家族が精神障害になったら?障害年金申請をサポートする際に知っておくべきこと
ご家族の「もしも」に備える。障害年金申請サポートの重要性
ご家族がうつ病や統合失調症などの精神障害と診断され、先の見えない不安の中で「これからどうなってしまうのだろう」と悩んでいませんか。ご本人の心身の負担はもちろん、支えるご家族の心労も計り知れないものがあるでしょう。そのような状況で、経済的な支えとなるのが障害年金です。しかし、障害年金の申請は手続きが複雑で、特に精神障害の場合は症状が目に見えにくいため、その困難さを正確に伝えるのが難しいという側面があります。だからこそ、ご家族のサポートが何よりも重要になるのです。
この記事では、ご家族が精神障害になった際に、障害年金の申請をどのようにサポートすればよいのか、その具体的な方法と注意点を専門家の視点から深く掘り下げて解説します。不支給という結果を避け、確実な受給に繋げるために「家族として知っておくべきこと」を一緒に確認していきましょう。手続きのことでお困りでしたら、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人がいつでもご相談に乗ります。
家族が精神障害の障害年金申請で直面する3つの壁と乗り越え方
精神障害の障害年金申請では、ご家族が積極的に関わることで乗り越えられる特有の「壁」が存在します。ここでは、不支給の主な原因となる3つの壁と、家族だからこそできる具体的な対処法を解説します。
[画像挿入提案: 家族がテーブルで書類を見ながら話し合っているイメージ。推奨ALTテキスト:「精神障害を持つ家族の障害年金申請について相談する様子」]壁1:初診日の特定が困難
障害年金の申請において、初診日(障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日)の証明は絶対条件です。しかし、精神障害の場合、体調の異変を感じてから実際に精神科を受診するまで時間がかかったり、複数の病院を転々としたりするケースが多く、初診日の特定が非常に難しくなります。カルテが破棄されていることも少なくありません。ここでご家族の記憶や記録が大きな力を発揮します。古い手帳、日記、診察券、お薬手帳など、当時の状況がわかるものを一緒に探してみてください。ささいな情報が、初診日を証明する重要な手がかりになることがあります。[内部リンク: 障害年金の初診日とは?証明が難しい場合の対処法]
壁2:診断書だけで日常生活の困難さが伝わらない
精神障害の審査では、医師が作成する診断書の内容が最も重視されます。しかし、診察という限られた時間だけでは、ご本人の日常生活における本当の困難さのすべてを医師に伝えるのは困難です。特に、ご本人は医師の前で気丈に振る舞ってしまうこともあります。そこで、ご家族が「日常生活状況のメモ」を作成し、医師に渡すことをお勧めします。
- 食事の準備や片付けが一人でできるか
- 入浴や着替えにどのくらい時間がかかるか
- 金銭管理や買い物は一人でできるか
- 家族や他人とのコミュニケーションの様子
- 一日をどのように過ごしているか(寝たきり、引きこもりがちなど)
上記のような具体的な情報をメモにまとめることで、医師は診断書をより実態に即して作成でき、審査員にも困難さが正確に伝わります。
壁3:保険料の未納問題
障害年金を受給するには、初診日の前日において、一定期間の保険料を納めていること(保険料納付要件)が必要です。ご本人が長年、自身の年金加入状況を把握しておらず、いざ申請しようとした際に未納期間が発覚するケースは少なくありません。ご家族がサポートする際は、まずご本人と一緒に「ねんきんネット」や年金事務所で加入記録を確認することから始めましょう。もし未納期間があっても、免除申請の履歴がないか、20歳前の傷病ではないかなど、受給の可能性を探る道は残されています。諦める前に専門家に相談することが重要です。[外部リンク: 日本年金機構「障害年金」]
出典:日本年金機構「障害年金の受給要件・請求時期・年金額」
障害年金の受給へ!家族がすべき5つの具体的なサポートステップ
では、実際に障害年金の受給に向けて、ご家族はどのような行動を取ればよいのでしょうか。ここでは、専門家が推奨する5つの具体的なステップと、避けるべき行動を解説します。
ステップ1:まずは正確な情報を集める
インターネットには様々な情報が溢れていますが、中には不正確なものも含まれます。まずは年金事務所の窓口や、障害年金を専門とする社会保険労務士の無料相談を活用し、ご自身のケースにおける基本的な要件や流れを正確に把握しましょう。
ステップ2:本人とこれまでの経緯を時系列で整理する
ご本人の記憶を頼りに、いつ頃からどのような症状が出始め、どの病院を受診し、日常生活にどのような変化があったのかを時系列で書き出します。この作業が、後の「病歴・就労状況等申立書」の作成や、初診日の特定に非常に役立ちます。[内部リンク: うつ病で障害年金を申請する際のポイントと注意点]
ステップ3:初診日を証明する書類を確保する
ステップ2で整理した情報をもとに、初診の医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。もしカルテがなく作成できない場合でも、諦めずに当時の診察券や第三者の証明など、他の証明方法を探しましょう。この段階は申請の根幹となるため、慎重に進める必要があります。
ステップ4:医師への「情報提供メモ」を準備し診察に同行する
前述した「日常生活状況のメモ」を準備し、診断書の作成を依頼する際に医師に渡します。可能であれば診察に同行し、ご家族から客観的な視点でご本人の普段の様子を補足説明することで、より実態に沿った診断書作成に繋がります。
ステップ5:完成した書類を提出前に専門家と最終確認する
すべての書類が揃ったら、提出する前に必ず障害年金専門の社会保険労務士に確認してもらうことを強くお勧めします。書類の整合性や、審査で不利になりかねない記載がないかなど、専門家の視点でチェックを受けることで、不支給のリスクを大幅に減らすことができます。
【やってはいけない行動】
ご家族だけで判断し、不備のある書類を提出してしまうことです。一度不支給になると、その決定を覆す(審査請求・再審査請求)には、最初の申請時よりも多くの時間と労力が必要になります。焦って提出せず、万全の準備を整えることが最も確実な近道です。
出典:厚生労働省「障害年金ガイド」
まとめ:一人で抱え込まないで。専門家は家族の味方です
今回は、ご家族が精神障害になった際の障害年金申請サポートについて、専門的な視点から解説しました。ご家族のサポートは、複雑な障害年金申請を乗り越えるための大きな力となります。しかし、そのすべてをご家族だけで背負う必要はまったくありません。
重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 初診日の特定には、家族の記憶や記録が重要な手がかりになる。
- 日常生活の困難さを伝えるため、具体的なメモを作成し医師に渡す。
- 保険料の納付状況を早期に確認し、対策を立てる。
- 書類の準備から提出まで、専門家の視点を取り入れることが不支給リスクを減らす。
私たちHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人は、障害年金の専門家として、申請に悩むご本人とご家族の強力なパートナーです。何から手をつければ良いかわからない、という段階でも全く問題ありません。「ご家族だけで」のご相談も歓迎しております。まずはお気軽に、LINEやZoomでのオンライン無料相談をご利用ください。一人で抱え込まず、一緒に受給への道筋を見つけましょう。
出典:社会保険労務士法




