障害年金更新で等級が下がった・支給停止になった時の不服申立て完全ガイド
障害年金の更新で等級変更・支給停止…なぜ?
障害年金更新で等級が下がった・支給停止になったという通知を受け取った時、多くの方が大きな不安と衝撃を受けることでしょう。「これからの生活はどうなってしまうのか…」と、目の前が真っ暗になるお気持ち、お察しいたします。しかし、その決定が最終ではありません。決定に納得できない場合、「不服申立て」という制度を使って、再審査を求めることができます。全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人にも、同様のご相談が数多く寄せられます。実は、更新時に等級が変更されたり支給停止になったりするのには、いくつかの典型的な理由があります。そして、多くの方が不服申立ての手続きで陥りがちな「間違い」を知らずに、再受給のチャンスを逃してしまっているのです。この記事では、不服申立ての正しい手順と、失敗しないための重要な注意点を徹底的に解説します。
なぜ?障害年金更新で等級が下がる・支給停止になる3つの原因
まず、なぜこれまで受給できていた障害年金が、更新のタイミングで等級変更や支給停止になってしまうのでしょうか。その主な原因を理解することが、不服申立てを成功させる第一歩となります。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
原因1:提出した診断書が現在の症状を正確に反映していない
最も多い原因が、この「診断書」の問題です。医師は治療の専門家ですが、障害年金の認定基準を熟知しているわけではありません。そのため、日常生活や就労にどれほどの支障が出ているかが、診断書の記載内容から十分に伝わらないケースがあります。例えば、診察時には調子が良いため普段の辛さを伝えきれず、実態よりも軽い症状で記載されてしまうことなどが挙げられます。日本年金機構は提出された書類のみで審査を行うため、診断書の内容がすべてなのです。
原因2:日常生活能力の評価の変化
特に精神疾患の場合、「日常生活能力の判定平均値」が審査において重要な指標となります。更新時に提出した診断書で、この評価が以前より軽くなっていると、「症状が改善した」と判断され、等級が下がったり支給停止になったりする可能性があります。ご自身では症状が変わっていないと感じていても、診断書の評価一つで結果が大きく変わってしまうのが現実です。
原因3:認定基準の変更や解釈の差異
障害認定基準は、時代とともに見直されることがあります。また、審査を行う認定医によって、解釈に若干の差異が生じることもあり得ます。以前の審査では認められた内容でも、更新時の審査では基準を満たさないと判断されてしまうケースです。これは申請者側ではどうすることもできない要因ですが、現在の基準に照らして、ご自身の状態を改めて客観的な証拠で示し直す必要があります。
[画像挿入提案: ここに「診断書」「日常生活能力の評価」「認定基準」の3つの原因を図解した画像を挿入。推奨ALTテキスト:「障害年金更新で等級が下がる3つの原因」]
障害年金更新で等級が下がった・支給停止になった時の不服申立て「審査請求」完全ステップ
決定に納得できない場合、最初に行う不服申立てが「審査請求」です。これは、地方厚生局の社会保険審査官に対して、元の決定(処分)を取り消すよう求める手続きです。正しい手順とポイントを押さえて進めましょう。
ステップ1:決定を知った翌日から「3ヶ月以内」に行動する
最も重要なのが期限です。審査請求は、原則として「支給停止や等級変更の決定通知書を受け取った日の翌日から3ヶ月以内」に行わなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、正当な理由がない限り請求自体ができなくなってしまいます。まずは通知書の日付を確認し、カレンダーに印をつけるなど、絶対に期限を忘れないようにしてください。
ステップ2:決定の理由を正確に把握し、反論の材料を集める
なぜ等級が下がったのか、なぜ支給停止になったのか。その理由は通知書に記載されています。まずはその内容を冷静に読み解きましょう。その上で、その理由に反論するための客観的な証拠を集めます。
- 新しい診断書:前回の診断書で不十分だった点を医師に説明し、現在の詳しい症状を記載してもらう。
- 医師の意見書:診断書だけでは伝わらない日常生活の支障について、医師に意見書を作成してもらう。
- 日常生活の記録:ご家族や支援者から見た普段の様子や、ご自身で記録した体調日誌なども有効な資料になります。
ステップ3:審査請求書を作成し、証拠書類と共に提出する
審査請求書には、請求の趣旨(元の決定を取り消してほしい旨)と、その理由を具体的に記載します。感情的に「納得できない」と書くだけでなく、「診断書の内容は実態と異なり、〇〇という症状により、日常生活においてこれだけの支障があるため、元の決定は誤りである」といったように、集めた証拠に基づいて論理的に主張を組み立てることが重要です。作成した請求書と証拠書類は、地方厚生局に提出します。
[内部リンク: 障害年金の診断書を依頼する際の注意点]
出典: [外部リンク: 日本年金機構「審査請求・再審査請求の手続き」]
失敗を未然に防ぐ!不服申立てで絶対にやってはいけない3つの間違い
再受給の可能性を高めるためには、避けるべき行動があります。多くの方が陥りがちな「よくある間違い」を3つご紹介します。これを知っておくだけで、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
間違い1:客観的証拠なしに、感情的な主張だけを繰り返す
「こんなに辛いのに、なぜ分かってくれないのか」という気持ちは当然です。しかし、審査の場で重要視されるのは、あくまで客観的な医学的根拠です。不満や苦しみを訴えるだけでは、決定を覆すことは非常に困難です。いかにご自身の症状が障害等級に該当するかを、診断書やその他の資料で証明する必要があります。
間違い2:何から手をつけて良いか分からず、期限を過ぎてしまう
通知を受けてショックのあまり、何も手につかなくなってしまうケースも少なくありません。しかし、前述の通り、審査請求には3ヶ月という厳しい期限があります。一人で悩んでいる間に、貴重な時間が過ぎてしまいます。分からない、どうしようもないと感じた時こそ、すぐに専門家へ相談するという行動が重要です。[内部リンク: 障害年金の無料相談で聞くべきこと]
間違い3:専門家の助言なしに、独断で手続きを進めてしまう
最も避けたいのがこのケースです。審査請求は、ご自身で行うことも可能です。しかし、年金制度や医学的な知識がないまま手続きを進めると、主張のポイントがずれてしまったり、不十分な証拠しか提出できなかったりする可能性が高くなります。一度目の審査請求は非常に重要です。ここで覆せなかった場合、次の「再審査請求」に進むことになりますが、さらにハードルは高くなります。最初から専門家のサポートを受けることが、結果的に再受給への最短ルートとなるのです。
まとめ:一人で悩まず専門家へ。不服申立ては再受給への第一歩です
今回は、障害年金更新で等級が下がった・支給停止になった場合の不服申立てについて、その原因から具体的な手順、そして陥りがちな間違いまでを解説しました。
この記事の要点をまとめます。
- 更新で等級が下がる主な原因は「診断書の内容」「日常生活能力の評価の変化」などがある。
- 不服申立て(審査請求)は、決定を知った翌日から3ヶ月以内に行う必要がある。
- 感情的な主張ではなく、新たな診断書などの「客観的な証拠」で反論することが成功の鍵。
- 独断で進めず、障害年金の専門家である社会保険労務士に相談することが最も確実な近道。
不服申立ては、決して簡単な手続きではありません。しかし、正しい知識を持って的確な準備をすれば、決定が覆る可能性は十分にあります。諦めてしまう前に、どうか一度、専門家にご相談ください。私たちHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人は、障害年金の不服申立てを専門としており、全国からのご相談に対応しております。LINEやZoomでのオンライン無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にお気持ちをお聞かせください。あなたの不安を希望に変えるお手伝いをいたします。




