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中小企業に月60時間超の残業で割増賃金率引き上げが適用されたのはいつから?

2024.03.26 社労士コラム

近年、中小企業の人事・労務担当者が直面する大きな課題の1つが、労働法の改正による割増賃金率の変更です。
2023年4月から施行されるこの改正は、時間外労働に対する割増賃金率の引き上げを含み、中小企業の運営に直接的な影響を及ぼしています。

本記事では、この法改正の詳細と、中小企業が取るべき実践的な対応策について解説します。

 

□月60時間超残業の割増賃金率引き上げはいつから?

 

1:割増賃金率の概要と背景

割増賃金とは、労働基準法に基づき、法定労働時間を超える労働に対して支払われる追加賃金のことです。
従来、中小企業では月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率は25%でした。

しかし、労働者の過重労働防止と健康確保を目的として、この割増率は2023年4月より50%へと引き上げられることになりました。

 

2:中小企業への影響

この改正の背景には、労働者の健康保護と労働時間短縮の推進があります。
中小企業における割増賃金率の引き上げは、過労を抑制し、働きやすい環境を促進するための重要な一歩です。

しかし、同時に、これは中小企業にとって人件費の増加や労働管理体制の見直しを迫るものでもあります。

 

3:法改正の適用基準

中小企業か否かの判断は、業種ごとに「資本金の額または出資金額」と「常時使用する労働者数」で行われます。
中小企業に該当するか否かを確認することが、法改正への適切な対応の第一歩となります。

 

□中小企業に求められている対策とは?

 

*代替休暇制度の導入

法改正により割増賃金率が50%に引き上げられたことに伴い、中小企業は代替休暇制度の導入を検討する必要があります。
この制度では、月60時間を超える時間外労働に対して、割増賃金の支払い代わりに代替休暇を付与できます。

代替休暇の具体的な算定方法、付与単位、期間、取得日の決定方法などを定めた労使協定の締結が必要となります。

 

*勤怠管理システムの活用

労働時間の把握と可視化は、割増賃金率の引き上げに伴ってさらに重要性を増しています。
労働時間が多い部署や月を特定し、時間外労働を削減する対策を講じることで、割増賃金によるコスト増加を抑制できます。

また、勤怠管理システムの導入や活用は、効率的な人員配置や勤務制度の見直しにも役立ちます。

 

*就業規則の変更

法改正に伴う割増賃金率の引き上げは、就業規則における「賃金の決定、計算及び支払の方法」に関わる変更です。
このため、就業規則の変更が必要となります。
変更した就業規則は、労働基準監督署への届出が求められます。

 

□まとめ

この記事では、2023年4月から中小企業に適用されている労働法改正、特に月60時間超の残業に対する割増賃金率の引き上げに焦点を当てました。

この法改正は、中小企業の人事・労務担当者にとって、人件費の増加や労働時間管理の見直しといった新たな課題をもたらします。
対策として、代替休暇制度の導入、勤怠管理システムの活用、そして就業規則の変更が必要です。

これらの対応を通じて、中小企業は法改正に適切に対応し、より健全な労働環境を実現できますよ。

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