新着情報
2025年最新版: 人事労務の属人化を解消する仕組み化と効率化の始め方
人事労務の現場において、「あの人がいないと給与計算が進まない」「年末調整の手順がブラックボックス化している」といった悩みはありませんか?
少子高齢化による労働力不足が加速し、多様な働き方が求められる今、特定の個人に業務が依存する「属人化」は、企業にとって最大のリスク要因の一つとなっています。特に2025年は、育児・介護休業法の改正や雇用保険法の見直しなど、重要な法改正が相次いで施行される年であり、従来の属人的な運用では対応しきれない場面が増えることが予想されます。
この記事では、人事労務の属人化がもたらすリスクと、2025年の最新トレンドを踏まえた解消法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。専門知識がなくても始められる「仕組み化」のステップと、ITツールを活用した効率化のポイントを押さえ、誰でも迷わず業務ができる強い組織を作りましょう。
人事労務の属人化とは?放置すると起こる問題点
「属人化」とは、ある業務の手順や進捗状況、ノウハウなどを特定の担当者しか把握しておらず、周囲のメンバーには詳細が分からない状態のことを指します。いわゆる業務の「ブラックボックス化」です。
人事労務業務は専門的な知識が必要な場面が多く、長年同じ担当者が行っているケースが多いため、特に属人化しやすい領域といえます。しかし、これを放置すると、企業経営に関わる深刻な問題を引き起こす可能性があります。
業務の遅延と停滞リスク
最も分かりやすい問題は、担当者の不在時に業務がストップしてしまうことです。担当者が病欠や急な退職をした際、給与支払いや社会保険手続きなどの重要業務が滞れば、従業員の信頼を失うだけでなく、法令違反のリスクにも直結します。
品質のばらつきとミスの隠蔽
マニュアルやチェック体制がなく、「担当者の頭の中」だけにルールがあると、業務品質が安定しません。また、誰もその業務の正解を知らないため、計算ミスや手続き漏れが発生しても発見が遅れ、長期間放置されてしまう恐れがあります。
ノウハウの喪失と教育コストの増大
ベテラン担当者が退職した際、その人が持っていた貴重な知識や経験則も一緒に失われてしまいます。後任者はゼロから業務を習得しなければならず、教育コストや引き継ぎの時間が膨大な負担となります。
なぜ今、属人化解消が必要なのか?2025年を見据えた背景
これまでの日本企業では、終身雇用を前提に「仕事は見て覚える」という文化が根付いていました。しかし、2025年というタイミングにおいて、属人化の解消は「やったほうがいいこと」から「やらなければならないこと」へと変化しています。その背景には、大きく2つの要因があります。
相次ぐ法改正への迅速な対応
2025年は、人事労務に関連する重要な法改正が複数予定されています。
- 育児・介護休業法の改正(2025年4月・10月施行): 子の看護休暇の見直しや、所定外労働の免除対象拡大、育児中の柔軟な働き方を実現するための措置などが義務化されます。
- 雇用保険法の改正: 自己都合退職者の給付制限期間の短縮や、教育訓練給付の拡充などが進められます。
これらの改正に対応するためには、就業規則の改定や実務フローの変更が必要です。業務が属人化していると、担当者の理解不足や対応漏れが発生しやすく、法改正への適応が後手に回るリスクが高まります。組織全体で最新情報を共有し、標準化されたフローで対応することが不可欠です。
人材流動性の高まりと採用難
労働人口の減少により、優秀な人材の確保は年々難しくなっています。一方で、転職が一般的になり、人材の入れ替わりは激しくなっています。「人が入れ替わっても業務が回る仕組み」を作っておかなければ、欠員が出るたびに現場が混乱し、残された社員の負担が増して離職の連鎖を招くことになりかねません。
初心者でもできる!属人化解消のための仕組み化ステップ
「属人化解消」と聞くと、大掛かりなプロジェクトのように感じるかもしれませんが、基本は日々の業務の整理から始まります。ここでは、初心者でも着実に進められる4つのステップを紹介します。
ステップ1:業務の棚卸し(洗い出し)
まずは、人事労務部門で「誰が」「どんな業務を」「いつ」「どれくらいの時間をかけて」行っているかを全て書き出します。
大まかな業務名(例:給与計算)だけでなく、「勤怠データのチェック」「手当の入力」「明細の印刷」のように、作業レベルまで細分化してリストアップすることがポイントです。これにより、特定の個人に偏っている業務が可視化されます。
ステップ2:業務フローの可視化
洗い出した業務がどのような流れで進んでいるのか、フローチャート(業務フロー図)を作成します。
複雑なツールを使う必要はありません。ホワイトボードや付箋、シンプルな作図ツールを使って、「四角(処理)」と「矢印(流れ)」だけで表現してみましょう。ここで重要なのは、「判断基準」を明確にすることです。「Aの場合は〇〇、Bの場合は△△」という分岐条件を明文化することで、誰でも判断できるようになります。
ステップ3:不要な業務の削減(断捨離)
可視化してみると、「慣例でやっていたけれど実は不要な作業」や「重複している確認作業」が見えてきます。マニュアルを作る前に、まずは業務自体をスリム化しましょう。
