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【昇給は何歳まで?】年齢別の昇給傾向と就業規則における制度設計のポイント

2025.06.23 スタッフブログ

「昇給って何歳まで続くの?」
「50代以降は昇給なしって本当?でも制度には書いてない…」
「就業規則に年齢による昇給制限は書いてもいいの?」

東京・大阪・福岡・名古屋などの都市部では、従業員100名以上の中小企業において、「昇給年齢の上限」や「昇給制度の明確化」が課題となるケースが増えています。
特に高齢化と定年延長が進む中で、「何歳まで昇給させるべきか」「昇給しない場合の説明責任」などが、企業の評価制度や人件費コントロールに大きく関わる重要テーマです。

本記事では、大阪を拠点とする社会保険労務士が、「昇給は何歳まで?」という疑問に対し、年齢別の運用実態、就業規則・給与制度への対応、助成金やアウトソースとの連携まで、実務に役立つ知識をわかりやすく解説します。

1. 昇給は何歳まで?年齢別の実態と制度の考え方

◆ 昇給の定義とは

昇給とは、基本給や手当など賃金額が上がることを指します。
勤続年数・職務能力・人事評価・物価上昇などに応じて行われるのが一般的です。

◆ 年齢別・実態ベースの昇給傾向(一般的な中小企業)

  • 20代: 毎年昇給あり。能力向上・成長支援の意味合いが強い
  • 30代: 評価制度と連動した昇給が中心。ポストに応じて金額も変動
  • 40代前半: 年功的な昇給から成果重視にシフト。役職・昇格との連動が目立つ
  • 50代〜定年前: 昇給が停止・抑制される企業が多い。代わりに役職手当や退職金制度で調整される傾向

◆ 就業規則に「昇給年齢の上限」は書ける?

昇給の年齢制限を一律で定めるのは法的に慎重な対応が必要です。
年齢による差別禁止(雇用対策法10条)にも関わるため、あくまで「人事評価制度に基づく昇給停止」などの表現にとどめるのが一般的です。

◆ C社(東京・サービス業)の事例

昇給年齢の上限を55歳と就業規則に明記していたが、「能力があるのに昇給できないのは不合理」との指摘が入りトラブルに。
顧問社労士と連携し、年齢ではなく「職能評価による昇給制度」に移行し、年齢問わず公正な運用を実現。

2. 昇給制度を見直すための実務アクション8選

  1. 就業規則に「昇給の考え方」を明文化
    「昇給は人事評価・会社業績に応じて実施する」と規定し、年齢に依存しない設計に。大阪の製造業で導入済。
  2. 評価制度と昇給を連動させる
    年齢ではなく成果・能力で昇給する仕組みを構築。名古屋の物流業で定着。
  3. 60歳以上は「再雇用制度」と切り分け
    定年前の昇給制度と、再雇用後の給与体系を明確に分離。福岡の医療法人で効果的に運用。
  4. 昇給停止の代わりに役職手当・報奨制度を設計
    ベースアップを止めつつ、インセンティブを支給。東京の商社で人件費を抑えながらモチベ維持。
  5. 給与計算ソフトで年齢別の昇給履歴を管理
    手動管理を脱却し、公正な運用と記録の残存を実現。大阪の建設業で活用。
  6. 助成金(人事評価改善等助成金)との連動を検討
    評価制度と昇給を連動させる制度構築に対して活用可能。
  7. 従業員に「昇給の仕組み」を説明
    「年齢で止まった」の誤解を防ぐため、制度と評価内容を可視化。名古屋のIT企業で実施。
  8. やってはいけない:黙って昇給を止める
    周知もなく突然昇給がなくなると、不信感や離職の原因に。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 昇給に年齢上限を設けても違法ではない?
A. 明確な合理性がなければ、年齢差別と見なされる恐れがあります。能力や評価に基づいた制度が安全です。

Q. 60歳以上の再雇用者には昇給が必要?
A. 義務ではありませんが、仕事内容や勤務成績に応じて設定することが望ましいです。

Q. 就業規則に「昇給なし」と書いてもいい?
A. 可能ですが、評価制度・経営状況等に応じて例外を認める表現にしておく方が柔軟に対応できます。

Q. 昇給停止を従業員に説明しないといけない?
A. はい。納得性のある制度でないと不満・退職・トラブルにつながるリスクが高いです。

まとめ:昇給は“年齢”ではなく“制度設計と説明力”で決まる

昇給が何歳までかは、法律で明確に決まっているわけではありません。
本記事では、実際の企業傾向、年齢別の昇給パターン、就業規則への記載方法、制度の見直しポイント、助成金やアウトソースとの連携まで、実務に即した対応策を紹介しました。

大阪・東京・福岡・名古屋などの中小企業でも、年功的な運用から評価ベースの運用へと移行が進んでいます。
社労士と連携し、自社に最適な昇給制度の再設計を進めましょう。それが人材定着と公平な人事制度の第一歩になります。

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