障害年金の等級見直し請求で受給額を増やす方法|知っておくべき全手順と成功の鍵
【この記事の結論】
障害年金の等級見直し(正式名称:額改定請求)は、症状が悪化した場合に自ら申請を行うことで、受給額を増やせる可能性がある手続きです。

成功のための重要なポイント:
- 前回の審査から原則1年経過している必要がある
- 医師に日常生活の困難さを正確に伝え、実態に即した診断書を作成してもらう
- 「障害給付 額改定請求書」を年金事務所へ提出する
※ただし、診断書の内容によっては等級が変わらない(現状維持)場合や、極めて稀ですが等級が下がるリスクもゼロではありません。不安な方は申請前に専門家へご相談ください。
「症状が悪化して働けなくなったのに、今の年金額では生活が苦しい…」「以前より明らかに体調が悪い。等級を上げて受給額を増やせないだろうか?」「一度決まった等級は、もう変えられないの?」
このように、現在の障害年金の等級と、実際の生活の苦しさにギャップを感じている方は少なくありません。一度決定された等級であっても、症状の変化に応じて見直しを求めることは可能です。
障害年金制度には、受給者の権利を守るための「額改定請求」という仕組みがあります。しかし、この手続きは自動的に行われるものではなく、ご自身で適切な時期に、適切な方法で申請しなければなりません。
私たち大阪難波の社会保険労務士事務所では、年間500件以上の障害年金相談を受け、数多くの「等級見直し」をサポートしてきました。その経験から、等級改定を成功させるには「医師への伝え方」と「タイミング」が命であることを熟知しています。
本記事では、障害年金の等級見直し(額改定請求)について、基礎知識から具体的な申請手順、成功率を高めるコツまでを分かりやすく解説します。
記事を読み進めることで、あなたが今とるべきアクションが明確になり、正当な受給額を確保するための一歩を踏み出せるようになります。
障害年金の等級とは?見直し請求の前に知るべき基礎知識
等級による受給額の違い
障害年金の等級は、障害の重さによって1級、2級、3級(障害厚生年金のみ)に分かれています。等級が1つ上がるだけで、受給額は大きく変わります。
- 1級: 2級の年金額の1.25倍(障害基礎年金の場合、月額約8.5万円+加算)
- 2級: 障害基礎年金の満額(月額約6.8万円+加算)
- 3級: 障害厚生年金のみ。最低保証額(月額約5万円)あり
例えば、障害基礎年金2級の方が1級に改定されると、年間で約20万円以上受給額が増えるケースがあります。これは生活を支える上で非常に大きな差となります。
「額改定請求」とは
等級の見直しを求める手続きの正式名称は「障害給付 額改定請求」といいます。
障害年金には、数年ごとに診断書を提出する「更新(障害状態確認届)」がありますが、これはあくまで定期的なチェックです。一方、額改定請求は、更新の時期を待たずに「状態が悪化したので、今の等級を見直してほしい」と受給者側から能動的にアクションを起こす手続きです。
「1年待機」の原則と例外
額改定請求には、重要なルールがあります。それは、「年金を受ける権利が発生した日、または前回の審査を受けた日から1年を経過していなければ請求できない」という原則です。
これは、短期間での症状変動による事務負担を避けるための規定です。しかし、以下のような「省令で定める明らかな悪化」があった場合は、1年を待たずに請求できる例外があります。
- 両眼の視力の和が0.02以下になった場合
- 両下肢を足関節以上で欠くに至った場合
- 人工透析療法を行うことになった場合
- 人工弁やペースメーカーを装着した場合 など
精神疾患や内部疾患の多くは原則通り1年の待機期間が必要ですが、身体的な欠損や人工臓器の装着などは例外が認められやすい傾向にあります。
最新の統計データ
厚生労働省の「障害年金業務統計(令和4年度)」によると、障害年金の受給者数は年々増加しており、それに伴い額改定の請求件数も増えています。しかし、請求すれば必ず認められるわけではありません。適切な診断書が提出されない場合、審査の結果「等級不変(現状維持)」となるケースも多々あります。
障害年金「等級見直し請求」の全手順|受給額アップを叶える7つのステップ
【ステップ1】現在の等級と症状の乖離を確認する
なぜ重要か: 「生活が苦しいから」という経済的な理由だけでは等級は上がりません。「医学的に見て症状が悪化しているか」が基準です。
具体的な方法: ・認定当時の診断書のコピーがあれば確認し、現在と比較する・日本年金機構が公表している「障害認定基準」を確認し、現在の自分の状態が上位等級に当てはまるかセルフチェックする
期待できる効果: 無理な請求による時間と費用の無駄を防ぎ、確度の高い請求が可能になります。
【ステップ2】待機期間(1年)の要件をクリアしているか確認する
なぜ重要か: 期間を満たしていない請求は、窓口で受理されず門前払いとなってしまいます。
具体的な方法: ・年金証書の「受給権発生年月日」を確認・直近で更新や支給停止解除などの審査を受けた日を確認・不明な場合は、年金事務所に電話して「額改定請求が可能になる日」を問い合わせる
【ステップ3】主治医に相談し、協力を仰ぐ
なぜ重要か: 額改定請求の成否は、医師が作成する「診断書」の内容で9割決まります。医師が「症状は変わっていない」と認識していると、等級は上がりません。
具体的な方法: ・診察時に「最近、日常生活でこれだけ困っている(着替えができない、外出できない等)」と具体的に伝える・メモにまとめて渡すのも有効・「等級を上げてほしい」ではなく「現在の状態を正しく反映した診断書をお願いしたい」と依頼する
