こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人代表、特定社会保険労務士の渡辺俊一(わたなべとしかず)です。

「うちのパートさん、初めて有給を申請してきたけど、金額はどう計算するの?」
「有給を取ったら給料が減らされた。”6割しか出ない”って違法じゃないの?」
「就業規則にパートの有給計算を明記していなくて、社労士にちゃんと相談したいけど、まずは自分でも理解しておきたい」——パートの有給休暇については、雇用主・パート本人の双方から、毎月のように事務所にご相談が寄せられます。

パートの有給休暇は、一見シンプルそうで、実は労基法・就業規則・給与計算・税務・労務トラブル対応の5つが交差する悩ましい論点です。計算方法を1つ間違えるだけで、賃金未払いとして是正勧告の対象になることもあります。逆にパート本人にとっても、「うちは6割しか出ない」と言われた時に、それが正しい計算なのか違法な減額なのかを見抜けないと、損をし続けてしまうこともあるのです。

パートの有給休暇いくらもらえる?早わかり3項目(対象条件・計算3パターン・違法ライン)

この記事では、500社超の顧問先で給与計算・労務管理を支援してきた私、渡辺俊一が、パート・アルバイトの有給休暇の付与条件と日数、金額計算3パターン、「6割」の正しい解釈、企業の実務ポイント、給与計算ソフトや助成金の活用法まで、2026年最新の情報を交えて丁寧に解説します。経理・人事担当者の方も、パートとして働くご本人も、ぜひ最後まで読んで、ご自身の状況に置き換えて確認してみてください。

【パート・アルバイト】有給休暇は誰でももらえる?労基法39条が定める2つの条件

まず最初にはっきりお伝えしたいのが、パート・アルバイトであっても、条件さえ満たせば必ず有給休暇が付与されるということ。これは労働基準法第39条で明記された、雇用形態にかかわらない労働者の権利です。

有給休暇の付与条件は2つだけ — 6ヶ月勤務+出勤率8割

有給休暇が発生する条件はシンプルで、次の2つを両方満たした時です。

1. 雇い入れの日から6ヶ月以上の継続勤務
2. その期間中の全労働日の8割以上の出勤

この2条件をクリアすれば、正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員のいずれであっても、有給休暇が「自動的に発生」します。会社が「与える/与えない」を選択する性質のものではなく、労働者が当然にもつ権利です。

「パートだから有給はない」は誤解 — 顧問先で実際にあった話

顧問先の小売業で、ある時パートさんから「店長に有給を申請したら『パートにそんなものないよ』と言われた」というご相談をいただきました。これは明らかな誤解で、労基法違反になり得るケース。すぐに就業規則の整備と店長向けの研修を実施し、3ヶ月後にはパート全員が有給を取得できる体制に整いました。

「パートだから有給はない」「パートには日数を少なく与えればいい」というのは、残念ながら今も中小企業の現場で根強く残っている誤解です。経営者・人事担当の方は、まずこの大原則を社内全体で共有することから始めてください。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
パート本人の方も、もし「うちはパートには有給ない」と言われたら、まずはこの記事の内容を見せて確認してみてください。悪意ある会社というより、知らないだけのケースが大半です。冷静に伝えれば、ほとんどの会社は是正してくれますよ。

パートの有給休暇は何日もらえる?比例付与表で確認する

アルバイト 有給 何日」「バイト 有給 いくら」というサジェストが示すように、パート・アルバイトの方が一番気になるのは「自分は何日付与されるのか?」ですよね。これは「比例付与」という仕組みで決まります。

パート有給休暇の比例付与表(週1〜4日勤務×勤続年数別の付与日数早見表)

週5日以上または週30時間以上勤務 → 正社員と同じ付与日数

パートでも、週5日以上勤務しているまたは週の所定労働時間が30時間以上の場合は、正社員と同じ日数が付与されます。具体的には、入社半年で10日、その後勤続年数に応じて段階的に増え、6年6ヶ月以上で最大20日です。

