病歴・就労状況等申立書の正しい書き方と見本例|障害年金の認定率を上げるポイント
「病歴・就労状況等申立書って何を書くの?」「記憶が曖昧な時期があるけど大丈夫?」「見本がほしい…」
障害年金の申請において、病歴・就労状況等申立書(通称:申立書)は、審査に大きな影響を与える非常に重要な書類です。しかし「自由記述式」のため、何をどのように書けばよいか分からず、不安に思う方が非常に多くいます。
本記事では大阪難波にある社会保険労務士事務所が、病歴・就労状況等申立書の正しい書き方・実際の見本例・注意点を、障害年金の審査視点で丁寧に解説します。
病歴・就労状況等申立書とは?審査に与える影響とは
申立書は「もう一つの診断書」
診断書が医師による専門的な見解であるのに対し、申立書はご本人の生活実態や症状の経過を伝えるための書類です。申請者本人の言葉で書かれることで、審査側にとって障害の具体像を理解しやすくなります。
「空欄が多い」「具体性がない」はNG
形式だけ記入されていて、内容が薄かったり抽象的すぎる申立書では、診断書との整合性も取れず、障害の程度を正しく伝えられないまま不支給となる可能性もあります。
病歴・就労状況等申立書の書き方|5つの基本ポイント
- 時系列でまとめる
いつ、どの医療機関を受診したか。症状の変化や就労の有無などを時系列で整理しましょう。診断書との整合性が重要です。 - 「症状+日常生活への影響」を書く
単に「うつ状態だった」ではなく、「不安で外出できず、家事も手につかない状態だった」など、生活への影響まで具体的に書きましょう。 - 就労状況や支援の有無も記載
「在職中だったが週3日出勤、支援員の付き添いあり」など、働けていたかどうかではなく、どんな状態で働いていたかが大切です。 - 入院・通院・服薬状況も明記
月の通院回数、入院期間、薬の種類・量などは障害状態の根拠になります。診療記録と一致させると信頼性が増します。 - 空白期間の理由を書く
通院や就労がない期間がある場合は「経済的事情」「症状が安定していたため通院中止」など、空白の理由を明記することが重要です。
病歴・就労状況等申立書の記載見本(うつ病の例)
【令和2年4月~令和3年2月】 仕事のストレスが続き、眠れない・食欲がない状態が悪化。〇〇メンタルクリニックを初診。「うつ病」と診断される。 出勤は継続していたが、集中力低下や人との接触への恐怖心が強く、週2~3回は早退。会話が困難になり、上司の勧めで休職。 【令和3年3月~令和4年6月】 休職中。ほとんど外出できず、1日の大半を横になって過ごす。食事・洗濯は家族がサポート。入浴は週に1~2回程度。自殺願望が強まり、計2回の自殺未遂あり。抗うつ薬・睡眠薬を継続処方。 【令和4年7月~令和5年3月】 復職を試みたが1週間で断念し、退職。以降は無職。通院は月2回で継続中。日常生活においても、スーパーに1人で行くのが困難で、常に家族の付き添いが必要。
このように、「症状の程度」「生活への影響」「支援の有無」を具体的に書くことで、審査官にも実情が伝わりやすくなります。
病歴申立書で避けたいNG記載3パターン
- 「つらかった」「しんどかった」など抽象的表現だけ
感情的な表現だけでは客観性に欠け、審査では評価されにくくなります。「○○ができなかった」「△△が必要だった」など事実に基づいた記述が重要です。 - 診断書との内容の矛盾
申立書では「働いていない」と書いたのに診断書では「就労中」など、書類間で矛盾があると信用性が損なわれます。主治医とも記載内容をすり合わせておきましょう。 - 通院・就労の記録が不正確
「〇年頃」などの曖昧な表現ではなく、できる限り正確な年月を記入しましょう。診察券や薬の説明書、雇用契約書なども参考にして記憶を補完しましょう。
まとめ:病歴・就労状況等申立書は「生活の実態を伝える」最重要書類
病歴・就労状況等申立書は、障害年金の申請成功を左右する大切な書類です。記載内容の具体性・整合性が高ければ、審査官に実態が伝わりやすく、受給の可能性も大きく高まります。
- 診断書との整合性を意識して、時系列で記載
- 症状だけでなく、生活への支障や支援の実態も記載
- 不安な場合は、専門家(社労士)への相談も検討
自分の言葉で、自分の生活を正しく伝える。それが病歴・就労状況等申立書の本質です。焦らず、丁寧に書き上げて、あなたの想いを審査に届けましょう。