ECRSの原則(Eliminate:なくせないか、Combine:一緒にできないか、Rearrange:順序を変えられないか、Simplify:単純化できないか)を意識すると、効率的な業務設計が可能です。
ステップ4:標準マニュアルの作成
整理された業務フローに基づき、マニュアルを作成します。
文章だけで説明しようとせず、実際の管理画面のキャプチャ画像や動画を活用すると、初心者でも理解しやすくなります。「概要(何のためにやるか)」と「手順(具体的な操作)」を分けて記載するのが、分かりやすいマニュアルのコツです。
効率アップのカギ!ITツールを活用した業務改善
手作業での属人化解消には限界があります。2025年の現在、多くの企業がクラウド型のITツール(SaaS)を活用して、業務の標準化と効率化を同時に実現しています。
クラウド型労務管理システムの活用
「SmartHR」や「freee人事労務」などのクラウド型労務管理システムを導入することで、入退社手続きや社会保険の電子申請をシステム上で完結できます。
これまで担当者が書類を手書きしたり、役所へ持参したりしていた業務がデジタル化され、プロセスがシステム内に記録されるため、誰でも進捗を確認できるようになります。
勤怠管理システムによる法対応の自動化
「KING OF TIME」などの勤怠管理システムは、法改正による残業上限規制や有給休暇の取得義務管理に自動で対応してくれます。
複雑な労働時間の集計ルールがシステムに設定されるため、担当者の記憶や独自のExcel計算式に頼る必要がなくなり、計算ミスや属人化を根本から防ぐことができます。
マニュアル作成・共有ツールの導入
マニュアルをWordやExcelで作ると、更新が面倒になり、すぐに陳腐化してしまいます。「Teachme Biz」のようなマニュアル作成ツールを使えば、画像や動画ベースの手順書を簡単に作成・更新でき、クラウド上で常に最新版を共有できます。検索機能も充実しているため、従業員が自分で調べて解決できる環境が整います。
属人化を再発させない!定着化のための組織づくり
仕組みやツールを導入しても、運用するのは「人」です。属人化を再発させず、標準化された状態を維持するためには、組織文化やルールの整備が欠かせません。
ナレッジ共有を評価する文化の醸成
「自分しか知らないこと」を自分の価値だと思い込み、情報を抱え込んでしまう担当者もいます。
この意識を変えるために、個人の成果だけでなく、「マニュアルを作成した」「後輩にノウハウを共有した」といったチームへの貢献を人事評価に組み込むことが重要です。ナレッジ共有が称賛される文化を作ることで、自律的な情報共有が進みます。
多能工化(クロススキルトレーニング)の推進
主担当以外に、副担当を配置する「多能工化」を進めましょう。
定期的に担当業務をローテーションさせたり、お互いの業務を教え合う勉強会を開催したりすることで、特定の誰かが休んでも業務が回る体制を構築します。これは、担当者自身にとっても、休暇を取りやすくなるという大きなメリットがあります。
マニュアルの定期メンテナンス
業務内容は法改正や組織変更によって日々変化します。マニュアルは「作って終わり」ではなく、変更が生じたタイミングで即座に更新するルールを決めましょう。
月に一度など定期的な見直しの時間を設け、実際の業務とマニュアルに乖離がないかを確認する運用フローを確立することが、長期的な定着のカギとなります。
よくある疑問を解消!人事労務の属人化に関するQ&A
最後に、属人化解消に取り組む際によくある疑問や懸念について、Q&A形式で回答します。
- Q1. 忙しすぎてマニュアルを作る時間がありません。どうすればいいですか?
- A. 最初から完璧を目指さず、まずは「頻度が高い業務」や「ミスが起きやすい業務」に絞って作成しましょう。動画を撮って共有するだけでも立派なマニュアルになります。また、一時的にアウトソーシング(BPO)を活用して、業務整理をプロに任せるのも一つの手です。
- Q2. ベテラン社員が業務の共有に消極的です。どう説得すればよいですか?
- A. 「あなたの仕事を奪うためではなく、負担を減らしてより付加価値の高い業務(企画や戦略など)に集中してもらうため」という目的を伝えましょう。属人化解消によって休暇が取りやすくなるなどのメリットを提示し、安心感を持ってもらうことが大切です。
- Q3. 小規模な会社でもITツールは必要ですか?コストが心配です。
- A. むしろ少人数の会社こそ、担当者が欠けた際のリスクが高いため、ツールによる標準化が重要です。最近のクラウドツールは、従業員数に応じた月額課金制で、初期費用を抑えて数千円から導入できるものも多くあります。まずは無料トライアルで試してみることをお勧めします。
人事労務の属人化解消は、一朝一夕で完了するものではありません。しかし、2025年の法改正や将来の人材不足リスクに備えるためには、今すぐにでも着手すべき重要な経営課題です。まずはできるところから一歩ずつ、仕組み化を進めていきましょう。
関連する詳しい情報は厚生労働省の働き方改革特設サイトなどもご参照ください。
大阪なんば駅徒歩1分
給与計算からIPO・M&Aに向けた労務監査まで
【全国対応】HR BrEdge社会保険労務士法人