「パートだから少ない日数」と決めつけず、まず週の所定労働時間が30時間以上かどうかを必ず確認してください。これは雇用主側の労務管理でも見落としがちなポイントです。

週4日以下で週30時間未満 → 比例付与表が適用される

週4日以下のパート・アルバイトには、比例付与表に基づく日数が適用されます。上の図表のとおり、週所定日数と勤続年数のクロスで自動的に決まります。

たとえば「週3日勤務で2年半勤続」のパートさんなら、付与日数は6日。「週2日勤務で6年半以上」なら7日です。雇用主の方は、この表を就業規則の付録として添付しておくと、現場でのトラブルが激減します。

勤続年数で付与日数が増える仕組み

有給休暇は勤続年数に応じて段階的に増えていきます。週3日勤務のパートさんの例で見ると、半年で5日、1年半で6日、3年半で8日、6年半以上で11日まで増えるのです。

長く勤めてくれているパートさんへの感謝」が、有給日数という形で制度的に組み込まれている、と理解すると分かりやすいですね。雇用主としても、長期勤続者の有給日数の増加を見逃さず、きちんと反映していくことが信頼関係の維持に直結します。

パート有給の金額計算3パターン — 通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額

有給 金額 計算方法 パート」のサジェストにもあるとおり、ここが一番悩むところ。労基法では、有給休暇取得時の賃金計算方法として、3つの計算方法のいずれかを選ぶことになっています。

パート有給休暇の金額計算3パターン比較(通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額の同条件比較で最大2倍の差)

①通常の賃金(最も一般的・計算がシンプル)

最も多くの企業が採用しているのが「通常の賃金」での計算方法。考え方はシンプルで、「その日働いていたら受け取れたはずの賃金」をそのまま支払います。

パートで時給1,200円・1日4時間勤務の方なら、1,200円 × 4時間 = 4,800円が有給1日分の金額。給与計算ソフトとの相性も良く、所定労働時間が固定されているパートさんには一番スッキリした方法です。

②平均賃金(シフト変動者向け)+ 最低保障6割ルール

シフト制で日々の労働時間が変動する方には「平均賃金」を使うのが実務的です。これは過去3ヶ月の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額

ただし、シフトが少ない月だと不当に安くなりがちなので、最低保障として「賃金総額 ÷ 実労働日数 × 0.6(60%)」との比較も行い、高い方を採用する仕組みになっています。これが俗にいう「6割ルール」の正体です(後の章で詳述)。

③標準報酬日額(労使協定が必要・例外的)

3つ目が「健康保険の標準報酬日額」。標準報酬月額を30で割った金額を有給日額として支払う方法です。ただし、採用には労使協定の締結が必須で、これを締結せずに勝手に適用するのは違法。実務で使う企業はそれほど多くありません。

同条件で3方法を比較すると最大2倍の差が出ることも

では、同じパートさんに同じ日に有給を付与した場合、3つの計算方法で金額はどう変わるか? 時給1,200円・1日4時間・週3日勤務の方を想定して比較してみましょう(過去3ヶ月の賃金総額30万円、実労働日36日、標準報酬月額18万円と仮定)。

① 通常の賃金:1,200円 × 4時間 = 4,800円
② 平均賃金(最低保障適用):30万円 ÷ 36日 × 0.6 = 5,000円
③ 標準報酬日額:18万円 ÷ 30 = 6,000円

同じ条件でも、①と③で1,200円(25%)の差。条件によっては最大2倍ほど差がつくケースもあります。どの計算方法を採用するかは就業規則で明確に定めて、全パートに同じ方法を適用することが原則。「人によって計算方法を変える」運用は、就業規則違反+差別的取扱として労基署から指導の対象になり得ます。

「有給休暇 金額 6割」は違法?平均賃金の最低保障ルールを正しく理解する

有給休暇 金額 6割」「有給休暇 金額 6割 違法」というサジェストが上位に出てくるほど、この「6割」というキーワードは混乱の元になっています。結論から言うと、「6割」には正しい使い方と違法な使い方の2つがあるのです。

