こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人 社員の牧村和磨です。
この記事は、当サイトの他の記事で「利息制限法の上限金利」に触れたときに、その中身を確かめていただくために書いています。
先に結論だけお伝えすると、上限は3段階です。10万円未満なら年20.0%、10万円以上100万円未満なら年18.0%、100万円以上なら年15.0%。金額が小さいほど、上限は高くなります。
お金を借りる時、借り手としては、
借金が増えることにもつながる「利息」は、
確認しておきたい、重要な要素の一つです。
実際、融資を受けて借金をした方の中でも、
「利息」に悩まれる方はこれまで多くいらっしゃいます。
ですが、利息にも高すぎないように規制を行う法律があります。
この法律こそが、「利息制限法」です。
「利息制限法」は、利息に上限を設けることで、
高すぎる利息を制限する法律です。
実は、広告などでよく見る過払い金請求は、
この「利息制限法」が重要に関わっています。
そこでこの記事では、「利息制限法」の法律の概要や成り立ち、
制定の背景について解説します。
「利息制限法」を理解して、
より計画的な融資計画を立てることができるようになりましょう。
利息制限法とは?借り手を守るための重要な法律の概要
利息制限法(りそくせいげんほう)は、
貸金業者が借り手に対して請求できる利息の上限を定めた法律です。
この法律は、借り手が高金利の負担に苦しまないようにするために作られました。
利息制限法は、出資法と同様に、借り手を守るための重要な法律です。
出資法の上限利率が年20.0%まで引き下げられるのに伴って、
利息制限法も平成22年(2010年)6月18日に改正後の条文が施行されました。
利息制限法はなぜ作られた?非常に高い金利が設定された過去も
利息制限法は、以下の3つの理由によって作られた法律です。
- 高すぎる金利でお金を借りた人が、返済不能に陥るのを防ぐこと
- 消費者を保護し、借り手が公平な条件でお金を借りられるようにすること
- 違法な高利貸しや闇金を抑制し、金融市場の健全性を保つこと
過去には、
消費者金融や個人からの貸付で非常に高い金利が設定されてしまうことで、
借り手が負担を強いられるケースが多発していました。
これを防ぐために政府が制定した法律が利息制限法です。
利息制限法で定めていること〜金額と上限金利〜
利息制限法で定められているのは、
「借りた金額によって決まる上限金利」です。
金額と上限金利は以下のように定められています。
- 10万円未満:上限金利は年20.0%
- 10万円以上100万円未満:上限金利は年18.0%
- 100万円以上:上限金利は年15.0%

| 借りた金額(元本) | 上限金利(年) | 10万円を1年借りたときの利息の目安 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 20.0% | - |
| 10万円以上100万円未満 | 18.0% | 約18,000円 |
| 100万円以上 | 15.0% | - |
出典:日本貸金業協会「貸金業法における上限金利」(2026年9月時点)
ここで注意していただきたいのは、金額が小さいほど上限が高いことです。
少額なら負担も軽い、と思われがちですが、率で見ると逆です。10万円未満で借りるときが、いちばん高い区分にあたります。
上記のルールを超える金利での貸し付けは違法となり、
貸金業者はその超過分を請求することができません。
また、借り手が過剰に支払った利息は
「過払い金」として、返還を請求することができます。
この返還の請求こそが、テレビやラジオ、
インターネットのCMで目にする
「過払い金請求」と呼ばれるものです。
この法律を使用して、多くの債務者が利息制限法によって、
救済をうけたことでも話題となりました。
「過払い金請求」については、後述でくわしく解説します。
なぜ昔は高い金利だったのか|出資法とグレーゾーン金利
「昔は高い金利で貸されていた」という話には、はっきりした理由があります。上限を決める法律が、2つあったからです。
| 利息制限法 | 出資法 | |
|---|---|---|
| 上限金利 | 年 20.0% / 18.0% / 15.0% (借りた金額で3段階) |
改正前 年29.2% 改正後 年20.0% |
| 超えたら | その部分は無効(払う義務がない) | 刑事罰の対象 |
出典:日本貸金業協会「貸金業法における上限金利」(2026年9月時点)
お気づきのとおり、2つの法律のあいだに、すき間がありました。
たとえば年25%で貸した場合、利息制限法の上限(18.0%)は超えているので民事上は無効ですが、出資法の上限(29.2%)は超えていないので刑事罰にはなりません。この「利息制限法は超えているが、出資法は超えていない」金利帯を、グレーゾーン金利と呼びました。
ここで貸していたことが、後になって過払い金として返還を求められる原因になります。
2010年6月18日に、すき間が無くなりました
改正で出資法の上限が 年29.2%から年20.0%へ引き下げられ、利息制限法の上限と重なりました。グレーゾーン金利は撤廃されています。
いまは、この金利帯での貸付けは貸金業法違反として行政処分の対象です。
つまり、いま金融庁に登録された貸金業者から借りるかぎり、グレーゾーン金利で貸されることはありません。この記事の前半でお伝えした3区分が、そのまま上限になります。
利息制限法の改正が与えた影響で、過払い金請求が増加
利息制限法が改正されたことで、
債務者の保護を手厚くした「利息制限法」。
この法律により、高金利での貸付ができなくなったことで、
借り手が多重債務に陥るケースが減少しました。
特に、利息制限法のおかげで、
借りすぎた利息を返還請求する「過払い金請求」が増え、
借金に苦しんでいた方々が救済されました。
もちろん、貸金業者側にも大きな影響があり、
利息制限法によって利息で大きな利益を得ることが困難になりました。
