障害年金更新で不支給はなぜ?打ち切りを防ぐ提出書類と対策【社労士監修】
【この記事の結論】
障害年金の更新で不支給になる主な理由は、症状が改善したと判断されることや、診断書の内容が実態より軽く書かれてしまうことにあります。

具体的な対策ポイント:
- 医師への伝え方:診察時に「日常生活で困っていること」をメモにまとめて渡す
- 診断書の確認:提出前に記載漏れや実態との乖離がないかチェックする
- 補足資料の活用:必要に応じて、就労状況や生活状況を詳しく記した申立書を任意で添付する
※更新手続き(障害状態確認届)の提出期限は誕生月の末日です。期限を過ぎると一時的に支給が止まるため、早めの準備が不可欠です。
「更新の案内が届いたけれど、これで打ち切られたらどうしよう…」
「働き始めたから、もう障害年金はもらえないのかな…」
「前回の申請時と主治医が変わってしまい、ちゃんと診断書を書いてくれるか不安…」
障害年金を受給中の方にとって、数年ごとに訪れる「更新」は非常に大きなストレス要因です。生活の支えである年金が止まってしまえば、経済的な基盤が一気に崩れてしまう恐れがあるからです。
障害年金制度は複雑で、更新時には「障害の状態が変わっていないか」が厳格に審査されます。実際、ご本人の自覚症状は変わらないのに、診断書の書き方ひとつで「改善した」とみなされ、支給停止や等級落ち(減額)になってしまうケースも存在します。
私たち大阪難波の社会保険労務士事務所では、年間数百件以上の障害年金相談に対応しており、更新手続きのサポート実績も豊富です。更新で一度不支給になった方からのご相談を受け、再審査請求で受給権を取り戻した事例も多数あります。
本記事では、障害年金の更新で不支給になる具体的な理由や、それを防ぐための診断書・申立書の作成テクニックを、専門家の視点から徹底解説します。
記事を読み進めることで、更新に向けた正しい準備方法が分かり、不安を解消できるはずです。記事の最後には、専門家による無料診断のご案内もありますので、ぜひ最後までお読みください。
障害年金更新の重要性と不支給リスクの現状
障害年金の更新(有期認定)とは
障害年金の認定には、一度決定すれば一生涯支給される「永久認定」と、1年から5年ごとに診断書を提出して再審査を受ける「有期認定」の2種類があります。
手足の切断など症状が固定している場合を除き、精神疾患や内部疾患などの多くは「有期認定」となります。有期認定の方には、誕生月の3ヶ月前の月末に日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が送付されます。これを誕生月の末日までに提出し、引き続き障害等級に該当するかどうかの審査を受けなければなりません。
更新で支給停止・減額になる確率
「更新で落ちる人はどのくらいいるのか?」という点は最も気になる部分でしょう。
厚生労働省や日本年金機構の統計(令和4年度など)によると、更新手続き(障害状態確認届)において支給停止となる確率は全体で約1.1%〜1.7%程度です。また、等級が下がる(減額改定)確率は約0.8%とされています。
数字だけ見ると「98%以上は継続できる」ように思えますが、これはあくまで身体障害なども含めた全体の平均値です。うつ病や統合失調症などの精神障害や、数値で判断しにくい難病・内部障害においては、診断書の内容次第でこのリスクが跳ね上がります。「自分は大丈夫」と油断せず、慎重な準備が必要です。
更新で障害年金が打ち切られる具体的な理由と認定基準の理解
1. 症状が「改善した」と判断される(診断書の数値変化)
最も多い理由は、医学的に「症状が軽くなった」と判断されるケースです。特に精神障害の場合、服薬によって一時的に症状が安定している時期に診断書を作成すると、実際の生活能力よりも高い評価(軽い症状)が記載されてしまうことがあります。
例えば、精神の障害用診断書にある「日常生活能力の判定」の数値が、前回よりも良くなっている場合、審査側は「障害の状態が改善した」と捉え、級落ちや支給停止の判断を下す可能性があります。
2. 就労状況の変化(働き始めた・勤務時間が増えた)
更新のタイミングで就労を開始していたり、労働時間が増えていたりする場合も注意が必要です。
誤解されがちですが、「働いている=不支給」ではありません。しかし、就労できている事実をもって「社会復帰が可能になった」「日常生活能力が向上した」と判断されるリスクはあります。特に、職場での配慮(短時間勤務、業務内容の制限、急な欠勤の容認など)を受けてようやく働けている場合、その「配慮の実態」が診断書に反映されていないと、単に「一般就労できている」とみなされてしまうのです。