【ステップ4】「障害給付 額改定請求書」を入手する
具体的な方法: お近くの年金事務所、または日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
【ステップ5】診断書を作成してもらう(最重要)
なぜ重要か: 審査は書類のみで行われます。診断書の「日常生活能力の判定」や「労働能力」の記載が上位等級の基準を満たしている必要があります。
注意点: ・診断書は「請求日以前1ヶ月以内の現症」が記載されたものが必要です。・出来上がった診断書は必ず中身を確認し、実態より軽く書かれていないかチェックしてください(開封しても無効にはなりません)。
【ステップ6】病歴・就労状況等申立書を作成する(任意だが推奨)
なぜ重要か: 額改定請求において申立書は必須ではありませんが、診断書だけでは伝えきれない日常生活の具体的な困難さをアピールするために添付を推奨します。
具体的な方法: ・前回認定時から現在までの症状の変化、就労状況の変化(休職、退職、時短勤務など)を詳細に記述する
【ステップ7】年金事務所へ提出し、結果を待つ
具体的な方法: ・作成した書類一式(請求書、診断書、あれば申立書)を年金事務所へ提出・審査期間は通常3ヶ月〜4ヶ月程度
期待できる効果: 審査の結果、等級が改定されれば、請求した月の翌月分から増額された年金が支給されます。
【NG】自己判断で諦める・安易に請求する
なぜNGか: 「どうせ無理」と諦めるのはもったいないですが、逆に準備不足のまま「とりあえず出してみよう」と請求すると、現状維持の結果通知が届くだけでなく、その記録が残り、次回の更新に悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
正しい対応: 迷った場合は、申請前に社会保険労務士などの専門家に「診断書の内容が上位等級に該当しそうか」を診断してもらうことを強くおすすめします。
※ここまでの手順で不安や疑問がある方は、専門家への相談をおすすめします。当事務所では初回相談無料で対応しています。
障害年金「等級見直し」でよくある質問|不安を解消するQ&A
Q1. 額改定請求をすると等級が下がることはありますか?
A. 制度上、可能性はゼロではありませんが、非常に稀です。
額改定請求は「悪化したので上げてほしい」という請求ですが、提出された診断書を見て審査官が「むしろ以前より改善している」と判断すれば、等級が下がったり支給停止になる可能性も理論上は否定できません。
ただし、明らかに改善している状態で額改定請求を行うことは通常ないため、実務上は「現状維持(却下)」か「増額(改定)」のどちらかになるケースが大半です。不安な方は、提出前に専門家に診断書をチェックしてもらうのが安全です。
Q2. 1年経っていませんが、どうしても生活できません。請求できませんか?
A. 原則はできませんが、特定の状態であれば可能です。
前述の通り、人工透析の開始や手足の切断など、客観的に明らかな変化がある場合は1年待たずに請求できます。しかし、精神疾患や内部疾患の悪化だけでは、原則として1年の待機期間が必要です。
もし1年経過前であっても、前回と全く異なる別の病気(例:うつ病に加え、脳梗塞を発症した等)であれば、額改定ではなく「新しい障害」として新規申請を行う方法があります。
Q3. 額改定請求で増額が決まったら、いつから増えますか?遡ってもらえますか?
A. 請求した月の翌月分から増額されます。過去に遡って増額されることはありません。
額改定請求は「将来に向かって」年金額を変える手続きです。「実は1年前から悪かった」と主張しても、遡って差額をもらうことはできません。そのため、悪化したと感じたら、1年の待機期間明けに合わせて速やかに手続きを行うことが重要です。
Q4. 更新(障害状態確認届)のタイミングで等級変更を求めることはできますか?
A. はい、可能です。
更新時に提出する診断書の内容が上位等級に該当すると判断されれば、等級は上がります。更新時期が近い場合は、わざわざ額改定請求を行わずに、更新の診断書をしっかり作成することに注力するのも一つの戦略です。
更新までまだ期間があり(1年以上など)、すぐに増額を求めたい場合は、額改定請求を行いましょう。
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まとめ
本記事では、障害年金の等級見直し(額改定請求)について、以下のポイントを解説しました:
- 等級が1つ上がるだけで、受給額は年間数十万円変わる可能性がある
- 原則として前回の審査から1年経過しなければ請求できない
- 成功の鍵は、日常生活の困難さを正確に反映した「診断書」の作成にある
- リスクは低いものの、専門家のチェックを経ることでより安全・確実に進められる
障害年金は、あなたの生活を支える大切な命綱です。症状が重くなり、生活が苦しくなっているのなら、それは等級を見直すべきサインです。「制度が難しそう」「医師に言い出しにくい」と諦める前に、まずは専門家にご相談ください。
【今日からできること】まずは、ご自身の年金証書を見て、前回の受給権発生日を確認することから始めてみましょう。適切なタイミングで動くことが、生活の安心を取り戻す第一歩です。
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