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特定技能の協議会加入手順|期限は4ヶ月?不許可を防ぐ全ステップ【社労士監修】

2026.02.08 社労士コラム

特定技能外国人の採用が決まり、在留資格の手続きを進める中で、意外と見落とされがちなのが「特定技能協議会」への加入手続きです。

「入国してから4ヶ月以内に加入すれば大丈夫」

もし、あなたがそう認識しているとしたら、少し注意が必要です。確かに制度上の原則はそうですが、建設分野など一部の分野では「申請前」の加入が必須となっており、この順序を間違えると在留資格そのものが許可されない事態になりかねません。

この記事では、HR BrEdge社会保険労務士法人の特定技能専門チームが、【特定技能 協議会 加入】の具体的な手順と、分野ごとに異なる「実務上のタイムリミット」について解説します。

この記事を読むことで、以下のことが分かります。

  • 自社が加入すべき協議会の特定方法と正しい申請タイミング
  • 建設・介護・製造など分野別の独自ルールと注意点
  • 万が一期限を過ぎてしまった場合のリカバリー方法

特定技能制度は運用ルールが頻繁に変更されます。不許可や取消しのリスクを回避し、安心して外国人を雇用し続けるために、正しい手順を一つずつ確認していきましょう。

採用決定!でも安心できない「協議会加入」のタイムリミットと優先順位

特定技能所属機関(受入れ企業)は、特定技能外国人を雇用する場合、所管省庁が設置する「協議会」への加入が法律で義務付けられています。

基本ルールとしては「特定技能外国人の入国後(または在留資格変更の許可後)4ヶ月以内」に加入することが求められています。しかし、実務の現場ではこの「4ヶ月」という数字だけを信じるのは危険です。

特に建設分野においては、在留資格申請の前に「受入計画の認定」を受ける必要があり、その要件として協議会(JAC)への加入が求められます。つまり、建設分野では事実上「採用決定直後」に動かなければ間に合いません。

ここからは、失敗のない確実な加入手順をステップ形式で解説します。

Step1:自社の対象分野を特定し、加入すべき協議会の窓口と必要書類を確認する

【結論】このステップでは、自社の業種(特定技能分野)に対応した正しい協議会を特定し、最新の加入要件を確認します。

特定技能制度では、分野ごとに管轄省庁が異なり、協議会の運営母体や加入方法もバラバラです。まずは「どこに」申請するのかを間違えないことがスタートラインです。

  • 対象分野の特定:雇用する外国人の業務内容に基づき、12分野(旧14分野)のどれに該当するかを確認します。
  • 窓口の確認:各省庁のホームページやポータルサイトで、最新の加入窓口を確認します。
    • 建設分野:一般社団法人建設技能人材機構(JAC)
    • 製造3分野:製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会(ポータルサイト)
    • 介護分野:介護分野における特定技能協議会(厚生労働省)
    • 外食業・飲食料品製造業:農林水産省の各協議会
  • 必要書類のダウンロード:入会届出書、誓約書、登記事項証明書など、分野ごとに求められる書類を準備します。

【社労士視点の実務ポイント】
私たちが支援する中でよくあるのが、「製造業だと思っていたが、実際の作業内容は建設業の区分だった」というケースです。特に工場内での組み立て設置工事などは判断が難しく、加入すべき協議会を間違えると手続きがやり直しになります。業務内容と日本標準産業分類を照らし合わせ、慎重に判断してください。

Step2:オンラインまたは郵送で加入申請を行い「受付控え」を確実に保管する

【結論】このステップでは、実際に加入申請を行い、申請したことを証明する記録(受付控えやメール)を手元に残します。

多くの協議会ではオンライン申請が導入されていますが、一部では郵送対応が必要な場合もあります。また、審査に時間がかかる場合があるため、「申請中であること」を証明できる状態にしておくことが重要です。

  • 申請手続きの実行:
    • オンラインの場合:専用フォームから企業情報を入力し、必要書類(PDF等)をアップロードします。
    • 郵送の場合:簡易書留やレターパックなど、追跡可能な方法で送付します。
  • 受付控えの保管:
    • 自動返信メールや、郵送時の受領証は絶対に捨てないでください。
    • 建設分野の場合、JACへの加入手続きと同時に、キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録も進める必要があるケースが多いです。

【注意点】
建設分野の場合:受入計画の申請時に「JACの会員証明書」または「加入申請中であることを証する書類」が必要になることがあります。スケジュールが非常にタイトになるため、採用が決まったら即座に着手してください。
その他の分野の場合:「4ヶ月以内だから後でいい」と放置し、忘れてしまう企業が散見されます。入管への申請と並行して進めることを強く推奨します。

