障害年金は厚生年金でいくら上乗せされる?扶養や保険料の疑問を解説します!
病気や怪我により、働くことが困難になった場合、公的な支援制度である障害年金は大きな支えとなります。
特に、会社員として厚生年金に加入している方々にとって、障害年金がどのように支給され、自身の厚生年金加入歴がその受給額にどのような影響を与えるのかは、大変関心の高いところでしょう。
また、受給が開始された際に、家族の扶養や国民年金保険料の扱いにどのような変化が生じるのか、具体的な金額や基準を知ることは、今後の生活設計において不可欠な情報となります。
障害年金と厚生年金の上乗せ額
厚生年金加入者の障害年金受給額目安
会社員が障害年金を受給する場合、基本的には、国民全体に適用される「障害基礎年金」に加えて、厚生年金加入期間に応じて計算される「障害厚生年金」が上乗せされる形で支給されます。
障害基礎年金は、国民年金制度の根幹をなすもので、加入期間や保険料納付状況、そして障害等級(1級または2級)によって受給額が決まります。
これに、厚生年金加入期間中の給与水準や加入期間が反映される障害厚生年金が加算されるため、厚生年金加入者は、より手厚い保障を受けられる可能性が高まります。
具体的な受給額は、個々の障害等級、初診日時点での厚生年金加入状況、そして過去の収入や加入期間の長さによって大きく変動します。
障害年金の上乗せ額は厚生年金部分で決まる
障害年金における上乗せ額とは、具体的には障害厚生年金部分を指します。
障害基礎年金には、障害等級1級または2級に対して一定の最低保障額が定められており、これは国民年金加入期間の標準的な所得に基づいて算出されます。
一方、障害厚生年金は、厚生年金加入期間中の標準報酬月額(おおよそ給与に相当)と加入期間に基づいて計算される「報酬比例部分」が中心となります。
したがって、厚生年金加入期間が長く、現役時代の給与水準(標準報酬月額)が高かった方ほど、この報酬比例部分、すなわち障害年金の上乗せ額は大きくなる傾向にあります。
障害等級の判定においても、初診日時点で厚生年金に加入していたかどうかが重要な要素となります。
障害厚生年金の計算方法
障害厚生年金の具体的な受給額は、複雑な計算式に基づいて算出されますが、その主な要素は「平均標準報酬月額」と「厚生年金加入期間」です。
平均標準報酬月額とは、障害認定日(または初診日)以前の厚生年金加入期間における標準報酬月額の平均を指し、おおよそ現役時代の給与水準を反映しています。
これに、加入期間に応じた所定の率(例えば、加入期間20年であれば、平均標準報酬月額の約3分の1が年額の目安となります)を乗じて算出されます。
例えば、平均標準報酬月額が40万円で、厚生年金加入期間が20年(240ヶ月)の場合、障害厚生年金の年額は概ね80万円前後となる計算例があります。
この金額が、障害基礎年金に上乗せされることになります。
障害年金受給で扶養や保険料はどうなる?
障害年金受給で扶養から外れる年金額の基準
障害年金を受給し始めると、配偶者やお子さん、あるいは親御さんなどの扶養から外れるかどうか、という点が気になる方もいらっしゃるでしょう。
社会保険上の扶養(健康保険など)から外れるかどうかの主な基準は、扶養される方の年間収入が一定額を超えないことです。
具体的には、原則として年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金・障害基礎年金等の受給者については180万円未満)であることが、扶養に入るための目安となります。
障害年金の年金収入(障害基礎年金+障害厚生年金)がこの基準額を上回る場合、社会保険上の扶養から外れる可能性があります。
また、所得税の控除(配偶者控除や扶養控除)についても、年金収入が一定額(例えば、公的年金等の合計額が109万円を超える場合など)を超えると、適用対象から外れることがあります。
障害年金受給者の国民年金保険料支払い義務
障害年金、特に障害基礎年金(1級または2級)を受給している方には、国民年金保険料の支払い義務は原則として発生しません。
これは、障害基礎年金が国民年金制度から支給されるものであり、その受給者に対して、すでに保障を受けている上での重複した保険料負担を求めるのは適切ではない、という考え方に基づいています。
したがって、障害基礎年金と障害厚生年金のいずれか、または両方を受給している場合、国民年金保険料の納付は免除されることになります。
厚生年金に加入している期間中は、国民年金保険料も合わせて徴収されているため、その期間の障害基礎年金受給においては、保険料の納付義務は生じないという理解で良いでしょう。
国民年金保険料の免除・猶予制度
国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合、障害年金受給者以外でも利用できる免除、猶予制度が存在します。
主なものに「法定免除」と「申請免除」があります。
法定免除は、一定の条件を満たす場合に自動的に免除される制度で、例えば、老齢基礎年金や障害基礎年金(1級・2級)の受給権者で、所得が一定額以下の場合などが該当します。
申請免除は、本人の所得が一定基準以下である場合に、市区町村役場へ申請することで承認される制度です。
この申請免除は、保険料の納付期限前または期限後に申請することができ、承認されればその期間の保険料の納付が免除されます。
免除・猶予された保険料は、後から追納することも可能であり、将来受け取る年金額を増やせます。
まとめ
会社員が障害年金を受給する際、厚生年金加入期間は障害基礎年金への「上乗せ」という形で、受給額を左右する重要な要素となります。
受給額は、障害等級、現役時代の給与水準、そして厚生年金加入期間の長さに応じて変動します。
また、障害年金の受給開始は、健康保険における扶養基準の所得超過や、国民年金保険料の支払い義務免除といった、生活面・経済面での変化も伴います。
これらの制度内容を正確に理解し、ご自身の状況と照らし合わせながら、適切に活用していくことが、将来の安心に繋がるでしょう。