「6割」とは平均賃金の最低保障計算式のこと

労基法上の「6割」は、平均賃金を計算する時の「最低保障」を求める計算式のこと。具体的には次のとおりです。

平均賃金(原則):賃金総額 ÷ 暦日数(3ヶ月の総日数)
平均賃金(最低保障):賃金総額 ÷ 実労働日数 × 0.6

シフトが極端に少ない月があると、原則の式(暦日数で割る)だと不当に安くなってしまいます。そこで実労働日数で割って60%をかける式が用意され、原則と最低保障の高い方を採用するルールになっているのです。これは労働者を保護するためのルールであり、「会社が一律に6割しか払わなくて良い」というルールではありません。

通常の賃金から「6割しか払わない」運用は違法

一方、世間で「6割しか出ない」と聞くケースの多くは、通常の賃金(時給×時間)の60%しか支払わない違法な運用。これは賃金未払いに該当し、是正勧告・遡及支払の対象になり得ます。

「うちは6割」と言われた時にチェックすべきは、「それは平均賃金の最低保障ルールに基づく6割(合法)」なのか「通常の賃金を勝手に6割に減額(違法)」なのかを見極めることです。

パート本人が「6割」と言われたら確認すべき3つのポイント

もしパートとして働いていて、有給日に「6割しか払えない」と言われたら、会社に冷静に次の3点を確認してみてください。

1. 就業規則で採用している計算方法は3つのうちどれか
2. 平均賃金の場合、原則と最低保障のどちらを採用したか
3. 計算根拠(過去3ヶ月の賃金総額・暦日数・実労働日数)

就業規則そのものが整備されていなかったり、計算根拠を示せない場合は、違法な減額の疑いが濃いです。所轄の労基署で無料・匿名で相談できますので、迷わず確認してみてください。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
「6割」の話、パートさんからの相談で年に何件もいただきます。雇用主側もパート側も、『6割は法律で決まっている』と誤解している方が大半です。実際は最低保障のための計算式であって、通常の賃金から自動的に6割になるわけではないんですよ。事務所では、まず就業規則を見て計算ロジックの正誤を一緒に確認しています。

パート有給の金額計算事例 — 時給1,200円・週3日勤務でいくら?

抽象的な計算式だけだとイメージしにくいので、「時給1,200円・1日4時間・週3日勤務、勤続2年半のパートさん」を例に、3パターンの計算事例を順に見ていきましょう。

通常の賃金で計算する場合

もっとも多くの企業で採用されている方法。所定労働時間が固定(1日4時間)なので、計算は簡単です。

1,200円 × 4時間 = 4,800円(有給1日分)

このパートさんの付与日数は比例付与表で6日(週3日・2.5年)。年間で4,800円 × 6日 = 28,800円分の有給が「使えるお金」として保有できることになります。

平均賃金で計算する場合(最低保障適用)

シフトに変動がある場合は平均賃金で計算します。過去3ヶ月の賃金総額が30万円、暦日数91日、実労働日数36日と仮定すると、

平均賃金(原則):30万円 ÷ 91日 = 約3,297円
平均賃金(最低保障):30万円 ÷ 36日 × 0.6 = 5,000円
→ 高い方を採用:5,000円

この場合、最低保障ルールが効いて5,000円になります。原則だけで計算すると3,297円という、通常の賃金(4,800円)より低い金額になってしまうところを、最低保障が労働者を守っている形です。

標準報酬日額で計算する場合

労使協定がある前提で、健康保険の標準報酬月額18万円のパートさんなら、

標準報酬日額:18万円 ÷ 30日 = 6,000円

3つの計算方法のうち、このケースでは標準報酬日額が最も高い結果に。ただし労使協定が必須なので、勝手にこの計算方法を採用するのは違法です。実務では「①通常の賃金」が最も多く採用される計算方法、と覚えておけば大きな間違いはありません。

