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特定技能外食業で人材不足を解決!外国人材採用・活用の全手順を初心者向けに解説
導入
「深刻な人手不足で、店舗の運営が回らない」「募集をかけても日本人の応募が来ない」
飲食店や外食産業において、このような悩みは年々深刻化しています。その解決策として今、最も注目されているのが特定技能「外食業」という在留資格です。この制度を活用すれば、一定のスキルと日本語能力を持った即戦力の外国人材を雇用することが可能になります。しかし、「制度が複雑でよく分からない」「何から始めればいいのか不安」という経営者や採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、初めて特定技能制度を利用する方に向けて、外食業における外国人材採用の準備から、入国手続き、定着支援までの全手順を分かりやすく解説します。2024年の制度変更点(協議会加入のタイミングなど)も含め、最新情報に基づいた正しいプロセスを整理しましたので、ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
全体の流れ
特定技能「外食業」での採用を成功させるためには、制度の理解から実際の受け入れまで、正しい順序で手続きを進めることが不可欠です。行き当たりばったりの対応では、申請が不許可になったり、採用後にトラブルが発生したりするリスクがあります。
まずは、採用から就労開始までの全体像を把握しましょう。大きく分けて以下のステップで進行します。
- 準備フェーズ:受け入れ企業の要件確認と体制整備
- 募集・選考フェーズ:技能試験・日本語試験合格者の採用決定
- 申請準備フェーズ:雇用契約の締結と食品産業特定技能協議会への加入
- 申請・入国フェーズ:在留資格認定証明書の申請とビザ取得
- 就労・定着フェーズ:入社後のオリエンテーションと継続的な支援
この流れを念頭に置き、各ステップの詳細を順に見ていきましょう。
特定技能「外食業」とは?制度の基本と活用のメリット
特定技能「外食業」とは、国内で深刻化する人手不足を解消するために創設された在留資格の一つです。従来の「留学ビザ(週28時間制限)」や高度な専門知識を要する「技術・人文知識・国際業務」とは異なり、現場での実務に従事できる点が最大の特徴です。
外食業で従事できる業務範囲
この在留資格を持つ外国人は、飲食店での「飲食物調理」「接客」「店舗管理」といった業務全般に従事することが認められています。
具体的には、キッチンでの仕込みや調理、ホールでのオーダーテイクや配膳、レジ対応などが可能です。また、日本人スタッフと同様に、将来的に店長やエリアマネジャーなどの管理業務を任せることも制度上可能です。ただし、「風俗営業法」に関わる業務や、デリバリー業務「のみ」に従事させることは認められていないため注意が必要です。
制度を活用する3つのメリット
- 即戦力として期待できる特定技能の資格を得るには、外食業に関する技能試験と日本語試験に合格する必要があります。そのため、採用時点である程度の専門知識と日本語コミュニケーション能力を備えており、教育コストを抑えて即戦力として活躍してもらうことができます。
- フルタイムでの雇用が可能留学生アルバイトのような就労時間の制限(週28時間以内)がないため、正社員としてフルタイムで勤務してもらうことができます。シフト管理が安定し、店舗運営の中核人材として育成することが可能です。
- 長期雇用の道が開かれている「特定技能1号」は通算5年間の就労が可能ですが、条件を満たして「特定技能2号」へ移行すれば、在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も可能になります。外食業分野でも2号への道が開かれており、将来の幹部候補として長く働いてもらうキャリアパスが描けます。
外国人材採用の第一歩:企業が整えるべき準備と条件
特定技能外国人を受け入れるためには、外国人本人だけでなく、受け入れる企業側(特定技能所属機関)も一定の要件を満たしている必要があります。採用活動を始める前に、自社が条件をクリアしているか必ず確認しましょう。
企業の適格性と法令遵守
まず大前提として、労働基準法や社会保険関係法令、租税関係法令を遵守していることが求められます。過去1年以内に労働関係法令違反がないことや、特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていない(リストラなどを行っていない)ことが条件です。
