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登録支援機関は本当に必要?自社支援と比較!特定技能外国人の最適解【専門家が解説】

2026.01.05 特定技能制度

特定技能外国人の受け入れを検討する企業にとって、最初の大きな壁となるのが「登録支援機関を利用すべきか、それとも自社で支援を行うべきか」という判断です。

コスト削減のために自社支援を検討する企業も多いですが、法律で定められた支援業務は非常に複雑で、専門知識がないまま進めると法令違反のリスクも伴います。本記事では、登録支援機関の役割や委託のメリット、自社支援の厳しい要件について、Q&A形式で専門家が徹底解説します。どちらが自社にとって最適な選択なのか、リスクとコストを比較しながら判断していきましょう。

登録支援機関とは?特定技能外国人のサポート体制を徹底解説

Q1. 登録支援機関とは具体的にどのような役割を担う機関ですか?

登録支援機関とは、特定技能所属機関(受け入れ企業)に代わって、特定技能1号外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、法律で定められた支援計画の作成や実施を行う機関のことです。出入国在留管理庁長官の登録を受けた法人や個人がこれに該当します。

特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、入国前のガイダンスから帰国時の送迎まで、多岐にわたる支援が義務付けられています。しかし、これらの業務をすべて自社で行うには専門的な知識や多言語対応能力が必要です。そこで、企業に代わってこれらの義務的支援を適正に実施するのが登録支援機関の役割です。具体的には以下の10項目の義務的支援を実施します。

  • 事前ガイダンスの提供(対面またはテレビ電話等)
  • 出入国時の空港等への送迎
  • 住宅確保や生活に必要な契約の支援(銀行口座開設、携帯電話契約など)
  • 生活オリエンテーションの実施(日本のルールやマナーの説明)
  • 公的手続等への同行(住民登録、税金、社会保険など)
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談・苦情への対応(母国語での対応必須)
  • 日本人との交流促進
  • 転職支援(会社都合で解雇する場合など)
  • 定期的な面談・行政機関への通報(3ヶ月に1回以上)

Q2. 特定技能外国人の支援は必ず登録支援機関に委託しなければなりませんか?

いいえ、必ずしも登録支援機関に委託しなければならないわけではありません。受け入れ企業自身が支援要件を満たしていれば、自社で支援を行うこと(自社支援)も法的に可能です。

しかし、自社支援を行うためには、過去2年以内に中長期在留者の適正な受け入れ実績があることや、支援責任者および支援担当者を選任できることなど、厳しい基準をクリアする必要があります。要件を満たせない場合や、社内のリソースが不足している場合は、支援業務の全部を登録支援機関に委託することが義務付けられています。

登録支援機関に委託するメリット:企業の人手不足解消と専門サポート

Q3. 登録支援機関に支援を委託する最大のメリットは何ですか?

登録支援機関に委託する最大のメリットは、複雑で膨大な支援業務をアウトソーシングすることで、企業は本来の業務や外国人の指導・育成に集中できる点です。特に、専門的な法律知識が必要な書類作成や、緊急時のトラブル対応をプロに任せられる安心感は大きいです。

また、自社支援には「外国人が十分理解できる言語(母国語など)」での支援体制が必須ですが、社内に通訳スタッフがいない企業にとって、これを満たすのは容易ではありません。登録支援機関であれば、多言語対応可能なスタッフが常駐しているため、外国人従業員からの相談や苦情にもスムーズに対応でき、職場定着率の向上にもつながります。

登録支援機関なしで自社支援する方法:要件と実務上の注意点

Q4. 登録支援機関なしで自社支援を行うための具体的な要件は?

登録支援機関を利用せず自社支援を行うには、主に出入国在留管理庁が定める以下の要件をすべて満たす必要があります。これらは形式的なものではなく、実態として支援が可能かどうかが審査されます。

  • 支援実績: 過去2年以内に、中長期在留者(就労資格を持つ外国人)の受け入れ実績があること、または役員や職員が過去2年以内に支援業務に従事した経験があること。
  • 支援体制: 支援責任者および支援担当者を選任し、配置していること。
  • 中立性の確保: 支援責任者らが、特定技能外国人の指揮命令系統(直属の上司など)とは異なる立場の者であること。
  • 言語対応: 外国人が十分に理解できる言語で支援を実施できる体制があること(外部通訳の利用も可)。
  • 法令遵守: 過去5年以内に労働法令違反や入管法違反がないこと。
  • 文書作成: 支援状況に係る文書を作成し、保管できる体制があること。

Q5. 自社支援を行う際に選任する「支援責任者」に求められる条件とは?

