障害年金の現況届（障害状態確認届）の書き方と提出を忘れた場合のリスク
はじめに：障害年金の現況届、正しく提出できていますか？
障害年金を受給されている方のもとに、誕生月に日本年金機構から「障害状態確認届（診断書）」という書類が届くことがあります。これは一般に「現況届」とも呼ばれ、引き続き障害年金を受け取るために非常に重要な手続きです。この記事では、障害年金の現況届（障害状態確認届）の書き方と提出を忘れた場合のリスクについて、専門家の視点から分かりやすく解説します。
「書き方がよくわからない」「もし提出を忘れたらどうなるのだろう…」といった不安を抱えていませんか？この手続きを正しく行わないと、年金の等級が下がってしまったり、最悪の場合、支払いが一時的に差し止められたりする可能性があります。しかし、ご安心ください。この記事を最後まで読めば、現況届の正しい書き方から、自分で手続きする際と専門家に依頼する際のメリット・デメリット、そして万が一提出を忘れた場合の対処法まで、すべてを理解できます。手続きに関する不安を解消し、安心して障害年金の受給を継続できるよう、全国対応のHR BrEdge（エイチアールブレッジ）社会保険労務士法人がサポートします。
そもそも障害年金の現況届（障害状態確認届）とは？
障害年金の現況届（障害状態確認届）は、障害年金を引き続き受給する資格があるかどうか、現在の障害の状態を日本年金機構が確認するために提出を求める書類です。障害年金には「有期認定」と「永久認定」の2種類があり、この手続きは主に「有期認定」の方が対象となります。
- 有期認定：症状に変動が見込まれる障害に対して、1年〜5年の期間を定めて認定されます。この期間が満了するタイミング（誕生月）で障害状態確認届の提出が必要となり、再認定審査が行われます。
- 永久認定：手足の切断など、将来的に症状の変化が見込まれない障害に対して行われます。この場合、原則として障害状態確認届の提出は不要です。
つまり、現況届は定期的な健康診断のようなものと考えると分かりやすいでしょう。提出された診断書の内容に基づき、次回の更新まで現在の等級を維持できるか、あるいは等級が変更（上下）されるか、または支給停止となるかが判断されます。[画像挿入提案: ここに障害状態確認届（診断書）のサンプル画像を挿入。推奨ALTテキスト:「障害年金の現況届として送付される障害状態確認届の見本」]
なお、厳密には20歳前傷病の障害基礎年金を受給している方などに送付される所得状況などを確認するための「現況届」という書類もありますが、多くの方が「現況届」と呼んでいるのは、この診断書を添付する「障害状態確認届」を指します。本記事でも、主にこの障害状態確認届について解説していきます。
出典：日本年金機構「障害状態確認届の提出」
障害年金の現況届（障害状態確認届）の書き方【3つの重要ポイント】
現況届の審査で最も重視されるのは、医師が作成する「診断書」です。適切な内容の診断書を提出することが、等級を維持し、安定した受給を続けるための鍵となります。ここでは、そのために押さえるべき3つのポイントを解説します。
ポイント1：医師に診断書作成を依頼する前の準備
医師は診察室での短い時間でしか、あなたの状態を把握できません。そのため、日常生活や就労状況で困っていることを具体的に伝える準備が不可欠です。「日常生活状況申立書」やメモを作成し、医師に渡すことをお勧めします。以下の点をまとめておくと良いでしょう。
- 食事、入浴、着替え、掃除などの日常生活動作で、どのような支障があるか
- 家族やヘルパーからどのような援助を受けているか
- 就労している場合、仕事内容や職場で受けている配慮
- 前回更新時から現在までの症状の変化
ポイント2：診断書を受け取った後のセルフチェック
医師から診断書を受け取ったら、提出前に必ず内容を確認しましょう。特に以下の項目は重要です。
- 傷病名や発病日、初診日：年金証書と相違がないか確認します。
- 日常生活能力の判定・程度：ご自身の感覚と著しく乖離していないか確認します。もし実態と異なる場合は、遠慮せずに医師に修正を相談しましょう。
- 記載漏れ：日付や医師の署名・押印が抜けていないか、隅々までチェックが必要です。
ポイント3：「障害給付受給権者 現況申立書」を丁寧に作成
診断書とあわせて提出する「現況申立書」も重要な書類です。診断書では伝えきれない日常生活の詳細や就労状況の変化などを自分の言葉で補足することができます。この書類を丁寧に作成することで、審査官に自身の障害状態をより正確に伝えることができます。[内部リンク: 障害年金 診断書の重要性]について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
