「障害年金の法定免除をしないとどうなる?」知らないと損する年金の落とし穴
障害年金を受給している方の中には、「法定免除って申請しないとどうなるの?」「あえてしない方が得なの?」と悩んでいる方も少なくありません。
法定免除を「しない」とどうなる?よくある誤解と背景事情
以下のような不安を抱えていませんか?
- 「障害年金をもらってるけど、国民年金の免除って必要なの?」
- 「将来の老齢年金に影響が出そうで、免除したくない…」
- 「法定免除の案内が来たけど、無視しても問題ない?」
こうした悩みは、制度の複雑さや誤解から生まれています。実は「法定免除をあえてしない」ことで将来的に不利益を被るケースもあります。
この記事では、「法定免除制度とは何か」「免除しない場合の影響」「正しい判断基準」について分かりやすく解説します。
法定免除とは?制度の基本と誤解されやすい点
「法定免除」とは、障害年金(1級または2級)を受けている人が、国民年金保険料の納付を法律上免除される制度のことです。申請すれば、毎年自動で承認されます。
■ 誰が対象?
原則として、障害基礎年金1級・2級の受給者が対象になります。障害厚生年金だけ受けている人は対象外なので注意が必要です。
■ よくある誤解:「免除=損する?」
免除すると老齢年金(65歳以降にもらえる年金)が減るのでは?と思う方が多いですが、法定免除期間は「1/2」が老齢年金の受給資格期間としてカウントされます。
たしかに全額納付と比べると年金額は減りますが、未納とはまったく違い、「無保険」にはなりません。
■ 法定免除しないことの意味
「免除しない」ということは、保険料の納付義務が発生し続けているということです。つまり、納めない=未納扱いになります。
未納が続くと、以下のようなリスクが生じます:
- 将来の老齢年金の受給資格を失う可能性
- 寡婦年金や遺族年金の受給にも悪影響
- 障害等級の見直しで将来の障害年金が打ち切られた場合、無年金になるリスク
法定免除をしない選択が向いているケースは?
ただし、すべての人に「免除すべき」とは言い切れません。以下のようなケースでは、あえて免除を申請せず、納付を続ける選択肢もあります。
- 障害年金を受けつつ、働いて一定の収入がある
- 老後の年金額を少しでも増やしたい
- 将来的に障害等級が下がる可能性が高く、受給停止リスクを見越している
このような方は、「任意加入」や「追納」も検討しながら、保険料を納め続けるという判断も選択肢として現実的です。
判断に迷ったときの4つのチェックポイント
- 今の等級が1級or2級か確認
→3級以下だと法定免除対象外です。 - 老後の年金額にどれだけ期待しているか
→将来の生活設計次第で納付継続の価値は変わります。 - 収入の有無と納付可能性
→収入があれば「免除せず納める」のも現実的。 - 等級変更のリスク
→支給停止の可能性があるなら、年金加入実績を確保しておくのが安心。
よくある質問とその答え
Q. 法定免除を申請しないと、年金事務所に怒られる?
A. いいえ、申請は義務ではありません。ただし、申請しない限り「納付義務あり」のままなので、未納が続くと注意喚起の通知が届くことはあります。
Q. 一度免除しても、途中から納付に切り替えられる?
A. はい、可能です。翌年の年度更新時や、途中でも「免除辞退届」を出すことで切り替えができます。将来の年金額を増やすために途中から納付にする方もいます。
Q. 未納になった分は後から払える?
A. 原則として2年以内なら追納が可能です。追納すれば未納期間が解消され、老齢年金への影響も軽減されます。
まとめ:あなたにとって最適な選択を
障害年金を受給している方にとって、法定免除は「当然に使うもの」と思われがちですが、実は「しない」という選択肢もあり得ます。
大事なのは、自分の収入や将来設計、障害の状態に合わせて判断することです。
迷ったときは、年金事務所や社労士に相談し、自分にとって最も納得のいく形を選びましょう。放置や未納が一番リスクを高めるので、積極的に情報を集めて行動することが将来の安心につながります。