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特定技能介護でよくある困りごと6選を社労士が解説!初心者向け解決策と成功事例
深刻な人手不足が続く介護業界において、切り札として注目されているのが「特定技能」制度です。しかし、初めて外国人材を受け入れる事業所からは、「言葉は通じるのか?」「すぐに辞めてしまわないか?」といった特定技能介護の困りごとに関する不安の声も多く聞かれます。
この記事では、外国人雇用専門の社労士が、特定技能「介護」の現場で頻発するトラブルとその具体的な解決策、そして受け入れを成功させるためのポイントを初心者にも分かりやすく解説します。
特定技能「介護」とは?初心者が知るべき基本知識
まずは、特定技能「介護」という制度の基本的な仕組みを理解しましょう。技能実習制度との違いや、任せられる業務範囲を正しく知ることが、後のトラブル回避につながります。
技能実習との決定的な違い
「技能実習」は国際貢献(技術移転)を目的としているのに対し、「特定技能」は日本の人手不足解消(労働力の確保)を目的としています。そのため、特定技能外国人は「即戦力」として期待されており、現場での人員配置基準にも日本人職員と同様に算定することができます。
任せられる業務範囲
特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人は、身体介護(入浴、食事、排泄の介助等)に加え、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)を行うことができます。
【最新情報】訪問介護の解禁これまで施設系サービスに限られていましたが、2025年度より要件(日本の介護施設での実務経験等)を満たせば、訪問介護サービスへの従事も可能となりました。これにより、活用の幅が大きく広がっています。
外国人介護士の採用でよくある「困りごと」とその乗り越え方
採用段階でのミスマッチは、入社後のトラブルの最大の原因です。よくある失敗例を見てみましょう。
1. 「日本語レベルN4」への過度な期待
特定技能の要件である「JLPT N4(基本的日本語)」は、日常会話がゆっくりなら理解できるレベルです。しかし、介護現場特有のスピードや方言、専門用語には即座に対応できません。「N4だから大丈夫」と過信せず、面接時に実際の会話力を確認することが重要です。
2. 採用コストとスケジュールの誤算
海外から呼び寄せる場合、面接から入国まで4〜6ヶ月かかることも珍しくありません。また、紹介手数料や渡航費、支援委託費などの初期費用が発生します。「すぐに来てくれる」「安く雇える」という認識は改め、計画的な採用スケジュールを組みましょう。
入社後も安心!定着と育成に関する課題と具体的な解決策
特定技能外国人は、日本人と同じように「転職」が可能です(同分野内)。そのため、定着対策は日本人職員以上に重要になります。
早期離職のリスク
「給与が思ったより低い(手取り額の誤解)」「都市部の施設に移りたい」といった理由で、入社後1年以内に転職してしまうケースがあります。
解決策: 雇用契約締結時に、額面と手取りの違い(税金・社会保険料)を母国語で丁寧に説明しましょう。また、キャリアパス(介護福祉士資格の取得支援など)を提示し、「ここで長く働くメリット」を可視化することが定着のカギです。
孤立とホームシック
職場で相談できる相手がおらず、孤立してしまうこともあります。
解決策: メンター制度(相談役)を導入し、日本人職員とのペアを作ります。業務だけでなく生活面の相談にも乗ることで、心理的安全性が高まります。
言葉の壁や文化の違いを解消!スムーズな職場環境作りのコツ
「言葉の壁」は、外国人材本人だけでなく、受け入れる日本人職員にとってもストレスになります。
「曖昧な指示」は通じない
「ちょっと見ておいて」「適当にお願い」といった、日本特有のハイコンテクストな指示はトラブルの元です。
解決策: 「10分間、リビングで見守ってください」「お茶をコップ半分まで入れてください」など、具体的かつ数値を使った指示(「やさしい日本語」)を心がけましょう。日本人スタッフ向けの「やさしい日本語研修」も効果的です。
宗教や生活習慣への配慮
イスラム教徒の礼拝や食事制限など、文化的な背景への理解不足が摩擦を生むことがあります。
解決策: 採用時に宗教上のNG事項を確認し、可能な範囲(休憩時間に礼拝スペースを確保するなど)で配慮する姿勢を示しましょう。これだけで信頼関係がグッと深まります。
行政手続き・コンプライアンスの落とし穴を避けるポイント
特定技能制度は、法令遵守(コンプライアンス)が非常に厳格です。知らなかったでは済まされない注意点があります。
受け入れ人数の枠(上限)
特定技能「介護」には、事業所単位で受け入れ人数の上限があります。
- ルール: 「事業所の日本人等の常勤介護職員の総数」を超えてはいけません。
非常勤職員や技能実習生はこの「常勤数」には含まれないため、計算ミスによる法令違反に注意が必要です。
四半期ごとの定期報告
受け入れ企業は、3ヶ月に1回、出入国在留管理庁へ「定期届出」を行う義務があります。これを怠ると、在留資格の取り消しや、今後の受け入れ停止処分を受ける可能性があります。自社での対応が難しい場合は、登録支援機関へ委託するのが一般的です。
特定技能介護士の受け入れ「成功事例」に学ぶ実践ヒント
実際に課題を乗り越え、戦力化に成功している施設の事例を紹介します。
事例1:資格取得を全力応援して定着率アップ
ある特別養護老人ホームでは、週に1回、勤務時間内に「介護福祉士国家試験対策の勉強会」を開催しました。施設全体で彼らのキャリアアップを応援する姿勢を見せたことで、モチベーションが向上し、特定技能から国家資格取得(=在留資格「介護」への移行)を果たす職員が続出。長期的な人材確保に成功しています。
事例2:ICTツールの活用で負担軽減
記録業務の負担を減らすため、翻訳機能付きの介護記録ソフトやインカム(音声翻訳機)を導入。外国人材がスムーズに報告・連絡・相談できる環境を整えたことで、日本人職員の教育負担も大幅に軽減されました。
外国人雇用を成功させるための重要ポイントとよくある質問
特定技能介護の受け入れを成功させるポイントは、「外国人扱いしすぎず、かつ配慮を忘れない」バランスです。日本人職員と同等の戦力として期待しつつ、文化や言語のハンディキャップには組織としてサポートを提供する体制が不可欠です。
最後に、よくある質問をまとめました。
- Q: 特定技能外国人は夜勤ができますか?
- A: はい、可能です。ただし、業務に慣れ、緊急時の対応(日本語での電話連絡など)ができるようになってから配置するのが安全です。
- Q: 雇用形態は?
- A: 原則として「直接雇用」のフルタイム勤務に限られます。派遣形態は認められていません。
外国人雇用に関する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。
まとめ
特定技能「介護」の受け入れには、言葉や文化の違いによる「困りごと」が付き物です。しかし、適切な準備とマインドセットがあれば、これらは必ず乗り越えられます。彼らは日本の介護現場にとって、単なる労働力以上の、多様性と活気をもたらす貴重なパートナーとなり得ます。まずは小さな一歩から、受け入れ体制の整備を始めてみてください。
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