンスを逃さない。
  8. アウトソース or DXで総務部門の負荷を軽減
    理由:社内内製化だと手続き・周知・配分サポートに限界がある。
    方法:運用管理業務を専門業者に委託、DXで自動化。
    効果:人的ミスが減り、従業員も自発的に活用しやすくなる。

NG行動:
「とりあえず元本確保型に100%配分して放置する」
短期的には安心でも、20〜30年後の資産形成には極めて不利です。

Q&A:確定拠出年金の配分に関するよくある疑問

Q. 結局、何を選べばいいかわからない…

A. まずは「バランス型ファンド」など1本にまとまった商品がおすすめです。投資初心者向けで、自動的に分散投資される仕組みがあり、迷いづらいです。

Q. 今40代だけど、見直して間に合う?

A. はい、間に合います。むしろ40代からが“追い込みどき”です。20年以上の運用期間が残っていれば、年3〜4%の利回りで大きな差が生まれます。

Q. 途中で損したら怖くてやめたくなる…

A. 確かに短期で見るとマイナスになる年もありますが、DCは“長期・積立・分散”が基本。10年以上のスパンで見ると、プラスになる確率が高くなります。

Q. やっぱり給与とは別物だし、あまり関係ない?

A. 実は「もう一つの給与」です。給与計算の一部として処理され、税制優遇もあります。企業としても、就業規則に定めて福利厚生として明示することで、採用や定着率アップに繋がります。

まとめ:配分を見直すだけで未来が変わる

確定拠出年金は、制度の理解とちょっとした配分の工夫で、資産形成の力強い味方になります。「わからないから放置」は最大のリスク。大阪・東京・名古屋・福岡など、地域問わず導入が進む今こそ、配分を見直す絶好のタイミングです。

まずは現在の配分を確認し、自分のリスク許容度に合った運用を検討しましょう。顧問社労士や金融機関に相談するのも一つの手です。

未来の安心は、今日の一歩から。
DXやアウトソースを活用して、制度を“使い倒す”企業がこれからますます強くなります。

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