企業がパート有給管理で押さえるべき実務ポイント5つ

ここからは雇用主向けの実務的な話。「パート有給を計算ミスなく、トラブルなく運用するための5つの実務ポイント」を整理します。

企業がパート有給管理で押さえるべき5つの実務ポイント(就業規則・給与ソフト連携・管理簿・年5日取得義務・不利益取扱禁止)

就業規則に有給計算方法を明記する

パート有給管理のすべての出発点が就業規則です。3つの計算方法のうちどれを採用するか、比例付与表をどう適用するか、を必ず就業規則に明記してください。

顧問先の介護事業所で、就業規則に有給の記載が曖昧だったため、退職時のパート2名から「未払い分の精算」を要求されたケースがありました。就業規則の整備だけで防げる労使トラブルは本当に多いです。

給与計算ソフト・無料計算ツール・アプリの活用と落とし穴

サジェストでも上位に出る「パート 有給休暇 計算 無料」「有給 金額計算ツール」「アルバイト 有給計算 アプリ」。確かにフリーの計算ツール・アプリは便利ですが、万能ではないことも知っておきたいところ。

給与計算ソフト(弥生・freee・マネーフォワード・奉行など)には、パートの比例付与・有給単価の自動計算機能があり、設定さえ正しく行えば日々の業務は大きく省力化できます。一方で、就業規則と整合しない設定のまま運用してミスが発生するケースが、毎年数件は持ち込まれます。

無料の計算ツールも、あくまで「目安」を出す道具。最終的な確定値は、就業規則と顧問社労士の確認を経て決めるのが安全です。「ツールに頼り切らず、最後は人の目で確認」が、実務の鉄則ですね。

有給休暇管理簿の作成・3年保存

2019年の労基法改正で、年10日以上付与される労働者を雇用するすべての事業者に有給休暇管理簿の作成が義務化されました。記載項目は「付与日」「取得日」「残日数」の3つ。保存期間は3年です。

パートも対象になり得るので、給与計算ソフトの管理簿出力機能を活用して、まとめて出力・保存する運用にしておくとラクです。

年5日取得義務(30万円以下罰金)への対応

こちらも2019年改正で導入されたルール。年10日以上の有給が付与される労働者には、最低5日を確実に取得させる義務があります。違反した場合は1名につき30万円以下の罰金

パートでも週4日勤続3.5年以上なら付与日数が10日に達するので対象です。「うちはパートだから関係ない」と思っていると痛い目を見るので、取得状況を毎月チェックする仕組みを作っておきましょう。

不利益取扱の禁止 — 皆勤手当の控除もNG

有給を取得したことを理由に、賃金や賞与を減額する、皆勤手当・精勤手当を支給しない、契約更新を拒否する、解雇する……これらはすべて労基法136条で禁止されている「不利益取扱」です。

意外と見落とされがちなのが「皆勤手当」。有給取得日を「欠勤」扱いにして皆勤手当を支給しない運用は明確な違法ですので、就業規則と賃金規程の両面で必ず確認してください。

パート有給で「やってはいけないNG運用」6選

顧問先で実際に見かけた、パート有給で「やってはいけない」NG運用を6つに整理しました。1つでも該当していたら、すぐに改善が必要です。

NG①:出勤率を理由なく高く設定する

「うちは出勤率8.5割以上じゃないと有給を出さない」など、労基法より厳しい条件を独自に設定するのは違法です。労基法は「8割以上」と定めており、これを上回る条件を就業規則で課すことはできません。

NG②:早退・遅刻を理由に勝手に時間を短縮する

「契約上1日7時間勤務だが、最近月数回早退しているので、平均6.5時間で計算する」というケース。契約上の所定労働時間を勝手に短縮するのは違法です。

顧問先の卸売業で、まさにこの運用をしていて、退職パートから「未払い」として労働審判を起こされた事例があります。シフト変動者には平均賃金で計算する、所定時間が固定なら通常の賃金で計算する、と就業規則と一致した運用を徹底することが大切です。