そのため、借り手の信用力や返済能力を
以前よりも厳格に審査するようになり、
「融資基準(お金を借りる前の審査のこと)が厳しくなった。」
という見解もあります。
借り手(債務者)が利息制限法で知っておくべきこと。払いすぎた利息の請求について
利息制限法に基づく、覚えておきたい点は、主に以下の3つです。
- お金を借りる際の利息は、その金額によって比率が決まっています。
- もしルールに反する利息を請求された場合は支払う義務はありません。
- 過去の借金の利息が多い場合は過払い金請求の請求を検討しましょう。
もし貸金業者とトラブルになった場合は、
くれぐれも違法な利息を支払ってしまわないよう、注意しましょう。
もちろん、
過払い金請求を行う弁護士事務所などに相談することも
有効な手段の一つです。
これから借りる方へ|上限金利をどう使うか
ここまで、利息制限法という法律の中身をお伝えしてきました。最後に、いまから借りる方が、この知識をどう使えばいいかをまとめます。
金額が小さいほど、上限は高くなります
もう一度だけ書きます。上限は借りた金額で決まり、10万円未満がいちばん高い20.0%です。
「少額だから負担も軽い」とはかぎりません。ただし、少額を短く借りて短く返すなら、実際に払う利息は小さく収まります。3万円を1か月で返すなら、年20.0%でも利息はおよそ500円ほどです。
問題になるのは、返す時期が延びたときです。金額と期間の両方で見てください。
上限より低い金利は、いくらでもあります
利息制限法が決めているのは上限です。実際の金利は、貸すほうが上限の範囲で決めます。
銀行のカードローンは上限14.5%前後のところが多く、消費者金融は18.0%前後が中心です。「法律の上限=どこで借りても同じ」ではありません。
上限を超える金利を提示されたら
この記事でお伝えした3区分を超える金利を提示されたら、その相手は正規の貸金業者ではない可能性が高いと考えてください。
2010年6月18日の改正でグレーゾーン金利は撤廃されているので、いま登録業者が上限を超えて貸すことはありません。
金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、その業者が登録されているかを確認できます。
金額別の記事もあります
実際に借りることを考えている方は、金額ごとにまとめた記事もご覧ください。上限金利の区分が変わる境目で分けています。
- 3万円を審査なしで借りられる?|10万円未満=上限20.0%の区分
- 30万円を審査なしで借りたい人へ|10万円以上=上限18.0%の区分、総量規制もかかります
- お金を借りる方法|借入先そのものを選ぶところから
- 収入証明書なしで借りられる?|50万円・100万円の境目
また、借りる前に使える制度があるかもしれません。病気やケガで働けない、収入が途絶えたという事情があるなら、お金がないときに使える公的支援を先にご覧ください。
まとめ:利息制限法は違法な利息から借り手を守る
いかがでしたか?
債務を考える上で知っておきたい「利息制限法」。
借り手は不当に高い利息を支払わなくて済むようになり、
過払い金請求を通じて救済されるケースも増えました。
ただし、今から金融庁が「貸金業者」として認可した
企業からお金を借りても、
法律に則った利息を請求されるようになっていますので、
過払い金の請求は不可能です。
お金を借りる際には、利息制限法に基づいた金利を確認し、
無理のない返済計画を立てるようにしてください。
くれぐれも利息制限法を遵守していない違法業者や
闇金からは借りないように注意が必要です。
もし
「昔の借金で、利息を払いすぎていたかもしれない。」
とお考えになった方は、
過払い金対応可能な弁護士さんなどに相談してみましょう。
時効や手続きもあり、個人での過払い金請求は、
あまり現実的ではないといえるでしょう。
【社労士事例】知らなかっただけ、というケース
この記事は法律の解説ですが、「知っていれば違っていた」という点では、当法人が扱う障害年金も同じです。2件だけご紹介します。
| 相談者 | 女性40代/当該疾病により失職 |
| 傷病名 | うつ病 |
| 結果 | 障害基礎年金2級/次回更新までの支給総額 約201万円 |
「知り合いから障害年金を教えてもらい」ご相談に来られた方です。ご自身で年金事務所にも行かれていましたが、手続きの途中で分からなくなったとのことでした。
| 相談者 | 男性30代/当該疾病により失職 |
| 傷病名 | うつ病 |
| 結果 | 障害厚生年金2級/次回更新までの支給総額 約496万円 |
「初診日がいつの時期になるのか分からない」というお問い合わせからでした。要件の確認までご自身でされていた方です。
利息制限法も、障害年金も、知っていれば使える仕組みです。知らないままだと、払いすぎたり、受け取れるものを取り逃したりします。
社会保険労務士・牧村からひとこと
牧村 和磨
この記事の執筆者
![]() 牧村 和磨 (まきむら かずま) |
HR BrEdge社会保険労務士法人 社員 HR BrEdge社会保険労務士法人にて社会保険労務士として勤務。障害年金相談 年間1,000件以上の実績を持つ法人で、お金や生活に関するご相談に幅広く対応している。 「お金に困った方が、借金や債務整理を選ぶ前に、使える公的制度や正しい選択肢を知り、計画的にお金を管理できるよう導く」を信念に、社労士視点でカードローン・消費者金融・債務整理に関する記事を執筆。
【法人情報】HR BrEdge社会保険労務士法人(旧:渡辺事務所) |
当記事管理者・著者情報 HR BrEdge社会保険労務士法人(旧称:社会保険社労士法人渡辺事務所) 社員 牧村和磨
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新ロゴ 旧ロゴ HR BrEdge社会保険労務士法人(旧称:社会保険社労士法人渡辺事務所) 社員 牧村和磨 ・保有資格 |