【比較】手続きの進め方：自分でやる？専門家に依頼する？
現況届の手続きはご自身で行うことも、社会保険労務士などの専門家に依頼することもできます。どちらの方法がご自身に適しているか、それぞれのメリット・デメリットを比較して検討してみましょう。
選択肢1：自分で手続きを進める場合
メリット：
最大のメリットは、専門家への依頼費用がかからないことです。手続きの流れを理解しており、医師とのコミュニケーションにも不安がない場合は、ご自身で進めるのが経済的です。
デメリット：
一方で、デメリットも存在します。診断書の記載内容が実態よりも軽く書かれてしまい、意図せず等級が下がってしまうリスクがあります。また、書類の準備や年金事務所とのやり取りに多くの時間と手間がかかり、精神的な負担となる可能性も否定できません。
選択肢2：社会保険労務士に依頼する場合
メリット：
専門家である社会保険労務士に依頼すると、多くのメリットがあります。医師へ的確に情報を伝えるためのサポートを受けられるため、実態に即した診断書を作成してもらえる可能性が高まります。書類のチェックや提出代行も任せられるため、時間的・精神的な負担が大幅に軽減されます。結果として、等級の維持や、場合によっては上位等級への変更も期待できます。
デメリット：
唯一のデメリットは、依頼費用が発生することです。ただし、HR BrEdge社会保険労務士法人のように、無料相談を実施している事務所もありますので、まずは話を聞いてから判断することができます。
どちらを選ぶべきか？
症状が安定しており、手続きに不安がない方はご自身で。一方で、症状に波がある、医師にうまく状態を伝えられるか心配、手続きが複雑で負担に感じる、といった方は、一度専門家への相談を検討することをお勧めします。[外部リンク: 厚生労働省「障害年金ガイド」]も参考に、ご自身の状況に合った最適な選択をしてください。
障害年金の現況届を提出し忘れた場合のリスクと対処法
万が一、定められた期限までに現況届（障害状態確認届）を提出し忘れてしまった場合、どうなるのでしょうか。最も大きなリスクは、年金の支払いが一時的に差し止められることです。
「受給権が失効するのでは？」と心配される方もいますが、提出忘れだけを理由に直ちに権利がなくなるわけではありません。日本年金機構からの督促に応じ、速やかに書類を提出すれば、差し止めは解除され、支払いが再開されます。しかし、支払いが再開されるまでには数ヶ月かかる場合があり、その間の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
提出忘れに気づいたら、すぐにやるべきこと
- 年金事務所に電話する：まずは管轄の年金事務所または「ねんきんダイヤル」に連絡し、提出が遅れた旨と理由を正直に伝えます。
- 速やかに書類を準備・提出する：指示に従い、急いで診断書等を取得し、提出します。
提出が遅れても、諦めずに誠実に対応することが何よりも重要です。もし一人で対応するのが不安な場合は、私たち専門家が代理で年金事務所とのやり取りを行うことも可能です。[内部リンク: 障害年金 無料相談]をご希望の方はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、障害年金の現況届（障害状態確認届）の書き方と提出を忘れた場合のリスクについて解説しました。この記事の重要なポイントを改めて整理します。
- 現況届（障害状態確認届）は、障害年金の受給を続けるための重要な手続きである。
- 医師に実態を伝えるための事前準備と、完成した診断書のセルフチェックが等級維持の鍵となる。
- 手続きは自分でもできるが、不安な場合は専門家（社会保険労務士）に依頼する選択肢もある。
- 提出を忘れると年金の支払いが一時差止となるため、気づいたらすぐに年金事務所へ連絡することが重要。
現況届の手続きは、今後の生活を左右する非常にデリケートなものです。少しでも不安や疑問があれば、一人で抱え込まずに専門家を頼ってください。全国対応のHR BrEdge（エイチアールブレッジ）社会保険労務士法人では、LINEやZoomによるオンラインでの無料相談も承っております。あなたの状況を丁寧にお伺いし、最適なサポートを提案いたします。どうぞお気軽にご連絡ください。