NG③:取得後のシフトを減らして報復する

「有給を申請したパートさんに対して、翌月のシフトを減らす」のは典型的な不利益取扱。労基法136条違反で、損害賠償請求の対象にもなり得ます。

NG④:標準報酬日額を労使協定なしで適用

「標準報酬日額の方が金額が低くなるから、こっちを採用しよう」と労使協定なしに適用するのも違法。労使協定の締結は標準報酬日額採用の絶対条件です。

NG⑤:2年より短い時効を設定する

有給休暇の時効は労基法115条で「付与日から2年」と定められています。「うちは1年で消滅」など、就業規則で短い時効を設定しても無効です。

NG⑥:日割り計算で勝手に減額する

「半日有給」「時間単位有給」と称して、所定労働時間と関係なく勝手に金額を減らすのもNG。半日・時間単位有給を採用する場合も、必ず就業規則と労使協定で根拠を明示する必要があります。

計算ミス時の対応・給与計算アウトソース・助成金活用

「気づいたら計算ミスをしていた」「もう自社だけで管理するのは限界」と感じたら、3つの選択肢を検討してみてください。

計算ミスが発覚したら遡及修正+是正勧告対応

パート有給の計算ミスが発覚した時は、速やかに過去分を遡及修正して差額を支払うのが原則。労基署から是正勧告が来ている場合は、勧告書に記載された期限内(通常2週間〜1ヶ月)に対応すれば、刑事処分まで至ることはほぼありません。

逆に「黙って放置」が一番危険。発覚時のダメージが2倍3倍に膨らみます。

給与計算アウトソースで属人化を防ぐ

パート有給を含む給与計算のアウトソースは、近年特に増えています。社労士事務所に委託すれば、就業規則の整備・給与計算ソフトの設定・管理簿の作成・労使トラブル相談まで一括で対応できます。

顧問先で「給与計算担当者の急な退職で給与計算が回らない」というご相談が定期的にあります。属人化を防ぐ意味でもアウトソース化は経営判断として有効です。

働き方改革推進支援助成金などの活用

パート有給の取得促進・労務改善には、「働き方改革推進支援助成金」などの公的助成金が活用できます。就業規則の整備、勤怠管理システムの導入、有給取得促進制度の構築などが対象になり、最大100万円〜数百万円の助成が受けられるケースもあります。

HR BrEdge社会保険労務士法人では、助成金の対象判定から申請書類作成まで全国対応で支援しています。「うちでも使える助成金はあるか?」とお気軽にご相談ください。

パートの有給休暇に関するよくある質問(FAQ)

Q. パートでも有給休暇は必ずもらえますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. はい、もらえます。雇い入れから6ヶ月以上の継続勤務と、その期間の出勤率8割以上の2条件を両方満たせば、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員のいずれでも有給休暇は当然に発生します。雇用形態による差別はありませんよ。

Q. パートの有給休暇はいくらもらえる?金額の決まり方は?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額の3つの計算方法のうち、就業規則で定められた方法で計算します。最も多いのは「通常の賃金(時給×所定労働時間)」。シフト変動が大きい場合は平均賃金が使われます。会社の就業規則をまず確認してみてください。

Q. 「有給は6割しか出ない」と言われましたが違法ですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. ケースによります。「6割」が平均賃金の最低保障計算式(賃金総額÷実労働日数×0.6)に基づくものなら合法。一方、通常の賃金から一律に60%減額する運用は違法です。就業規則と計算根拠を確認することをおすすめします。

Q. アルバイトは何日有給がもらえますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 週の所定労働日数で変わります。週5日以上または週30時間以上なら正社員と同じ10〜20日。週4日なら7〜15日、週3日なら5〜11日、週2日なら3〜7日、週1日なら1〜3日が勤続年数で段階的に増えていきます。

Q. 有給休暇の計算ツールやアプリを使ってもいい?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 目安を出す道具としては便利ですが、最終確定は必ず就業規則と社労士の確認を経てください。給与計算ソフト(弥生・freee・MF等)の自動計算機能は実務でも使えますが、就業規則と整合しない設定のままだとミスが発生します。