自社支援において極めて重要なのが、支援責任者および支援担当者の選任です。特に注意すべきは「中立性」の要件です。

支援責任者等は、特定技能外国人に対して指揮命令権を持つ立場(例えば、現場のライン長や直属の上司)であってはなりません。これは、外国人が上司に対して相談しにくい状況や、パワハラ等の問題が隠蔽されるのを防ぐためです。通常は総務部や人事部の担当者、あるいは別の部署の役職員を選任するのが一般的です。また、24時間対応可能な緊急連絡体制の整備も求められるため、担当者の負担は決して小さくありません。

徹底比較!登録支援機関と自社支援の費用・手間・リスク

Q6. 登録支援機関への委託費用と自社支援のコストはどちらが有利ですか?

単純な金額面だけで見れば、登録支援機関への委託費用(月額1人あたり2〜3万円程度が相場)がかからない分、自社支援の方が安く見えるかもしれません。しかし、隠れたコストを考慮する必要があります。

自社支援の場合、支援担当者の人件費、3ヶ月ごとの定期面談や公的機関への同行にかかる移動費・時間コスト、さらには通訳を外部委託する場合の費用が発生します。また、法改正に対応するための学習コストや、書類不備によるトラブル対応のリスクも考慮すると、支援対象人数が少ない(数名程度)うちは、委託した方がトータルコストパフォーマンスが良いケースも多いです。逆に、数十名規模で受け入れる場合は、専任担当者を雇用して自社支援化した方がコストメリットが出る可能性があります。

どちらを選ぶ?最適な支援体制を決定する判断基準

Q7. 登録支援機関と自社支援、どちらを選ぶべきかの判断基準は?

登録支援機関を利用するか自社支援にするかは、「社内の受け入れ体制」と「採用人数」を基準に判断することをおすすめします。

初めて特定技能外国人を受け入れる場合や、採用人数が1〜5名程度の場合は、ノウハウ不足による法令違反リスクを避けるためにも委託が賢明です。一方、既に技能実習生の受け入れ実績が豊富で、社内に外国語が堪能なスタッフがおり、今後も継続的に多数の外国人を採用する計画がある場合は、将来的な内製化を見据えて自社支援に挑戦する価値があります。まずは委託からスタートし、ノウハウを蓄積してから徐々に自社支援へ切り替える「ハイブリッド型」も一つの選択肢です。

登録支援機関の選び方と契約時のチェックポイント

Q8. 信頼できる登録支援機関を選ぶためのチェックポイントは?

信頼できる登録支援機関を選ぶためには、単に「費用の安さ」だけで決めるのではなく、以下のポイントを必ず確認してください。

  • 対応言語と体制: 受け入れる外国人の母国語にネイティブレベルで対応できるスタッフが在籍しているか。
  • 支援実績: 同業種や同国籍の支援実績が豊富か。トラブル対応の具体例を提示できるか。
  • 費用の明瞭性: 月額費用のほかに、初期費用、送迎費用、通訳費用などが別途請求される仕組みになっていないか。
  • レスポンスの速さ: 緊急時の連絡体制が整っており、問い合わせに対する回答が迅速か。
  • 行政処分の有無: 過去に入管法違反などで行政処分を受けていないか(出入国在留管理庁のホームページで確認可能)。

自社支援で陥りがちな落とし穴とトラブル回避策

Q9. 自社支援でよくある失敗やトラブルを回避するには?

自社支援を選択した企業で最も多い失敗は、「支援計画の実施漏れ」と「書類の不備」です。

特に「3ヶ月に1回の定期面談」と「四半期ごとの定期届出」を忘れてしまい、入管法違反となるケースが後を絶ちません。これが発覚すると、特定技能外国人の在留資格更新が不許可になるだけでなく、企業側も向こう5年間、新たな外国人の受け入れができなくなる(欠格事由に該当する)という非常に重いペナルティが科されます。こうしたトラブルを回避するためには、支援業務専用のカレンダー管理や、専門家(行政書士や社会保険労務士)による定期的なコンプライアンスチェックを受ける体制を整えることが不可欠です。

外国人雇用に関する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

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