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【固定残業代と就業規則】正しく運用できてる?トラブル回避のための実務対応ガイド

2025.06.22 スタッフブログ

「固定残業代制度って違法じゃないの?」
「就業規則にどう書けばトラブルを防げるの?」
「従業員に説明しているつもりだけど、不満や誤解が絶えない…」

東京・大阪・福岡・名古屋などの都市部では、100名以上の中小企業を中心に「固定残業代制度」を導入している企業が増えています。
しかし、その一方で「制度の不備」や「就業規則への不適切な記載」により、労基署から是正指導を受けたり、従業員との紛争に発展する事例も後を絶ちません。

本記事では、大阪を拠点に多数の労務トラブル対応を行ってきた社会保険労務士が、「固定残業代の正しいルール」「就業規則に明記すべき事項」「給与計算・助成金・手続き・アウトソースとの連携」まで、実務に即して解説します。

1. 固定残業代とは?制度の概要と就業規則上の重要ポイント

◆ 固定残業代とは?

固定残業代(みなし残業)は、あらかじめ一定時間分の残業代を基本給とは別に支給する制度です。
例えば「30時間分の残業代を定額で支払う」など、残業の有無に関わらず一定額が給与に含まれます。

◆ 労働基準法における要件

  • ① 残業代の時間数と金額を明示していること
  • ② 時間数に満たなかった場合でも支給すること
  • ③ 超過分は別途支給すること

◆ 就業規則に必ず記載すべき事項

  • 固定残業代の趣旨と対象職種
  • みなし時間数(例:30時間)と金額
  • 超過分の取扱いと支払い方法
  • 固定残業代を含む総額と基本給の内訳

◆ よくある誤り

  • 固定残業代の時間数や金額を明示していない
  • 超過分を別途支給していない
  • 就業規則に一切記載がない

◆ A社(名古屋・物流業)の事例

固定残業代を導入していたが、就業規則・雇用契約書に詳細な記載がなく、退職者が未払い残業代を請求。
顧問社労士が対応し、制度整備・説明文書・計算根拠を明示する形で和解。現在は給与計算ソフトにも連動し、トラブルゼロに。

2. 固定残業代制度を適正に運用するためのアクション8選

  1. 就業規則に固定残業代の定義と詳細を明記
    残業時間・金額・超過分支払いルールを明確化。大阪の製造業で導入済。
  2. 雇用契約書・労働条件通知書に明確に記載
    労基署や裁判でも証拠として重視される。東京のサービス業で活用。
  3. 給与明細に固定残業代の内訳を分けて表示
    総支給額ではなく、内訳を明示することが信頼性のカギ。福岡の小売業でトラブル防止。
  4. 実際の労働時間とみなし時間を定期的に比較
    残業実態が常に上回っていれば制度再検討を。名古屋の建設業で見直し実施。
  5. 超過分の残業代を自動計算できる給与ソフトを導入
    精算漏れを防ぐため、給与計算システムと連携。大阪の医療法人で実現。
  6. 助成金制度と連携(職場定着支援など)
    処遇改善制度と併せて申請することで制度構築のコストを軽減。
  7. 制度導入時に説明会・同意書取得を徹底
    特に中途採用・若年層に対しては丁寧な説明が必要。東京のIT企業で実践。
  8. やってはいけない:給与額のみ記載し内訳を伏せる
    総額だけでは“基本給に残業代含まれていた”とは認められず、無効とされるリスク。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 固定残業代を就業規則に書いていないと違法ですか?
A. 明記していない場合は制度が無効とされるリスクが高いため、必ず記載が必要です。

Q. 超過分の支払いは義務ですか?
A. はい。法定労働時間を超えた分は、別途残業代として支払う必要があります。

Q. 全社員に一律で固定残業代を設定してもいい?
A. 職種や職責に応じた合理的な設計が必要。形だけの制度は無効とされるリスクがあります。

Q. 毎月残業ゼロでも固定残業代を払うの?
A. はい。残業の有無にかかわらず、定額支給するのが固定残業代制度の前提です。

まとめ:固定残業代の正しい運用と就業規則整備で“企業防衛”を

固定残業代制度は、適正に設計・運用すれば労務管理を効率化できる一方で、不備があれば重大なリスクにつながります。
本記事では、制度の基本から就業規則への記載、給与計算・説明責任・助成金・アウトソースとの連携まで、実務に即して解説しました。

大阪・東京・福岡・名古屋などの中小企業でも、社労士と連携して制度整備を進める動きが進んでいます。
今こそ、自社の固定残業代制度を点検し、従業員との信頼関係を築けるルール運用を構築しましょう。

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