【これで安心】病歴・就労状況等申立書と日常生活状況の正しい書き方と通るコツ
病歴・就労状況等申立書、どう書けばいいか悩んでいませんか?
「病歴ってどこから書けばいい?」「就労状況を正直に書いたら不利になる?」「日常生活状況って、どう書けば伝わるの?」
障害年金の申請に必要な「病歴・就労状況等申立書」は、多くの方が“つまずく書類”のひとつです。
特に、精神障害など症状が見えにくい場合、「自分の状態をどう表現すればいいかわからない」という不安の声が多く聞かれます。
そのうえ、内容次第では診断書との整合性が取れず、不支給や等級落ちにつながる可能性もあるため、非常に重要な書類だと言えるでしょう。
この記事では、障害年金の受給に欠かせない「病歴・就労状況等申立書」と「日常生活状況」の正しい書き方について、構成の考え方、注意点、審査官が見ているポイントを実例とともに詳しく解説します。
不安を安心に変え、通る申立書を目指しましょう。
病歴・就労状況等申立書とは?まずは仕組みを理解しよう
病歴・就労状況等申立書とは?
障害年金の審査では、診断書だけでは伝えきれない「症状の経過」「生活への影響」「就労状況」を補うために、この申立書の提出が必要です。
提出しないと審査が行われないこともある、非常に重要な書類です。
構成は3つのパートでできている
- ①病歴: 発症〜現在までの経過を時系列で記載
- ②就労状況: 働けているか・どのような配慮があるか
- ③日常生活の状況: 食事・入浴・通院・対人関係などの支障
診断書との「整合性」がとても重要
診断書に「日常生活に著しい制限あり」と記載されていても、申立書で「普通に生活できている」ように見える内容だと、矛盾が生じて不支給の原因になります。
そのため、“正しく書く”だけでなく“診断書と揃える”ことが大切です。
Aさんのケース:整合性がカギを握った事例
うつ病で申請したAさんは、診断書で「家事や外出に支障あり」と記載されていましたが、申立書には「週5日自炊」「一人暮らしでも問題ない」と記載してしまいました。
結果、症状が軽いと判断され、3級不支給に…。
その後、社労士に相談し、「実際は体調に波があり、できる日は限られている」ことを再申請で補足した結果、2級で受給が認められました。
病歴・就労・日常生活の書き方ポイント8選
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1. 病歴は“きっかけ”から丁寧に書く
理由: 発症原因や初期症状がわかることで、障害の深刻さが伝わる。
方法: 「〇年〇月頃、職場のプレッシャーにより不眠が始まる」など。
効果: 読み手に状況が具体的に伝わりやすくなります。 -
2. 通院・入院歴は正確に記録
理由: 一貫性のある経過記録は信頼性を高める。
方法: 医療機関名・診断名・期間を時系列で記載。
効果: 疾患の継続性や重症度が客観的に把握されます。 -
3. 就労状況は「働けている理由」まで記載
理由: 「働けている=軽症」と誤解されないため。
方法: 「短時間勤務」「配慮あり」「体調に波があるため週3勤務」など具体的に。
効果: 配慮があっても就労継続が難しい実情が伝わります。 -
4. 日常生活の“困りごと”を細かく描写
理由: 診断書で伝えきれない生活の支障を補足する。
方法: 「朝起きられない」「着替えに1時間かかる」「風呂に入れない日が週に数回」など。
効果: 支援の必要性が明確になります。 -
5. “良い日”だけでなく“悪い日”の様子も書く
理由: 症状に波がある疾患では、悪化時の様子が重要。
方法: 「悪化時は外出できず、食事も取れない」「数日間寝込むことがある」など。
効果: 通院時に調子が良く見えるだけでは伝わらない実態を補完できます。 -
6. 医師の診断内容と“矛盾がないよう”に整える
理由: 記載が食い違うと信頼性が落ちるため。
方法: 主治医と事前に内容を共有し、「どのように生活しているか」を伝える。
効果: 一貫性があり、説得力のある申請書が完成します。 -
7. 他人の支援が必要な場面を具体的に書く
理由: 自立度を客観的に判断する重要ポイント。
方法: 「母親に通院同行してもらう」「役所の手続きが一人でできない」など。
効果: “ひとりで生活できる”という誤解を防げます。 -
8. 主観だけでなく「第三者の証言」も取り入れる
理由: 客観性があると信ぴょう性が増す。
方法: 訪問看護師の所見、家族の話、支援者の意見を引用。
効果: 読み手に説得力のある訴えができます。
よくある質問に答えます【Q&A】
Q. 働いていると障害年金の審査は通らない?
A. 一概にそうとは限りません。短時間就労や配慮付き就労で、就労継続に困難がある場合は対象になります。働けている理由や支障をきちんと説明することが重要です。
Q. 病歴を思い出せないときはどうしたらいい?
A. 通院歴や診療明細、薬の処方履歴を確認することで思い出しやすくなります。家族の記録やカレンダー、SNSの投稿履歴なども活用すると有効です。
Q. 書くのが苦手でも大丈夫?
A. 書き方に迷う場合は、社会保険労務士などの専門家に相談するのがおすすめです。申立書の構成や表現方法のサポートを受けることで、書類の精度が大きく向上します。
Q. 多少良く書いた方が有利?
A. 逆効果です。良く見せるために軽症と思われる内容になると、等級が下がったり不支給になる恐れがあります。“実態を正しく伝える”ことが何より重要です。
まとめ:伝え方ひとつで結果は変わる
「病歴・就労状況等申立書」と「日常生活状況」の書き方は、障害年金の審査結果を左右する重要な要素です。
この記事では、記載内容のポイント、避けるべき表現、構成の考え方を具体的に紹介しました。
大切なのは「きれいにまとめる」ことではなく、「実態を正しく・具体的に・一貫して伝える」こと。
まずは自分の生活を振り返り、紙に書き出すところから始めてみましょう。あなたの声がきちんと届くよう、丁寧に準備を進めていきましょう。