Step3:加入証明書(入会証明書)を受領し、管轄の入管へ遅滞なく提出する

【結論】このステップでは、協議会から発行された加入証明書を受領し、管轄の地方出入国在留管理局(入管)へ提出します。

協議会に加入しただけでは手続きは完了しません。入管に対して「義務を果たしました」と報告して初めて、コンプライアンス上のリスクが解消されます。

  • 証明書の受領確認:
    • メールでPDFが送られてくるケースや、会員サイトからダウンロードするケースが増えています。
    • 記載内容(企業名、住所、代表者名)に誤りがないか必ず確認してください。
  • 入管への提出:
    • 在留資格申請中であれば、追加資料として提出します。
    • すでに許可が下りている場合は、定められた期間内(入国後4ヶ月以内等)に提出します。

【社労士視点の実務ポイント】
「協議会に入ったから安心」と思い込み、入管への提出を忘れるケースが非常に多いです。次回の在留期間更新申請の際に「未履行」と指摘され、審査が長期化したり、最悪の場合は不許可になったりするリスクがあります。受領したら即座に提出、を鉄則にしてください。

Step4:分野別独自ルール(建設・介護・製造など)の最終チェックを行う

【結論】このステップでは、分野特有の追加要件や維持管理のルールを確認し、継続的なコンプライアンス体制を整えます。

協議会加入は「一度入れば終わり」ではありません。分野によっては定期的な報告や、会費の納入が必要な場合があります。

  • 建設分野の特殊性:
    • JACの正会員である建設業者団体に所属するか、JACの賛助会員になる必要があります。
    • 年会費や受入負担金が発生するため、コスト管理も必要です。
    • 定期的な巡回指導への対応も求められます。
  • 製造3分野の注意点:
    • ポータルサイトでの定期的な情報更新が求められることがあります。
  • 介護分野の注意点:
    • 事業所単位ではなく、法人単位での加入が基本ですが、構成員の変更などがあった場合の届出漏れに注意が必要です。

【実務での判断分岐】
もし、自社が複数の分野(例:飲食料品製造と外食)で特定技能外国人を受け入れる場合は、それぞれの協議会に加入する必要があります。「一つに入っているからOK」ではないため、分野ごとの加入状況をリスト化して管理することをお勧めします。

Step5:期限を過ぎてしまった場合のリカバリー対応を行う

【結論】このステップでは、万が一加入期限(4ヶ月)を過ぎてしまった場合に、不許可や取消しを回避するための事後対応を行います。

期限超過は入管法上の義務違反となりますが、放置や隠蔽をするのが最もリスクが高い行為です。誠実かつ迅速な対応が求められます。

  • 速やかな加入手続き:気づいたその日に申請を行ってください。
  • 理由書の作成:
    • なぜ遅れたのか(担当者の失念、制度の誤認など)を正直に記載した理由書(顛末書)を作成します。
    • 再発防止策(チェックリストの導入、管理体制の見直しなど)を具体的に明記します。
  • 入管への報告と相談:
    • 加入証明書と共に理由書を提出し、誠意を持って報告します。

【社労士視点の実務ポイント】
「数日遅れただけだからバレないだろう」という判断は絶対に避けてください。入管はデータ連携や更新申請時の審査で必ずチェックします。自発的に報告し、改善の意思を示すことで、厳重注意で済むケースも多々あります。不安な場合は、私たちのような専門家に相談してから報告することをお勧めします。

まとめ:協議会加入は「最初の一歩」であり「継続的な義務」

特定技能の協議会加入は、単なる事務手続きではなく、外国人を適正に雇用するための基盤となる重要なプロセスです。

特に建設分野のような「事前加入必須」のルールや、分野ごとの細かい違いは、制度に精通していないと見落としがちです。期限管理を徹底し、確実な手続きを行うことが、外国人材の安定定着と企業の信頼性向上につながります。

特定技能・外国人雇用に関する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

監修者プロフィール

本記事は、HR BrEdge社会保険労務士法人に所属する 特定社会保険労務士・渡辺俊一が監修しています。 法人顧問業務を中心に、給与計算、労務相談、就業規則整備など、 企業のバックオフィス全体を支える実務に携わってきました。

日常的な労務相談から、制度設計、実務運用、トラブル予防まで、 「現場で実際に起こること」を前提とした支援を行っています。 特に、従業員100名以上規模の企業における 実務の属人化や判断が分かれやすい場面への対応を得意としています。

  • 社会保険労務士(登録番号:第27070207号・平成19年11月1日登録・平成24年5月1日特定社会保険労務士付記)
  • キャリアコンサルタント(登録番号:16131446・平成28年8月23日登録)
  • HR BrEdge社会保険労務士法人 代表社員
  • 法人顧問を中心とした労務管理・給与計算の実務支援
  • 就業規則・社内ルール整備を含む制度運用支援
  • 企業向け労務管理に関する書籍・実務資料の執筆・監修
  • 経営者・人事担当者向け研修・セミナー講師実績

制度の解説にとどまらず、 「このケースではどう判断すべきか」 「どこでトラブルになりやすいか」 といった実務上の判断ポイントを重視した情報提供を行っています。

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