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労働契約と就業規則の違いとは?知らないと損する基本と実務ポイント
「労働契約と就業規則って何が違うの?」
「入社時に契約書を書いたけど、就業規則って別にあるの?」
「契約と就業規則、どっちが優先されるんだろう?」
会社で働く際に必ず関わる「労働契約」と「就業規則」。どちらも労働条件を決める重要なルールですが、実はその役割や効力、優先順位が異なります。正しく理解しておかないと、トラブルに巻き込まれたり、自分の権利を守れなかったりすることもあります。
この記事では、労働契約と就業規則の基本的な違いから、知っておきたい優先順位や実務上の注意点まで詳しく解説します。自身の労働条件を正しく理解し、安心して働くためのガイドとしてぜひお役立てください。
労働契約と就業規則の違いを基礎から解説
■ 労働契約とは?
労働契約は、会社と労働者が合意して結ぶ個別の契約です。働く時間、賃金、仕事内容など、基本的な労働条件を明記します。書面で交わす「労働契約書」や「雇用契約書」などがこれにあたります。
・当事者:会社と労働者
・内容:勤務時間、賃金、業務内容、勤務地など
・法的根拠:労働契約法
■ 就業規則とは?
就業規則は、会社全体の労働条件やルールを定めた規則で、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成・届出が義務付けられています。労働条件だけでなく、服務規律や懲戒処分の内容なども盛り込まれています。
・当事者:会社(労働者全体に適用)
・内容:労働時間、休日、休暇、賃金、服務規律、懲戒、退職など
・法的根拠:労働基準法
■ Aさんのケース
Aさんは雇用契約書に「残業なし」と記載がある一方、就業規則では「繁忙期は残業を命じることがある」となっていました。どちらが優先されるのか悩んだAさんは、労働基準監督署に相談し、「労働契約が優先される」ことを確認でき、安心して働き続けることができました。
■ 実は意外と知られていないこと
労働契約と就業規則の内容が異なる場合、原則として労働者にとって有利な方が適用されます。これは労働基準法の「労働条件の不利益変更禁止」の考え方によるものです。
実務で役立つ!労働契約と就業規則を正しく理解する8つのポイント
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1. 労働契約書は必ず内容を確認する
理由:自分の労働条件が明記されているため。
方法:勤務時間、賃金、業務内容、勤務地などをしっかり確認しましょう。
効果:不明点や疑問があれば入社前に解消できます。 -
2. 就業規則は会社に請求して確認する
理由:労働者は就業規則の閲覧が認められているため。
方法:人事担当に就業規則の閲覧を依頼しましょう。
効果:会社全体のルールを把握できます。 -
3. 労働契約と就業規則が異なる場合、有利な方が優先される
理由:労働基準法により、労働者にとって有利な条件が優先されます。
方法:契約書と就業規則を比較し、どちらが有利か確認します。
効果:自身の権利を守ることができます。 -
4. 就業規則の変更には労働者への周知が必要
理由:労働基準法で変更時の周知が義務付けられています。
方法:掲示や配布、電子メールなどで変更内容を確認しましょう。
効果:自分に不利な変更がないか把握できます。 -
5. 労働契約を変更する際は必ず合意が必要
理由:労働契約は両者の合意で成立するため。
方法:変更する場合は書面で同意を求めましょう。
効果:一方的な変更によるトラブルを防げます。 -
6. 就業規則に不利益変更がある場合は交渉できる
理由:一方的な不利益変更は無効となる可能性があるため。
方法:労働組合や労働基準監督署に相談しましょう。
効果:不利な労働条件を避けられます。 -
7. 入社時に契約書が交付されない場合は求める
理由:労働条件明示が義務付けられているため。
方法:労働契約書または労働条件通知書を会社に請求します。
効果:契約内容を明確にできます。 -
8. やってはいけない:契約書や規則を読まずにサインする
理由:不利な条件に気づかず、後でトラブルになる可能性があるため。
方法:必ず内容を確認し、不明点は質問しましょう。
効果:安心して働き始められます。
Q&A〜労働契約と就業規則に関する疑問を解決!
Q. 労働契約と就業規則、どちらが優先?
A. 原則として労働契約が優先されますが、労働契約が就業規則より不利な場合は、就業規則が適用されます。
Q. 就業規則は見せてもらえない?
A. 労働者には就業規則の閲覧権があります。見せてもらえない場合は、労働基準監督署に相談できます。
Q. 労働契約の内容が就業規則と異なる場合はどうする?
A. 労働者にとって有利な方が適用されます。内容に不明点があれば会社や労基署に相談しましょう。
Q. 労働契約を結ばずに働いているが問題ない?
A. 労働契約書がない場合でも労働契約は成立していますが、書面がないと条件確認が難しくなります。書面での契約を求めましょう。
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