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外国人雇用で「こんなはずじゃ…」をなくす!社労士が語る【後悔しない】法的リスクとコンプライアンス対策

2026.01.10 外国人雇用

外国人雇用を検討する企業が増える一方で、「採用したもののトラブルが絶えない」「手続きが複雑で不安だ」という声も多く聞かれます。本記事では、外国人雇用の専門家である社労士が、企業が直面する法的リスクやコンプライアンス対策、そして定着率を高めるポイントを徹底解説します。後悔しない受け入れ体制を整え、企業の成長につなげましょう。

外国人雇用で「こんなはずじゃなかった」経験談:失敗から学ぶ第一歩

「優秀な人材だと思って採用したのに、現場とうまくいかない」「ある日突然、連絡が取れなくなった」。これらは、外国人雇用において実際に多くの企業が直面している「こんなはずじゃなかった」という後悔の声です。

失敗の多くは、単なる「言葉の壁」ではなく、文化的な背景の違いや、法的手続きの認識不足から生じます。例えば、日本の職場特有の「空気を読む」文化を求めてしまい、具体的な指示を出さなかったことで重大なミスにつながったケースや、在留カードの確認を怠ったために、知らず知らずのうちに不法就労に加担してしまった事例も後を絶ちません。

これらの失敗事例から学べるのは、外国人雇用は日本人採用の延長線上にあるものではなく、全く新しい「経営戦略」として捉える必要があるということです。「なんとかなるだろう」という安易な考えは捨て、リスクを直視することから始めましょう。

知らなかったでは済まされない!外国人雇用における法的リスクと罰則

企業が最も恐れるべきは、コンプライアンス違反による法的リスクです。特に注意が必要なのが、入管法で定められた不法就労助長罪です。

これは、不法滞在者や就労許可のない外国人を働かせた場合に適用されるもので、事業主には「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科せられます。さらに、2025年の法改正(刑法改正による拘禁刑導入等に関連する厳罰化の議論含む)により、今後は「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」へと罰則が大幅に強化される見込みです。

恐ろしいのは、事業主が「不法就労だとは知らなかった」と主張しても、在留カードの確認義務を怠っていれば過失として処罰の対象になる点です。

  • 在留カードの有効期限切れ(オーバーステイ)
  • 留学生の週28時間超過勤務
  • 就労ビザで認められた活動範囲外の業務に従事させること

これらはすべて処罰の対象です。ハローワークへの外国人雇用状況届出を怠った場合も、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。コンプライアンス違反は、社会的信用の失墜や、最悪の場合は事業継続が困難になるリスクも孕んでいます。

完璧なコンプライアンス体制を構築!在留資格から労務管理まで網羅

リスクを回避するためには、採用段階からの徹底したチェック体制が不可欠です。まずは、面接時に必ず「在留カード」の原本を確認してください。

確認すべきポイントは以下の通りです。

  • 顔写真と本人が一致しているか
  • 在留資格の種類が、従事させる業務内容と一致しているか
  • 在留期間(有効期限)が切れていないか
  • 裏面の「資格外活動許可欄」の記載有無(留学生などの場合)

さらに、出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効照会」ウェブサイトを利用し、カード自体が偽造されていないか、番号が失効していないかを確認することも重要です。

また、採用決定後は、速やかにハローワークへ「外国人雇用状況届出」を提出しましょう。これは雇用対策法に基づく義務であり、雇入れ時だけでなく、離職時にも提出が必要です。社内の労務担当者だけでなく、現場の責任者にもこれらの知識を周知し、全社的なコンプライアンス体制を構築することが、外国人雇用を成功させる基盤となります。

外国人材が安心して働ける環境を:労働条件・社会保険の重要ポイント

外国人材を受け入れる際、日本人社員との待遇差を設けることは原則として禁止されています。労働基準法は国籍を問わず適用され、社会保険(健康保険・厚生年金)や労働保険(雇用保険・労災保険)への加入義務も日本人と同様です。