3. 主治医の変更と引き継ぎ不足
転院などで主治医が変わった場合、新しい医師があなたの過去の症状や、日常生活での詳細な困りごとを十分に把握していないことがあります。
医師は診察室での様子しか見ることができません。短い診察時間の中で「調子はどうですか?」「まあまあです」といったやり取りだけで終わってしまうと、医師は「問題なく生活できている」と解釈し、軽い内容の診断書を作成してしまうことがあります。これが不支給の大きな原因となります。
不支給を防ぐ最重要対策!診断書と病歴・就労状況等申立書の書き方
【ポイント1】医師への「情報提供」を徹底する
なぜ重要か: 診断書を書くのは医師ですが、その判断材料を提供するのは患者自身です。医師に「家では何もできない」「家族の助けがないと生活できない」という実態が伝わっていなければ、正確な診断書は完成しません。
具体的な方法:
口頭で伝えるだけでなく、A4用紙1枚程度にまとめたメモを渡しましょう。
・食事、入浴、着替えなどの日常生活で介助が必要な点
・就労している場合は、職場で受けている具体的な配慮や、仕事中のトラブル、勤務後の疲労度
・意欲低下や気分の波など、診察室では見えにくい症状
期待できる効果: 医師が診断書を作成する際、あなたのメモを参照することで、日常生活能力の評価などが実態に即した内容になり、適切な等級での更新が期待できます。
【ポイント2】診断書の記載漏れ・不備をチェックする
なぜ重要か: 医師も人間であり、記入ミスや記載漏れは起こり得ます。提出してしまうと修正は困難なため、提出前のチェックが必須です。
具体的な方法:
診断書を受け取ったら、封をしてあっても(提出用封筒に入れられていない限り)中身を確認する権利があります。
・有効期限内の現症日になっているか
・記載漏れ(空欄)はないか
・自覚症状と明らかに矛盾する記載(例:寝たきりなのに「外出可能」となっているなど)はないか
注意点: 内容に疑問がある場合は、その場で怒ったりせず、丁寧に「普段の生活では○○な状況なので、ご検討いただけないでしょうか」と医師に相談しましょう。
【ポイント3】「申立書」を任意で添付する
なぜ重要か: 更新手続き(障害状態確認届)では、原則として「病歴・就労状況等申立書」の添付は不要です。しかし、診断書だけではどうしても伝えきれない事情がある場合、補足資料なしでは審査側に誤解を与えるリスクがあります。
具体的な方法:
就労中の方や、前回更新時から生活状況が大きく変わった方は、任意の様式(または申立書用紙)で補足説明を作成し、診断書と一緒に提出することをおすすめします。特に「職場での配慮事項」や「就労継続の困難さ」を具体的に記述することが重要です。
期待できる効果: 審査官に対して、診断書の数値の背景にある「実際の生活の困難さ」をアピールでき、不当な支給停止を防ぐ効果が期待できます。
⚠️ NG行動:安易に「大丈夫です」と言わない
診察時に医師への遠慮や見栄から、つい「最近は調子が良いです」「仕事も順調です」と答えてしまう方がいますが、これは非常に危険です。カルテに「改善傾向」と記録され、それがそのまま診断書に反映されてしまいます。つらい時は正直に、具体的につらい状況を伝えることが、生活を守るためには必要です。
※ここまでの手順で不安や疑問がある方は、専門家への相談をおすすめします。当事務所では初回相談無料で対応しています。
もしも不支給になったら?再審査請求・再申請の具体的な進め方
「審査請求」で不服を申し立てる
万が一、更新で「支給停止」や「減額」の通知が届いた場合、その決定に納得がいかなければ「審査請求」を行うことができます。
これは、決定があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内に、地方厚生局の社会保険審査官に対して不服を申し立てる手続きです。
ただし、単に「納得できない」と言うだけでは認められません。「認定基準に照らして、処分が不当である」という客観的な証拠や論拠を示す必要があります。
「支給停止事由消滅届」での再申請
審査請求は結果が出るまでに数ヶ月かかり、かつ結果が覆る確率(容認率)は約10%前後と低いのが現実です。
そのため、明らかに症状が悪化している場合や、診断書の内容が現在の状態と乖離している場合は、審査請求ではなく、改めて診断書を取得し直し「支給停止事由消滅届」を提出する方法もあります。
これは「一度支給停止になった理由(改善など)がなくなったため、再度支給を再開してほしい」と求める手続きです。審査請求よりも早く結果が出ることが多く、実態に即した診断書さえ用意できれば、支給再開の可能性は十分にあります。