また、外国人を雇用するための社内体制が整っているかも問われます。日本人従業員と同等以上の報酬額を設定し、差別的な待遇をしないことはもちろん、社会保険への加入や有給休暇の付与など、適正な労働条件を提示する必要があります。
支援体制の構築と登録支援機関
特定技能1号の外国人には、職業生活だけでなく日常生活や社会生活上の支援を行うことが義務付けられています。これには、入国前のガイダンス、住居確保のサポート、銀行口座開設の手伝い、日本語学習の機会提供などが含まれます。
これらの支援を自社ですべて行うのが難しい場合は、国から認定を受けた「登録支援機関」に支援計画の全部を委託することが可能です。中小規模の飲食店では、ノウハウを持つ登録支援機関に委託するケースが一般的です。自社で実施するか委託するか、事前の検討が必要です。
【ステップ1】優秀な外国人材を見つける募集・選考プロセス
準備が整ったら、いよいよ人材の募集と選考に入ります。特定技能「外食業」の人材を採用するルートは主に2つあります。一つは国内に住む留学生や技能実習生からの採用、もう一つは海外に住む外国人を呼び寄せる方法です。
必須となる2つの試験合格
選考において最も重要な確認事項は、候補者が以下の2つの試験に合格しているかどうかです。
- 外食業特定技能1号技能測定試験衛生管理、飲食物調理、接客全般に関する知識と技能を測る試験です。
- 日本語能力試験(JLPT N4以上) または 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic A2以上)基本的な日本語を理解し、日常会話ができるレベルであることが求められます。
これらの合格証明書(または合格を証明する画面の写し)は、後の在留資格申請で必ず提出するため、面接時や内定時に確実に確認してください。なお、医療・福祉施設給食製造の技能実習2号を良好に修了した人は、これらの試験が免除されます。
面接での見極めポイント
面接では、試験の合否だけでなく、実際のコミュニケーション能力や働く意欲を確認します。特に外食業はチームワークと接客が重要です。
- 質問の意図を正しく理解し、日本語で返答できるか。
- 清潔感や身だしなみに問題はないか。
- なぜ日本の飲食店で働きたいのか、明確な動機があるか。
また、雇用条件(給与、勤務地、業務内容、シフトなど)については、トラブル防止のために母国語を併記した書面を用いて丁寧に説明し、納得してもらうことが大切です。
【ステップ2】スムーズな入国・在留資格申請手続きの進め方
採用が決まったら、雇用契約を結び、在留資格の申請手続きに入ります。このフェーズは書類作成が非常に多く、最も複雑な部分です。専門的な知識が必要な場合は、行政書士などの専門家のサポートを受けることをお勧めします。
協議会への加入(申請前の必須事項)
ここが非常に重要なポイントです。2024年6月15日以降、在留資格の申請前に「食品産業特定技能協議会」への加入手続きを行い、加入証を取得することが義務化されました。
以前は受け入れ後の加入でも認められていましたが、現在は申請時の必須書類となっています。農林水産省のウェブサイトからオンラインで加入申請が可能ですが、手続き完了までには数週間かかる場合があるため、雇用契約を結んだら直ちに着手してください。
在留資格認定証明書交付申請(COE申請)
海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」、国内在住の留学生などから変更する場合は「在留資格変更許可申請」を行います。主な必要書類は以下の通りです。
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 特定技能雇用契約書の写し
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 試験合格証明書(または免除証明書)
- 食品産業特定技能協議会の加入証(または加入を証明する書類)
- 企業の登記事項証明書、決算書など
これらの書類を出入国在留管理庁へ提出し、審査を受けます。審査期間は通常1〜3ヶ月程度かかります。
【ステップ3】採用後の定着支援:外国人材が長く働ける職場環境づくり
無事に在留資格が許可され、入社した後が本当のスタートです。特定技能外国人が能力を発揮し、長く定着してもらうためには、受け入れ企業の環境づくりが欠かせません。
