障害年金コラム

「障害年金2級で働いてはいけない」は本当?誤解と正しい基準・安心して受け取るためのポイント

障害年金2級でも働いてはいけない?という悩みや疑問にずっとモヤモヤ―そんな不安を感じていませんか。

「働いたら年金がもらえなくなるかも…」「今の職場にばれたら困る」「そもそも他の人はどうしているの?」――障害年金と就労をめぐる悩みは、切実で身近なものです。その不安の背景には、制度の複雑さや誤解、ネット上のあいまいな情報が影響し、多くの方が二重の苦しみを感じている現状があります。
① 「障害年金2級を受給しているけれど、少しでも働いたらもらえなくなりますか?」
② 「パートやアルバイトで働きたいけど、働くと制度上問題がありますか?」
③ 「年金事務所や主治医に相談してもはっきりした答えがなくて不安…」
こうした悩みが絶えません。

なぜここまで多くの方が混乱するのでしょうか。それは、障害年金2級と働くことの関係について「絶対に働いてはいけない」「働いているとバレたら即打ち切り」など極端な噂や誤解が根強いうえ、個別の事情で判断されるため、明確な線引きが難しいからです。つまり、制度の「グレーゾーン」が不安の元になっています。

この記事では、障害年金2級でも安心して受け取るための正しい知識と“本当はどうすればいいか”の対策、よくある誤解や不安に現役社労士が答えることを目的として、一つ一つわかりやすく解説します。働くことをあきらめる必要はありません。是非最後までご覧いただき、新たな一歩を踏み出す参考にしてください。

障害年金2級と「働いてはいけない」の本当の関係——背景・仕組み・他社比較・誤解の正体

障害年金2級の歴史と制度背景

障害年金は、病気やケガなどが原因で生活や仕事に大きな制限を受ける方のために設けられた公的保険給付制度です。障害基礎年金2級障害厚生年金2級は、とくに「日常生活に支障があり、かつ通常の就労が難しい」と認定された方が対象です。日本では1986年の年金制度改革以降、より精神疾患や発達障害にも門戸が開かれ、申請は増加傾向にあります。
しかし、「働いている人にも年金を?」といった世間の認識や“ずるい”といった声も少なからず存在します。一方、欧米では“働きながら受給する”ことがむしろ推奨されている国も多いのです(後述)。

障害年金2級と就労の社会的傾向・統計

令和元年度の厚労省調査によると、障害年金受給者のうち約3割が「何らかの形で仕事をしている」と回答しています。中には、短時間勤務や在宅ワーク、障害者雇用枠などさまざまな働き方をしている事例もあり、「2級×就労」は決して珍しくありません。ポイントは、就労の「内容・程度・配慮の有無」などが判断に影響するということです。

「働いてはいけない」はなぜ広まった? 大きな誤解と実際の審査

最も多い誤解は「2級=まったく働いてはいけない」というものです。これは、申請書や診断書に「日常生活や労働に大きな制限」と書かれているため、「ちょっとでも働けば資格を失う」と直感的に思い込むことが一因です。しかし、実際には“就労の有無で直線的に資格が失われる”ことはありません。あくまで「あなたの障害の程度・具体的な日常の困難さ」が審査ポイントです。

Aさんの具体的なケース―週3日、軽作業で働く場合

たとえば精神疾患で障害年金2級を受給しているAさんは、体調に合わせて週3日、3時間ずつ軽作業(ピッキング)を行っています。就労先は障害者雇用枠で、必要な配慮(休憩頻度・時短)も受けています。この場合、「就労している=即失格」にはなりません。働きながらも日常生活に支障が続き、かつ専門家の診断も継続されていることで受給は維持されます。(ただし、就労内容や負荷・賃金がフルタイム相当に近づくと注意が必要)

意外と知られていない制度の裏話~審査の着眼点

審査では、単なる“働いている・いない”だけでなく、「働ける範囲・医師の見解・配慮の有無・日常生活や通院状況」など総合的に判断されます。たとえば雇用形態、勤務先の理解、リモートワーク、地域活動など、あなたにとっての“無理のない働き方”が合理的に説明できれば2級受給も十分可能です。
さらに、「会社に年金受給がバレる」「働いた収入がハローワークや年金事務所に筒抜け」という噂もありますが、通常、年金審査で直接会社に確認が入ることはありません。ただし、更新時には“申告義務”と“診断書の記載”がポイントになります。

【業界・他社比較】他の福祉制度との違い

就労継続支援(A型・B型)や生活保護、傷病手当金等の他制度は「収入制限」「就労不可」が厳格な場合も多いですが、障害年金2級は原則“働くこと=即NG”ではありません。文化的視点でも“自立”を支援する方向へと考え方が広がっています。
とはいえ、“なんとなく怖い”“同じ悩みを持っている人がいます!”という声も多いため、正しい情報と専門家のサポートが大切です。