専門家活用のすすめ:障害年金更新を社労士に依頼するメリットと費用
社労士に依頼する3つのメリット
- 医師との連携サポート:医師に渡すための「依頼状」や「日常生活状況の資料」をプロが作成し、適切な診断書作成を後押しします。
- 申立書の作成代行:更新時でも必要に応じて提出すべき申立書や補足資料を、審査ポイントを押さえた文章で作成します。
- 精神的な安心感:更新への不安やプレッシャーを一人で抱え込まず、専門家に相談しながら進めることができます。
費用の相場
障害年金の更新サポートを社会保険労務士に依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
- 着手金(事務手数料):2万円〜5万円程度
- 成功報酬:年金額の1ヶ月分〜2ヶ月分、または支給決定時に定額(3万円〜5万円程度)
※事務所によって料金体系は異なります。成功報酬制を採用している事務所であれば、万が一更新できなかった場合のリスクを抑えられます。
障害年金更新でよくある質問|不支給の不安を解消するQ&A
Q1. 働いていても更新はできますか?
A. はい、働いていても更新できる可能性は十分にあります。
就労している事実だけで一律に不支給になるわけではありません。重要なのは「どのような環境で、どのような配慮を受けて働いているか」です。
例えば、障害者雇用枠での勤務や、一般雇用でも頻繁な休憩や業務制限などの配慮がある場合は、その旨を診断書や補足資料で明確に伝えることで、2級以上の等級を維持できるケースも多々あります。
Q2. 更新の診断書はいつ頃届きますか?
A. 誕生月の3ヶ月前の月末に、日本年金機構からご自宅へ郵送されます。
例えば、4月が誕生月の方の場合、1月末頃に「障害状態確認届」が届きます。提出期限は誕生月の末日(4月30日)ですので、届いたらすぐに医療機関へ予約を入れ、診断書の作成を依頼しましょう。
Q3. 更新手続きを忘れて期限を過ぎてしまったらどうなりますか?
A. 提出期限を過ぎると、一時的に年金の支払いが「差止(ストップ)」されます。
ただし、権利が消滅するわけではありません。遅れてでも提出し、審査で引き続き等級に該当すると認められれば、差止されていた期間の分も含めて後から振り込まれます。生活費への影響を防ぐためにも、必ず期限内に提出しましょう。
Q4. 精神疾患で、前回より少し体調が良いのですが等級は下がりますか?
A. 必ずしも下がるとは限りませんが、注意が必要です。
障害年金は「その時点での状態」を審査するため、一時的に安定していても、それが「永続的な改善」でなければ等級は維持されるべきです。「薬で抑えているだけで、自己管理能力は低い」「ストレスがかかれば悪化する」といったリスクを、医師を通じて審査側に正しく伝えることが重要です。
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「更新の診断書が届いて不安」「主治医にどう伝えればいいかわからない」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
本記事では、障害年金の更新について、不支給を防ぐための対策を中心に解説しました:
- 更新で不支給になる確率は全体で1%台ですが、精神障害や就労中の方はリスクが高まります。
- 不支給の主な原因は、症状の改善判定や、実態と乖離した軽い診断書です。
- 対策として、メモを活用して医師に生活実態を正確に伝えること、診断書提出前に内容をチェックすることが不可欠です。
- 必要に応じて申立書(補足資料)を添付することで、審査側に正しい状況をアピールできます。
障害年金の更新は、あなたの生活基盤を守るための非常に重要な手続きです。「前と同じだから大丈夫だろう」という安易な自己判断は禁物です。医師とのコミュニケーションを大切にし、自身の状況を正確に書類に反映させることが、受給継続への近道です。
【今日からできること】
まずは、次回の更新時期(年金証書の「次回診断書提出年月」)を確認しましょう。そして、日頃から体調や生活の困りごとをメモに残す習慣をつけておくと、いざ診断書を依頼する際に大変役立ちます。
もし、医師への伝え方や書類の内容に不安がある場合は、更新手続きの経験が豊富な専門家を頼ってください。適切なサポートを受けることで、不必要な支給停止を回避し、安心して療養生活を続けることができます。
ご不明点やご相談がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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