特にトラブルになりやすいのが、労働条件の通知です。労働基準法上、労働条件通知書は日本語での作成でも法的には有効ですが、内容を理解できないまま署名させると、後々のトラブルの原因になります。「聞いていた給与と違う」「残業代が含まれていない」といった不満は、早期離職の最大の要因です。

トラブルを防ぐためには、母国語または英語を併記した雇用契約書や労働条件通知書を作成し、丁寧に説明する時間を設けましょう。また、給与から控除される税金や社会保険料についても、「手取り額」と「総支給額」の違いを図解で説明するなど、視覚的に分かりやすい工夫が必要です。

彼らが将来帰国する際に、厚生年金の脱退一時金が請求できることなども事前に伝えておくと、社会保険加入への抵抗感を減らすことができます。

定着率アップの鍵!心に寄り添うオンボーディングとサポート体制

採用した外国人材に長く活躍してもらうためには、入社直後の「オンボーディング」が極めて重要です。異国の地で働く彼らは、仕事だけでなく生活面でも大きな不安を抱えています。

業務マニュアルの整備はもちろんですが、それ以上に効果的なのが「メンター制度」の導入です。業務の指導役とは別に、年齢の近い社員や、同じ出身国の先輩社員を相談役として配置し、気軽に質問できる環境を作りましょう。

また、役所での転入手続き、銀行口座の開設、携帯電話の契約、住居探しといった生活セットアップのサポートも、企業が主導して行うべきです。これらを「個人の問題」として突き放すのではなく、会社が親身になってサポートすることで、従業員のエンゲージメント(帰属意識)は劇的に向上します。

「この会社は自分を大切にしてくれている」という安心感こそが、外国人雇用における定着率アップの最大の鍵です。定期的な面談を実施し、仕事の悩みだけでなく、生活上の困りごとにも耳を傾ける姿勢を持ち続けましょう。

文化の壁を乗り越える!円滑なコミュニケーションで信頼関係を築く方法

「指示待ちばかりで主体性がない」「報告・連絡・相談がない」。これらは、文化的なコミュニケーションスタイルの違いから生じる典型的な誤解です。

日本は「言わなくても察する」ハイコンテクスト文化ですが、多くの国は「言葉にしたことだけが伝わる」ローコンテクスト文化です。曖昧な指示は通用しません。「なるべく早く」ではなく「○時までに」、「適当にやっておいて」ではなく具体的な手順を示すなど、明確な言語化を心がけてください。

また、日本語能力=業務遂行能力ではありません。日本語が未熟でも、高い専門スキルや意欲を持っている人材は沢山います。「やさしい日本語」を使ってゆっくり話す、翻訳ツールを活用するなど、歩み寄る姿勢を見せることが大切です。

異文化理解研修を日本人社員向けに実施することも効果的です。相手の文化背景を知ることで、「なぜそのような行動をとるのか」が理解でき、イライラが解消されるだけでなく、多様な視点を取り入れた新しいアイデアが生まれるきっかけにもなります。

「後悔しない」ための最終チェック:採用から退職までの法的・実務的視点

最後に、外国人雇用のサイクル全体を見渡したチェックポイントを確認しましょう。

採用時の厳格な在留資格確認に始まり、入社時の適切な社会保険手続き、そして入社後の定期的な在留期間更新管理。これらは一つでも欠けると大きなリスクになります。特に在留期限の管理は重要で、更新を忘れると不法滞在となり、本人だけでなく企業も処罰され、雇用継続ができなくなります。

そして見落としがちなのが、退職時の手続きです。

  • 離職票や源泉徴収票の交付
  • ハローワークへの外国人雇用状況届出(離職)
  • (特定技能の場合)出入国在留管理庁への支援終了届出

これらを遅滞なく行う必要があります。また、退職後に帰国するのか、国内で転職するのかによって、住民税の精算方法や脱退一時金の手続きも異なります。

外国人雇用は、法的な知識と、人としての温かいサポートの両輪が必要です。「法律を守る」という守りの姿勢と、「多様な人材を活かす」という攻めの姿勢を持ち、万全の体制で外国人材を迎え入れましょう。

外国人雇用に関する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

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