障害年金2級で安心して働き続けるための8つの具体的アクション

  1. 主治医・専門家と就労内容を必ず共有する
    理由:主治医の診断書には「日常生活や労働の制限度合い」が重要項目です。
    方法:たとえば「週何日、どれくらいの時間、どんな内容で働いている・これから働きたいか」を具体的に伝える。月に一度など定期的な相談を習慣化しましょう。
    効果:医師が適切に配慮した診断書を作成しやすくなり、誤解による不利益を防止できます。Aさんの例のように、主治医が「就労可能だが配慮も必要」と理解していれば、審査維持もスムーズに進みます。
  2. 働き方・時間・業務内容を“日記やメモ”で記録する
    理由:更新時や追加書類提出時、「どのような困難があったのか」を客観的に説明できる資料になります。
    方法:月ごと・週ごとの簡単なメモ(例:「今週は体調不良が続き休みが多かった」「徐々に業務を増やしたが不安が強まった」など)を残しておきます。
    効果:自分の状態を振り返る参考となり、審査側にも「困難さ」の証明材料となるため有効です。
  3. 会社側(就労先)と配慮事項を事前に調整する
    理由:「障害者雇用枠」「短時間労働」「仕事内容の変更」など配慮があると、無理せず長続きしやすく、更新時の説明材料にも活用できます。
    方法:職場の担当者や人事、障害者就労支援センターと面談を設け、必要な配慮内容を確認・記録します。
    効果:配慮の記録は、医師や専門家が診断書で具体的な困難さを説明する手助けとなります。結果的に受給の安定につながります。
  4. 収入がフルタイム並みに増えすぎないよう注意
    理由:「日常生活に困難がある」判定に照らし、フルタイム同等の勤務や高収入は「制限なし」=等級ダウンや支給停止リスクとなります。
    方法:勤務日数・時間・給与明細・源泉徴収票の履歴を時折見直します。働き方が“自分の体調に合っているか”を優先に考えましょう。
    効果:突然の審査不利や支給停止を回避できます。収入が増える場合は必ず主治医に相談してからにしましょう。
  5. 障害年金の更新時(再認定)の「診断書」のポイントを理解する
    理由:診断書では「仕事ができる状態か」を重視されます。あいまいな説明や“できるだけ苦しいこと”を書いてもらうことが大切です。
    方法:具体的な困難(例:通院の継続、体調不良時の休職、配慮が必須など)を医師に正直に伝えましょう。
    効果:曖昧な診断書→受給打ち切り、というトラブルを未然に防ぎます。
  6. 同じ立場の人、支援団体、社労士などと情報交換する
    理由:個別例や最新の制度事情、判例を知ることで、不安や誤解の解消につながります。
    方法:地域の家族会、SNSコミュニティ、障害年金専門社労士の無料相談を活用して実例を聞きましょう。
    効果:「自分だけじゃない」と実感でき、最新情報も得られやすくなります。
  7. 途中で無理をして働きすぎないこと
    理由:「収入を増やさなきゃ」と頑張りすぎて増悪し、結果的に年金も仕事も両方失うリスクがあります。
    方法:辛い時はすぐ主治医や支援者・会社に申し出る。「休む勇気」も必要です。
    効果:長期的に安定した生活と年金維持・健康を守れます。頑張りすぎは禁物です。
  8. 【やってはいけない】働いている事実を隠す・虚偽申告をする
    理由:「ばれなければ大丈夫」と安直に考え虚偽申告をすると、後々返還命令や刑事罰のリスクのほか、年金事務所や主治医との信頼関係が壊れます。
    方法:働き始めや就労内容に変更があったら、必ず主治医そして必要に応じて年金事務所等に相談しましょう。
    効果:正直な申告でトラブルやペナルティを防ぎ、安心して将来設計を立てられます。

障害年金2級と就労にまつわるよくあるQ&A~あなたの不安・誤解にプロが答えます

Q1:障害年金2級でアルバイトやパートをしていたら必ず年金が停止されますか?
A:いいえ、必ず停止されるわけではありません。
ポイントは「仕事内容・時間数・収入・配慮の有無・医師の判断」など総合的な要素です。週数日・短時間・低負荷で、かつ主治医も認めていれば受給継続が十分可能です。ただし、フルタイム相当や「まったく困難なし」と判断される場合は等級変更・停止のリスクがあるので注意しましょう。
Q2:働いたことを年金事務所や会社に知られたらどうなるのでしょうか?
A:就労の事実は通常、会社から直接連絡されることはありませんが、更新時や調査の際、申告内容と実態が矛盾していると審査で問題となる場合があります。
誠実に申告し、主治医にもきちんと相談することが結果的に安心に繋がります。
(もし、勤務先が年金事務所から連絡を受けた場合は、きちんと経緯を説明しましょう)
Q3:障害年金と働くことの両立はズルいと思われませんか?周囲の目が気になるのですが…
A:制度の趣旨は「困難を抱えつつ、自立を応援する」ことにあります。
欧米では“働きながら受給する”ことが一般的であり、「完全就労禁止」は誤ったイメージです。
もし職場で偏見を感じたら、専門家や支援団体を頼りましょう。理由を「診断書」や「配慮資料」として上司に説明することも有効です。
Q4:「2級を維持するには必ず“就労不可”でなければいけない」という話を聞きます。本当ですか?
A:これは大きな誤解です。
就労の有無は“1つの参考情報”に過ぎず、大切なのは「何をどの程度どう困難なのか」を主治医が的確に診断しているか・配慮があるかです。たとえば「週2-3日、短時間、体調に配慮して働いている」「就労支援員の手助けを受けながら部分的に仕事している」など、実情に合わせて等級が判断されています。

まとめ~障害年金2級と働くことを前向きにとらえるために

この記事では「障害年金2級=働いてはいけない」という誤解の正体や、働きながら安心して受給を続けるための実践的なポイントを詳細に解説しました。
要点は、“働いている=即失格”ではなく、働くこと自体が問題なのではなく、あなたの困難さ・主治医の診断・就労内容の工夫次第で柔軟な判断がされるという制度の本質にあります。

不確かな噂や極端な“都市伝説”に惑わされず、主治医や支援者、同じ立場の人たちと情報共有しつつ、“無理なく・自分らしい就労”を目指しましょう。「悩んだらすぐ専門家へ!」が安心への近道です。

障害年金と就労の両立への理解は、今後さらに広がり“もっと自由な働き方・社会参加”を後押ししていくはずです。小さな行動から未来が変わります。あなたの一歩を、私たち社会保険労務士も心から応援します!

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