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特定技能外国人の雇用で失敗しない!中小企業のための手続きと注意点【社労士解説】

2026.01.09 特定技能外国人雇用

人手不足が深刻化する中、「特定技能外国人雇用」は多くの企業にとって欠かせない選択肢となっています。しかし、制度の複雑さや手続きの煩雑さから、「何から始めればいいかわからない」「不法就労のリスクが怖い」と二の足を踏む担当者も少なくありません。本記事では、特定技能外国人雇用を成功させるための具体的な手続き、失敗を防ぐ注意点、そして定着のためのポイントを、専門家である社労士の視点で徹底解説します。

特定技能外国人の雇用、成功への第一歩とは?

特定技能外国人雇用を成功させるための第一歩は、自社が「特定技能」制度の対象分野に該当するかを確認し、受入れの目的を明確にすることです。特定技能制度は、介護、建設、製造業など人手不足が顕著な特定産業分野(現在は16分野)において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格です。

まず、出入国在留管理庁の公式サイト等で、自社の業務が対象分野に含まれているか、および「特定技能所属機関(受入れ企業)」としての要件を満たしているかを確認してください。単なる労働力不足の穴埋めとしてではなく、将来的な企業の成長を支えるパートナーとして迎え入れる意識を持つことが、その後のスムーズな手続きや定着率向上につながります。

【事前準備が鍵】外国人受け入れ体制構築で失敗しないためのチェックリスト

特定技能外国人雇用において、準備不足はトラブルの最大の原因です。以下のチェックリストを活用し、受入れ体制を万全に整えてください。

  • 受入れ機関の要件確認: 労働社会保険法令、租税関係法令を遵守しているか。過去1年以内に非自発的離職者(解雇など)を出していないか。
  • 支援体制の決定: 法律で義務付けられている「1号特定技能外国人支援計画」を自社で実施するか、登録支援機関に委託するかを決定しているか。
  • 住居の確保: 外国人が入国後すぐに生活できる適切な住居(1人当たり7.5㎡以上など)を確保、またはそのサポート体制があるか。
  • 日本人社員への周知: 現場の理解を得るため、受入れの背景や異文化理解についての研修を行っているか。

これらの項目をクリアしていない段階で採用を進めると、在留資格の審査が通らなかったり、入社後に早期離職を招いたりするリスクが高まります。

在留資格申請のよくある間違いとスムーズな手続きのコツ

特定技能外国人雇用手続きにおいて、最も時間がかかり、ミスが起きやすいのが在留資格の申請です。海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」、国内在留者を雇用する場合は「在留資格変更許可申請」を行いますが、書類の整合性が取れていないケースが多発しています。

よくある間違いとして、雇用契約書と実態の不一致や、課税証明書と源泉徴収票の数字のズレなどが挙げられます。また、申請書類は頻繁に様式が更新されるため、古いフォーマットを使用してしまい受理されないケースも少なくありません。スムーズな手続きのためには、必ず最新の運用要領を確認し、申請前に管轄の地方出入国在留管理局へ相談に行くか、専門家によるダブルチェックを受けることを強く推奨します。

労働条件・雇用契約書作成!法令違反リスクを避ける具体策

特定技能外国人との雇用契約においては、日本人の従業員と同等以上の報酬額を設定することが法令で義務付けられています。外国人であることを理由に不当に低い賃金を設定することは、明確な法令違反となり、在留資格が許可されません。

また、雇用契約書および雇用条件書(労働条件通知書)は、日本語だけでなく、外国人が十分に理解できる言語(母国語など)で作成・交付し、説明する必要があります。特に、「強制貯金」や「違約金」の設定は厳禁です。例えば「失踪防止のためにパスポートを取り上げる」「契約期間中の退職に対して違約金を請求する」といった契約は、入管法および労働基準法で禁止されており、発覚すれば厳しい処分対象となります。

