フルタイムで働けないのは甘え?病気が原因で働けない人が知っておくべき制度と支援
「体調が不安定でフルタイムでは働けない…」「週5日勤務ができない自分は甘えているのかも」——そう自分を責めていませんか?
病気や障害を抱えている方の中には、「働きたいのに働けない」葛藤を日々感じている方が大勢います。そして、フルタイムで働けないのは“甘え”ではなく、医学的・制度的にもきちんと認められた状態です。
この記事では、病気が原因でフルタイム勤務が難しい人に向けて、よくある悩み・使える制度・実際の働き方の選択肢をわかりやすく解説します。
フルタイムで働けないのは“あなたのせい”じゃない
■ よくある症状や理由
- うつ病・双極性障害・不安障害による疲労や集中困難
- 発達障害によるストレス耐性や対人関係の問題
- 身体疾患(リウマチ、心疾患、がん後遺症など)による体力制限
- 通院や服薬による勤務制限
これらは医療機関で正式に診断される症状であり、本人の意志や努力だけで乗り越えられるものではありません。
■ 自責感が強い人ほど無理をしがち
「周囲に迷惑をかけたくない」「フルタイムで働くのが社会人の義務だ」と思い込んでしまうと、体調が悪化して長期離脱に至るケースも。無理せず働ける環境を整えることが、長く働き続けるコツです。
フルタイムで働けない人が知っておきたい支援制度
フルタイム勤務が難しい方のために、国や自治体、職場にはさまざまな支援制度が用意されています。
- 障害年金
日常生活や就労に制限がある方は、うつ病や発達障害、身体疾患などでも申請可能。2級であれば月額約7万円〜+報酬比例部分が支給されることも。
- 就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)
働く準備を整える福祉的就労の制度。体調に合わせた時間・内容で無理なく働ける。
障害者手帳や医師の意見書があれば利用可能。
- 短時間勤務制度(合理的配慮)
障害者雇用枠や配慮付き雇用では、週20時間未満の勤務も可。通院やリハビリに合わせて働ける環境を整えてもらえる。
- 生活保護
働くことがどうしても困難で、収入がない・家族の支援も難しい場合の最終的な支援制度。
- 自立支援医療制度
精神科・心療内科の通院費が1割負担になる制度。就労前後で医療費が増える人には必須。
フルタイムじゃなくても働き続けられる!実際の働き方の例
■ ケース①:週3日の事務補助からスタート
30代女性(うつ病)は、以前フルタイム勤務が原因で体調悪化。障害者雇用で週3日・1日4時間の勤務から復帰。最初は週1日からのスタートだったが、徐々に勤務日数を増やせるように。
■ ケース②:在宅ワークで通勤ストレスを回避
発達障害のある20代男性。人間関係のストレスから外勤が難しく、在宅業務でウェブ制作を開始。就労支援事業所経由でスキルを学び、在宅就労継続支援B型を経て、現在は個人事業主に。
■ ケース③:短時間アルバイトと障害年金の併用
統合失調症のある40代男性。日常生活には支援が必要だが、週2日の清掃バイトを継続中。障害基礎年金2級とあわせて月12万円程度の収入を確保している。
よくある質問に答えます
Q. 「フルタイムで働けない」は就職に不利?
A. 障害者雇用や合理的配慮を理解している企業では、「勤務時間の調整」はよくある話です。無理にフルタイムを目指すより、安定して働ける環境を探す方が定着率も高いです。
Q. 支援制度は手帳がないと使えない?
A. 多くの制度は手帳がなくても、医師の意見書があれば利用できます。特に障害年金や就労移行支援では「診断書ベース」の判定が基本です。
Q. 体調が不安定で面接に行けないときは?
A. ハローワークや支援事業所に相談すると、「配慮ありの求人」や「オンライン面接」「事前見学OKの職場」などを紹介してもらえることがあります。
まとめ:あなたに合った働き方を諦めないで
「フルタイムで働けない=社会に出られない」ではありません。
病気や障害によって制限があるのは当然のこと。今のあなたに合った働き方を見つけることが、長く安定して生きていくための第一歩です。
支援制度や相談窓口を上手に使いながら、「働ける形」を一緒に探していきましょう。
あなたが無理なく働ける環境は、きっとあります。