Q. パート有給の管理簿は必ず作らないといけませんか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 年10日以上の有給が付与される労働者を雇用していれば、パートも含めて全員分の管理簿作成が義務(労基法施行規則24条の7)。記載項目は付与日・取得日・残日数の3つ、保存期間は3年です。給与計算ソフトの自動出力で対応すると効率的です。

Q. 助成金でパート有給の取得促進支援を受けられますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. はい、「働き方改革推進支援助成金」などが活用できます。就業規則の整備・勤怠管理システムの導入・有給取得促進制度の構築が対象で、中小企業向けに最大100万円〜数百万円の助成が受けられるケースもあります。詳しくは社労士にご相談ください。

まとめ:パート有給は「金額計算3パターン」と「就業規則の整備」が要

この記事では、パート・アルバイトの有給休暇について、付与条件・比例付与日数・金額計算3パターン・「6割」の正しい解釈・実務ポイント・NG運用・アウトソース・助成金活用まで詳しく解説してきました。

最後に押さえておきたい重要ポイントを整理します。

1. パート・アルバイトでも、6ヶ月勤務+出勤率8割の2条件で有給休暇は必ず発生する
2. 付与日数は週5日以上または週30時間以上で正社員と同じ、それ以外は比例付与表で決まる
3. 金額計算は「通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額」の3パターン、就業規則でどれを採用するか決める
4. 「6割」は平均賃金の最低保障計算式のこと。通常の賃金からの一律6割減額は違法
5. 同条件でも3方法で最大2倍の差が出るので、就業規則の整備が運用品質を左右する
6. 有給休暇管理簿の作成・3年保存、年5日取得義務、不利益取扱の禁止が法令上の必須
7. 計算ミス時は遡及修正+是正勧告対応、属人化防止のためのアウトソース化も有効
8. 給与計算ソフト・無料計算ツールは目安、最終確定は就業規則と社労士の確認を経る
9. 助成金(働き方改革推進支援助成金等)の活用で就業規則整備の負担を軽減できる

パート有給の処理は、単なる給与計算の一工程ではなく労務管理・税務・経営判断・採用ブランディングの複合論点です。特に2019年改正以降、年5日取得義務・管理簿作成義務・不利益取扱禁止など、違反すると罰金・是正勧告の対象になる項目が増えています

HR BrEdge社会保険労務士法人では、就業規則の整備から給与計算アウトソース、助成金申請、労使トラブル対応まで、全国対応で提供しています。「うちのパート有給管理は大丈夫?」「給与計算ソフトの設定で困っている」「労基署対応で不安」といった個別のご相談にも、500社超の顧問実績を元に丁寧にお答えします。

パート有給の処理や労務関連でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。経理・労務の適正化で、会社と従業員の双方が安心できる体制を一緒に作っていきましょう。

この記事の執筆者

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
渡辺 俊一
(わたなべ としかず)

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表
特定社会保険労務士/第1種衛生管理者

1977年兵庫県神戸市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。2005年社会保険労務士試験に合格し、2007年に渡辺社会保険労務士事務所を開設。2016年法人化し、2025年5月に「HR BrEdge社会保険労務士法人」へ社名変更。

顧問先500社超・実績970社以上を誇り、「会社の財産は人・人・人である」を信念に、従業員・お客様・社会の「三方良し」の経営支援を実践。給与計算・社会保険手続き・就業規則・助成金申請から、IPO・M&Aに向けた労務監査まで幅広く対応。

著書『頂点をめざす!~経営者のパートナーとして歩む社労士の物語~』はAmazon「社会保険労務士の資格・検定」部門で1位を獲得。

【所属】全国社会保険労務士連合会/大阪府社会保険労務士会/一般社団法人EO Osaka
【趣味】トライアスロン(アイアンマンレースに挑戦中)
【信条】人生は挑戦だ!まずやる!なんせやる!とことんやる!