法的義務としての支援実施
事前に作成した「支援計画」に基づき、入国後の送迎、生活オリエンテーション、公的手続きの同行などを実施します。登録支援機関に委託している場合は、連携してこれらの支援を漏れなく行います。また、四半期ごとに国(入管)へ支援実施状況の届出を行う義務もあります。これを怠ると、特定技能外国人の受け入れができなくなる可能性があるため注意が必要です。
現場でのコミュニケーションと文化理解
現場レベルでは、日本人スタッフとの良好な関係構築が定着のカギを握ります。
- マニュアルにふりがなを振る、写真や動画を活用するなど、分かりやすい業務指示を心がける。
- 「文化の違い」を互いに理解する機会を設ける(例えば、宗教上の食事制限への配慮など)。
- 定期的に面談を行い、仕事や生活の悩みを早期に解消する。
単なる労働力としてではなく、共に働く仲間として尊重する姿勢が、結果として離職を防ぎ、店舗の戦力アップにつながります。
特定技能外国人材活用で避けるべき「つまずきポイント」と解決策
初めての受け入れでは、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。よくある失敗事例と、それを回避するための対策を紹介します。
加入手続きの遅れによる採用スケジュールの遅延
前述の通り、協議会への加入が申請の前提条件となりました。「後でいいだろう」と考えていると、在留資格申請ができず、入社予定日が大幅に遅れることになります。
解決策: 採用内定が出た時点で、すぐに協議会加入の手続きフローを確認し、実行に移してください。
業務内容のミスマッチによる不法就労リスク
「手が空いているから」といって、特定技能で認められていない業務(例:デリバリー専従、店舗外での無許可の活動など)をさせてしまうと、不法就労助長罪に問われる恐れがあります。
解決策: 雇用契約書に業務内容を明記し、現場責任者にも「何ができて何ができないか」を周知徹底させましょう。
支援不足による早期離職
「登録支援機関に丸投げしているので安心」と思い込み、企業側が本人とコミュニケーションを取らないケースです。支援機関はあくまで生活面のサポートが中心であり、日々の業務上のケアは現場で行う必要があります。
解決策: 現場でのメンター制度を導入するなど、業務に関する相談相手を明確にし、孤立させない工夫をしましょう。
成功へ導く!特定技能外食業の外国人材採用チェックリスト
最後に、これまでの手順を抜け漏れなく進めるためのチェックリストをまとめました。各ステップで確認してください。
- 準備
- [ ] 過去1年以内に労働法令違反がないか確認した
- [ ] 日本人スタッフと同等以上の給与規定を整備した
- [ ] 支援体制(自社実施か登録支援機関への委託か)を決定した
- 募集・選考
- [ ] 候補者は18歳以上である
- [ ] 「外食業技能測定試験」の合格を確認した
- [ ] 「日本語試験(N4以上)」の合格を確認した
- [ ] 健康診断を受診させ、問題ないことを確認した
- 契約・申請
- [ ] 雇用契約書(母国語併記)を締結した
- [ ] 事前ガイダンスを実施した(3時間以上)
- [ ] 支援計画書を作成した
- [ ] 食品産業特定技能協議会への加入申請を行い、加入証を入手した
- [ ] 在留資格認定証明書交付申請を入管へ提出した
- 入社後
- [ ] 社会保険・雇用保険の加入手続きを行った
- [ ] 生活オリエンテーションを実施した
- [ ] 四半期ごとの定期報告のスケジュールを確認した
関連する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。
まとめ
特定技能「外食業」は、人手不足に悩む飲食店にとって強力な解決策となります。制度の仕組みは一見複雑に見えますが、「試験合格者の選定」「協議会への事前加入」「適切な支援計画の実行」という重要ポイントを押さえれば、決して難しくはありません。
特に、外国人材を単なる「労働力」としてではなく、店舗を共に盛り上げる「パートナー」として迎え入れる姿勢が、採用成功の秘訣です。本記事で解説した手順とチェックリストを活用し、確実な準備を進めることで、優秀な外国人スタッフと共にビジネスを成長させていきましょう。
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