入社後も安心!労務管理と生活支援で外国人社員が定着する秘訣

特定技能外国人雇用がスタートした後、彼らが長く定着するかどうかは、入社後の労務管理と生活支援にかかっています。特定技能1号には、入国前のガイダンスから入国後の送迎、住居確保、日本語学習の機会提供、日本人との交流促進など、10項目の義務的支援が定められています。

これらを形式的にこなすだけでなく、日々のコミュニケーションを大切にすることが重要です。業務マニュアルの多言語化や、「やさしい日本語」を使った指示出しを徹底することで、業務上のミスやストレスを減らすことができます。また、定期的な面談(3ヶ月に1回以上)を通じて、仕事や生活の悩みを早期に発見し、解消するサポート体制を構築してください。

外国人雇用で「まさか」をなくす!トラブル事例と未然防止策

特定技能外国人雇用現場では、文化や慣習の違いから予期せぬトラブルが発生することがあります。よくある事例として、給与の手取り額に関する誤解があります。日本では社会保険料や税金が天引きされる仕組みですが、母国にその習慣がない場合、「約束された給与より少ない」と不信感を抱くことがあります。

このようなトラブルを防ぐには、雇用契約時に「額面」と「手取り」の違いを、母国語併記の資料を用いて丁寧に説明しておくことが不可欠です。また、ゴミ出しのルールや騒音など、生活面での近隣トラブルも散見されます。入居時のオリエンテーションを徹底し、日本の生活ルールを具体的に教えることで、地域社会との摩擦を未然に防ぐことができます。

知らないと危険?外国人雇用に関する法規制と罰則

企業が特定技能外国人雇用に関連する法令に違反した場合、非常に重いペナルティが科される可能性があります。特に注意すべきは「不法就労助長罪」です。在留期限が切れている外国人を働かせたり、許可された業務範囲外(単純労働など、特定技能で認められていない業務)に従事させたりした場合、事業主は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」の対象となります。

さらに、特定技能制度独自の罰則として、不正行為や支援義務違反があった場合、その企業は今後5年間、新たな特定技能外国人の受け入れができなくなるほか、現在雇用している特定技能外国人の在留資格更新も認められなくなる可能性があります。これは事業継続に直結する重大なリスクですので、コンプライアンス遵守は経営の最優先事項として捉えてください。

特定技能外国人が長く活躍するために企業がすべきこと

特定技能外国人雇用を単なる「労働力の補充」で終わらせず、企業の成長につなげるためには、彼らのキャリアパスを明確に示すことが大切です。特定技能制度には、より熟練した技能を要する「特定技能2号」への移行や、国家資格取得への道が開かれています。

「この会社で頑張れば、どのようなスキルが身につき、どのように昇給・昇格できるか」を可視化することで、外国人社員のモチベーションは大きく向上します。また、日本人社員と分け隔てなく評価する公平な人事制度の運用や、定期的な社内イベントによるチームビルディングも、帰属意識を高め、長期的な活躍を促す有効な施策です。

外国人雇用専門家との連携が失敗を避ける最強の戦略

特定技能外国人雇用手続きは、入管法、労働関係法令、社会保険など多岐にわたる専門知識を要します。これら全てを自社の人事担当者だけで完璧にこなすことは、非常に負担が大きく、リスクも伴います。そこで有効なのが、外国人雇用に精通した専門家との連携です。

登録支援機関や、外国人雇用を専門とする社会保険労務士・行政書士に相談することで、複雑な書類作成や支援業務を適正に行うことができます。専門家のサポートを得ることで、企業は法令違反のリスクを回避しながら、外国人材が最大限に能力を発揮できる環境づくりに専念することが可能になります。

外国人雇用に関する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

まとめ

特定技能外国人の雇用は、適切な手続きと手厚いサポートがあれば、企業に大きな活力をもたらします。しかし、制度の理解不足や準備不足は、重大なコンプライアンス違反や早期離職につながりかねません。今回解説したチェックリストや注意点を参考に、法令を遵守した受け入れ体制を整えることが成功への近道です。特定技能外国人雇用に関して不安な点があれば、まずは専門家に相談し、確実な一歩を踏み出しましょう。

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