【両足人工股関節でも障害年金2級は可能?】受給条件・診断書のポイント・成功のコツを解説
「両足人工股関節で障害年金2級をもらえるの?」という不安に答えます
「両足とも人工股関節に置き換えたけど、障害年金の対象になる?」「3級は聞いたことあるけど、2級って通るの?」「申請しても“日常生活できてる”と判断されないか不安…」
そんな疑問や不安を感じていませんか?
股関節の人工関節手術は、生活の質を改善する一方で、可動域制限・慢性的な痛み・長距離移動の困難など、手術後も日常生活に支障が残るケースが多くあります。
しかし、障害年金の制度では「人工関節=必ず3級」と思い込んでしまい、本来2級に該当する人が正当に受給できていないこともあります。
この記事では、両足の人工股関節置換で障害年金2級を目指すための基準・診断書のポイント・審査で重視される生活状況を、具体的な事例とともにわかりやすく解説します。
申請前に知っておくべき情報を押さえ、損しない制度活用を目指しましょう。
障害年金における人工股関節の評価と2級認定の可能性
障害年金における人工股関節の位置づけ
人工股関節を挿入している場合、障害年金制度では「人工関節を挿入した日が障害認定日」とされ、原則3級に該当します(厚生年金加入者が対象)。
しかし、両足とも人工関節で、かつ生活に大きな支障がある場合、2級に該当する可能性も十分にあります。
障害年金の等級と運動機能障害の基準
- 3級: 両下肢の一部に障害があり、労働に制限がある
- 2級: 日常生活に著しい制限があり、常時の支援・配慮が必要
2級に該当するためには、両下肢の主要な関節に高度の機能障害があり、自力歩行や移動に著しい支障があることが求められます。
両足人工股関節で2級が認定される条件とは?
以下のような状況に該当すれば、2級認定が検討される可能性があります:
- 両足とも人工関節で、かつ自力歩行が困難(杖・歩行器等が常時必要)
- 屋外移動に車いすを使用
- 長時間の歩行や立位保持ができない
- 階段昇降ができず、介助が必要
- 自宅でも段差がつらく、生活範囲が著しく制限されている
事例:両足人工股関節+生活制限で2級を受給できたCさん
Cさん(60代・女性)は、変形性股関節症により両足とも人工関節を挿入。
手術後も股関節の可動域制限、痛みにより、買い物や通院時は車いすを使用。
診断書には「階段昇降困難」「屋外移動は介助が必要」「1km以上の歩行困難」と明記され、生活状況申立書には「室内でも杖が必要」「掃除や洗濯に支障」など具体的な困難さを記載。
結果、障害厚生年金2級が認定されました。
障害年金2級を目指すための実践ポイント8選
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1. 診断書に「両側人工関節」の記載があるか確認
理由: 両側か片側かで等級の判断が大きく変わるため。
方法: 診断書の「障害の内容」欄に明記してもらう。
効果: 医学的な評価の精度が上がり、2級の可能性が出る。 -
2. 移動手段の困難さを具体的に記載する
理由: 自立歩行が困難であることを伝えるのが2級のカギ。
方法: 「屋外は車いす使用」「自宅でも杖がないと転倒リスク」など。
効果: 実際の生活制限が正確に審査に伝わる。 -
3. 階段昇降の可否を明確にする
理由: 屋内・屋外の移動能力を示す重要な指標だから。
方法: 「手すりがないと昇降不可」「1段ずつで3分以上かかる」など記録。
効果: 曖昧さを排除し、具体的に制限を示せる。 -
4. 「痛み・疲労」の継続性を伝える
理由: 関節機能だけでなく、慢性痛も評価対象になる。
方法: 「少し歩くと激痛」「午後は横になって休まないと耐えられない」など。
効果: 障害の重さをより多面的に示すことができる。 -
5. 医師に生活状況を丁寧に伝える
理由: 医師が実態を把握していないと、軽く書かれてしまう恐れあり。
方法: 「買い物・調理・掃除は家族が対応」などを記録して渡す。
効果: 診断書と実態の一致性が高まり、信頼性が増す。 -
6. 生活状況申立書を活用する
理由: 診断書で書ききれない部分を補足できる。
方法: 「外出は月2回程度」「自室での生活が中心」など具体的に記述。
効果: 生活への影響がよりリアルに審査官に伝わる。 -
7. 就労状況にも注意する
理由: フルタイム勤務などは軽症と見なされる可能性あり。
方法: 就労している場合は、仕事内容・勤務日数・配慮内容も記載。
効果: 無理して働いている実態を明確にできる。 -
8. 社労士に診断書の内容を確認してもらう
理由: 書類の不備や表現のズレで不支給になるリスクがある。
方法: 専門の社労士に無料相談し、記載内容を事前チェック。
効果: 受給の可能性が高まり、安心して申請できる。
よくある質問に答えます【Q&A】
Q. 両足人工股関節なら必ず2級になりますか?
A. 必ずではありません。両側でも「支障が軽度」「自立歩行可能」などの場合は3級とされることも多いです。生活の実態を正しく伝えることが重要です。
Q. 診断書にはどこまで詳しく書いてもらえばいい?
A. 可動域、筋力、歩行状況、生活制限などを具体的に記載してもらうことが望ましいです。医師に事前に実情をメモで渡すのが効果的です。
Q. 日常生活が不自由でも杖があれば歩ける場合は2級は難しい?
A. 状況によりますが、「杖使用=自立している」と見なされる場合もあります。ただし「常時の使用」「短距離のみ」などの補足があれば2級の可能性はあります。
Q. 申請は自分でやるのと社労士に頼むのとで違いがある?
A. 書類作成や診断書の内容確認など、専門家が関わることで成功率が大きく上がると言われています。不安な方は一度相談してみるのがおすすめです。
まとめ:両足人工股関節でも障害年金2級は可能です
「人工股関節=3級」と思われがちですが、両足に人工股関節を挿入していて、日常生活に著しい支障がある場合、障害年金2級が認定される可能性は十分あります。
大切なのは、「医療上の手術内容」だけでなく、「実際の生活制限・支援の必要性」をしっかり伝えることです。
診断書・申立書の記載内容を整え、実態と矛盾のない資料を揃えることが、成功のカギを握ります。
まずは、自分の生活状況を冷静に振り返り、必要なら社労士に相談しながら、安心の申請準備を進めていきましょう。