新着情報

昇給制度を整備して社員のやる気を引き出す方法

2025.05.03 社労士コラム

企業の成長には、社員一人ひとりのモチベーションと能力向上が不可欠です。その中核を担うのが「昇給制度」です。明確で公平な昇給制度がある企業では、社員の努力が正しく評価され、長期的な人材定着にもつながります。しかし実際には、昇給の仕組みが曖昧だったり、評価と連動していなかったりするケースも少なくありません。今回は、社員のやる気を高め、組織力を底上げするための昇給制度の整備ポイントについて解説します。

昇給制度の基本構造とは

昇給制度とは、社員の能力や貢献度、勤続年数などに応じて給与が上がる仕組みを指します。制度が明確であるほど、社員は目標を持ちやすくなり、自身の成長に意欲的になります。

まず基本となるのが「昇給基準」の設定です。基準が曖昧だと、不公平感を生む原因になりかねません。能力評価や業績評価といった指標を使って、数値化された基準を設けることが重要です。また、等級制度と組み合わせることで、キャリアパスも明確になり、社員の中長期的なモチベーション維持につながります。

さらに、昇給のタイミングや額のレンジも予め定めておく必要があります。年1回の定期昇給に加え、成果に応じた臨時昇給などを導入する企業も増えています。

昇給制度を設計する際のポイント

昇給制度を設計する際には、以下の3つのポイントを押さえると効果的です。

  1. 評価制度との連動
    昇給の根拠が明確になるよう、評価制度と一貫性を持たせることが不可欠です。職務成果・スキル習得度・チーム貢献など、多面的な視点で評価を行い、社員の努力が昇給に反映される設計にしましょう。

  2. 透明性の確保
    昇給制度を社内に公開し、どのような条件で給与が上がるのかを説明することが大切です。理解しやすい言葉でガイドラインを整備し、面談などで上司から直接説明する機会を設けると、納得感が高まります。

  3. 柔軟性と定期的な見直し
    社員構成や業績、市場の賃金水準は常に変化しています。制度を形骸化させないためにも、最低でも年に一度は制度を見直し、必要に応じてアップデートしましょう。

具体例:A社の昇給制度改善の事例

製造業を営むA社では、以前まで勤続年数による一律昇給制度を採用していました。しかし、若手社員のモチベーション低下が課題となり、評価制度と連動した昇給制度に全面改定しました。

等級ごとに求められるスキルや役割を明確にし、業績評価と360度評価を組み合わせて昇給を決定。さらに、上司との面談を通じて評価結果と昇給理由を説明する仕組みを導入しました。その結果、社員の満足度は大幅に向上し、離職率も前年から30%減少するという成果が出ています。

まとめ

昇給制度は、単なる給与アップの仕組みではなく、社員のやる気や定着率、組織全体の成長に直結する重要な制度です。評価制度との連動、透明性の確保、柔軟な設計と見直しという3つの柱を意識することで、社員が納得しやすい昇給制度を構築できます。自社に合った制度を整備し、社員と会社がともに成長できる環境を整えましょう。

 

LINE お問合せ

大阪なんば駅徒歩1分
給与計算からIPO・M&Aに向けた労務監査まで
【全国対応】社会保険労務士法人 渡辺事務所

こちらの内容もお勧めです