「知的障害の年金っていくらもらえる?」等級別・実例つきで徹底解説
「知的障害があると年金はいくらもらえるの?」「子どもが将来自立できるのか心配…」「受給してる人は実際どのくらいの金額で生活しているの?」——そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
知的障害は先天的な障害であり、長期にわたる支援が必要になることも少なくありません。そのため、障害年金は本人やご家族の経済的な支えとして、非常に重要な制度となっています。
とはいえ、「いくらもらえるのか?」「どうすれば受給できるのか?」「手帳があるだけで受給できるの?」といった情報は、意外と分かりづらく、誤解も多く見られます。
この記事では、「知的障害による障害年金の金額」をテーマに、制度の基本から等級ごとの支給額、受給の実例、申請時の注意点まで詳しく解説します。初めての方にもわかりやすいように、具体的な数字やケースも紹介していきます。
知的障害と障害年金の関係|対象・等級・支給額の基本を理解しよう
知的障害を持つ方は、基本的に「障害基礎年金」の対象となります。これは、20歳以降の障害が対象となる厚生年金とは異なり、20歳前に障害がある場合でも受給できるという特徴があります(20歳前障害)。
そのため、先天的な知的障害や小児期に発覚した発達障害などがある方は、20歳の誕生日前後に年金申請を行うのが一般的です。
等級ごとの認定基準(知的障害の場合)
- 障害基礎年金1級:日常生活のほとんどに全面的な援助が必要な状態(例:IQ35以下)
- 障害基礎年金2級:日常生活に著しい制限があり、常に援助が必要(例:IQ36〜50前後)
軽度(IQ51〜70程度)の方でも、生活能力に大きな制限がある場合は、2級認定されることがあります。
ただし、診断書だけでなく、本人の生活実態(申立書など)も重要な判断材料となります。
障害年金の金額(令和6年度・目安)
- 基礎年金1級:月額 約99,500円(年額 約1,194,000円)
- 基礎年金2級:月額 約79,500円(年額 約954,000円)
この金額は、物価スライドなどにより毎年見直される可能性があります。
また、子の加算がある場合、1人目・2人目は各月額10,000円程度、3人目以降は約6,000円の加算がつきます。
20歳前障害の特徴
20歳前に障害があった場合の年金は「所得制限」があります。
前年所得が約360万円(給与収入ベース)を超えると、全額支給停止になることもあるため、家族の扶養関係や収入状況に応じて注意が必要です。
よくある誤解
- 知的障害者手帳があれば自動的に受給できる → ✕
- IQが低ければ等級が確定する → ✕
- 一度認定されれば一生もらえる → ✕(定期更新があります)
実際の受給には、「診断書(精神の障害用)」「病歴・就労状況等申立書」など、複数の書類と審査を経て判定が下されます。
金額だけじゃない!知的障害の障害年金で押さえるべき8つの重要ポイント
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1. 20歳前後での申請が最も一般的
知的障害の場合、生まれつき・幼少期に判明することが多く、年金の申請は20歳の誕生日前後に行うのが基本です。
この時期にしっかりと申請することで、支給開始がスムーズになります。 -
2. IQの数値だけでなく、生活能力が判断基準
診断書にはIQの記載がありますが、実際の審査では「どれだけ自立できているか」「どの程度支援が必要か」が重視されます。
できるだけ実態を申立書で具体的に説明しましょう。 -
3. 就労支援施設の利用は“援助の必要性”を示す証拠
B型作業所などに通っている場合は、「一般就労が困難」「常時の支援が必要」といった証明になります。
支援計画や通所証明書を添付すると説得力が増します。 -
4. 家族の支援内容を申立書に書く
食事・金銭管理・通院・服薬など、どんな援助をしているかを具体的に記載することで、「支援なしでは生活が困難」という実態を明示できます。 -
5. 診断書は“精神の障害用”を使用
知的障害の場合、「精神の障害用」の様式を用います。小児科や内科ではなく、精神科・児童精神科での診断が必要です。 -
6. 一度不支給でも再申請は可能
審査で不支給になっても、「申立書の書き直し」「医師との連携」「追加資料の提出」などを行えば、再審査や再申請で受給に至るケースは多くあります。 -
7. 年金は2か月ごとの支給
支払いは偶数月に2か月分ずつ振込まれます(例:2月に12月・1月分)。金額の管理や生活設計の参考にしてください。 -
8. 更新手続きの際は“変化点”を明確に
定期更新(おおむね2年ごと)の際には、前回からの症状や生活状況の変化を記載しましょう。「改善していない」「支援が継続して必要」であることを示すのがポイントです。
Q&A|知的障害と障害年金の金額に関するよくある疑問
Q. IQが50以下なのに不支給でした。どうして?
A. IQだけでは等級は決まりません。申立書や診断書に「支援が必要な実態」が反映されていないと、軽く見られてしまうことがあります。再申請を検討しましょう。
Q. 子どもが学生ですが、年金は受給できますか?
A. はい。知的障害があれば、20歳以降であれば学生でも受給可能です。就労や収入の有無は基本的に関係ありません。
Q. 年金だけで生活は可能ですか?
A. 1人暮らしは難しい場合もありますが、グループホームや福祉サービス、手当と併用することで生活は可能です。家族のサポートも大切です。
Q. 一度受給すれば一生もらえますか?
A. いいえ。定期的な更新審査があります。生活能力が向上していると判断されれば支給停止の可能性もあるため、日々の支援内容を記録しておきましょう。
まとめ|知的障害による年金は、生活の支えになる大切な制度
知的障害がある方にとって、障害年金は長期的な生活の基盤となる大切な支援制度です。
1級・2級に応じた支給額は、決して高額ではないものの、適切に申請・受給することで、日常生活や就労支援を安定させる手段となります。
金額だけでなく、「どのように支援を受けているか」「どれだけ自立が難しいか」といった点を丁寧に伝えることが、正当な受給の鍵になります。
専門家のサポートも活用しながら、確実な受給を目指しましょう。