【通る申請書はここが違う!】病歴・就労状況等申立書の正しい書き方と記入例
「病歴・就労状況等申立書って何を書けばいいの?」
「時系列で整理できない…通院歴も曖昧でどうしよう」
「誤った記載で障害年金が不支給になったら…と不安」
障害年金申請で必ず必要になる「病歴・就労状況等申立書」。しかし、多くの方が「どう書いていいか分からない」と手が止まってしまいます。
なぜなら、この書類は“自由記述”の形式で、申請者自身の言葉で「どんな症状でどんな生活・就労状況か」を説明しなければならないためです。提出書類の中でも特に審査結果に影響しやすいにも関わらず、記入マニュアルが存在せず、多くの人が手探りで記載してしまいがちです。
この記事では、病歴・就労状況等申立書を通りやすく書くためのポイントと具体的な記入例をご紹介します。読み進めることで、次のような不安が解消されます:
- 申立書の構成・記載方法が明確に理解できる
- 実際の記入例を参考に、自分のケースに応用できる
- 記載内容で気をつける「落とし穴」を避けられる
「ちゃんと書けているか不安…」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
病歴・就労状況等申立書とは?—制度と記載の基本構造
この書類が必要な理由
病歴・就労状況等申立書は、診断書だけでは分からない「本人の生活状況や就労状態」を伝える重要な補足資料です。日常生活への支障、発症から現在に至るまでの経緯、社会的適応の困難さを時系列で伝える役割があります。
書類の構成
大まかに次のような構成で記載します:
- 発病の時期と症状の変化
- 通院歴・入院歴
- 就労状況(働いていたか/働けなかったか)
- 日常生活の困難さ(食事・入浴・外出・人間関係など)
記載で注意すべきポイント
- 1. 客観的な事実を時系列で:年月を明確にし、曖昧な表現を避けましょう。
- 2. 診断書と矛盾がないように:医師の所見と食い違わない内容を心がけて。
- 3. ポジティブな表現を避ける:「できる」と書くと「支障なし」と判断されることも。
- 4. 他人に説明するつもりで丁寧に:審査官はあなたの状況を知りません。
知られざる裏話
実は、審査官がまず目を通すのがこの申立書だと言われています。ここで支障の深刻さが伝わらないと、診断書の内容すら十分に評価されないことがあるのです。だからこそ、記載内容の「具体性」が重要になります。
実際の書き方・記入例(うつ病で申請する場合)
前提条件
申請者:40代女性
診断名:うつ病
発病:2018年頃
就労歴:パート→退職→療養中
記入例:病歴・就労状況等申立書
【2018年頃】 勤務先でのパワハラにより、不眠や不安感が強くなり、内科を受診。はっきりとした診断は出ず、軽い安定剤のみ処方されていました。この頃から家事にも支障が出始め、日常生活が困難に。 【2019年5月】 心療内科を初受診。うつ病と診断。仕事を続けていたが、集中力低下・疲労感が強く、欠勤が増えました。上司の理解も得られず、9月に退職。その後は療養に専念。 【2020年~2021年】 日中も寝ていることが多く、食事も1日1回ほど。買い物や洗濯も1人でできず、家族の支援が必要な状態。通院と服薬を継続。復職を目指すが失敗。 【2022年~現在】 体調に波があり、週1回の通院を継続中。外出は通院のみ。家族以外と会話する機会はほとんどなく、就労も困難な状況。食事・入浴・金銭管理も介助が必要。
この記載のポイント
- 時系列が明確で、年月日が整理されている
- 症状や生活への支障を「具体的」に記載
- 「できないこと・支援が必要なこと」を中心に記載
- 回復と悪化の波を説明し、継続的な困難さを表現
アレンジのヒント
発達障害、統合失調症、脳梗塞後遺症など、障害の種類によって生活上の困難さは異なります。記載内容はその障害特性に合わせて具体的に調整してください。たとえば「パニック発作が外出を困難にしている」「人混みにいると頭が真っ白になる」なども有効です。
よくある疑問に答えます(Q&A)
Q. 昔の通院歴や症状を思い出せません…どうしたら?
A. 無理に正確に書く必要はありません。可能な範囲で「頃」や「おおよその年」でOKです。通院先にカルテの開示請求をするのも一つの方法です。
Q. 働いていた時期もあるけど、不利になりますか?
A. 働いていた事実自体は問題ありません。「どれほど無理をしていたか」「どんな困難があったか」をしっかり記載することが大切です。
Q. 医師の診断書と違うことを書いても大丈夫?
A. 基本的には診断書と矛盾しない内容にするのが望ましいです。誤差がある場合は、医師に相談し、認識をすり合わせることをおすすめします。
Q. 書くことが多くて1枚に収まりません…
A. 用紙が足りない場合は、別紙を追加しても構いません。その際は「別紙参照」と明記して、時系列がわかるように整理しておきましょう。
まとめ:申立書は“あなたの声”を伝える最大のチャンス
病歴・就労状況等申立書は、診断書では伝えきれない“あなたの生活のリアル”を審査官に伝えるための大切な書類です。書き方を間違えると、実際の困難さが伝わらず、不支給になってしまうリスクもあります。
この記事では以下のポイントをお伝えしました:
- 記載は時系列で、具体的に
- 診断書と内容が矛盾しないように
- 「できること」よりも「できないこと」を中心に
「何を書けばいいか分からない」と悩む必要はありません。今回の記入例を参考に、あなた自身の状況に置き換えて書いてみてください。難しい場合は、社労士などの専門家に一度見てもらうのもおすすめです。
あなたの“声”が、適切な支援につながる第一歩となることを願っています。