深夜手当の計算ツール完全ガイド|月給・時給・日給別の計算式と早見表を社労士が解説【2026年最新】

こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人代表、特定社会保険労務士の渡辺俊一(わたなべとしかず)です。

「深夜手当って、月給制の場合はどう計算するの?」「時給1,200円で深夜に20時間働いたらいくら?」「時間外労働と深夜が重なったときの計算ツールが欲しい」——人事担当者の方からこうしたご相談、毎月のように寄せられます。

深夜手当の計算は「1時間当たりの賃金」を出す段階で間違えやすく、さらに時間外労働や休日労働と重なると割増率が複雑に絡み合うため、ミスが起きやすいテーマです。一つの計算ミスが何百人分の給与に影響することもあり、未払い残業代として遡及請求されると数百万円〜数千万円規模の負担になることも珍しくありません。

本記事では、HR BrEdge社会保険労務士法人が顧問先500社・実績970社以上の給与計算サポートで蓄積した実務知見をもとに、深夜手当の割増率早見表、月給・時給・日給・年俸別の計算式、エクセルで作る簡易計算ツール、年収別シミュレーション、時間外・休日との重複計算、よくある落とし穴まで、2026年最新の視点で社労士がわかりやすく解説します。

「自社で正確に計算できるようにしたい」「外注の給与計算ソフトの結果をチェックできるようになりたい」という方、ぜひ最後までお読みください。

深夜手当 計算ツールの前に|まず押さえる基本ルール(割増率・対象時間)

計算ツールを使うにせよ、エクセルで自作するにせよ、まずは労働基準法第37条が定める割増率の基本ルールを押さえることが先決です。割増率を知らずにツールを使うと、出てきた数値が正しいかどうか判断できません。

深夜・時間外・休日労働の割増率早見表(労基法第37条 25%・35%・50%・60%・75%)

深夜手当とは?労働基準法第37条が定めるルール

深夜手当とは、労働基準法第37条第4項に基づき、午後10時から午前5時までの間(厚生労働大臣の指定地域・期間は午後11時〜午前6時)に労働させた場合に、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金を支払う義務のことです。

深夜手当には「最低25%以上」という法定下限があるだけで、上限はありません。会社が独自に30%・50%といった率を設定するのは自由ですし、就業規則・賃金規程にそう書いてあるなら、それが優先されます。「うちは25%でやっているけれど、就業規則を確認してみたら30%だった」というケースもよくあるので、社内ルールも併せて確認してください。

違反すると、労基法119条で6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰の対象になります。さらに未払い分の遡及請求は時効3年(民法改正による当面の措置)で、付加金が同額付くこともあります。

割増率の早見表(深夜・時間外・休日・60時間超)

割増率は、労働区分が単独か重複かで大きく変わります。早見表で押さえておきましょう。

深夜労働のみ:25%以上(22時〜翌5時)
時間外労働のみ:25%以上(1日8時間・週40時間超)
時間外+深夜:50%以上(22時超の残業)
法定休日労働:35%以上(週1日の法定休日)
法定休日+深夜:60%以上(法定休日の深夜勤務)
月60時間超+深夜:75%以上(中小企業も2023年4月から適用)

特に押さえておきたいのが2023年4月から中小企業も適用された「月60時間超50%」です。これに深夜が重なると75%まで跳ね上がります。「うちは中小企業だから関係ない」というのは、もう通用しません。

深夜手当 vs 夜勤手当の違い

「深夜手当 計算ツール」を探している方の中には、「夜勤手当」と「深夜手当」を混同しているケースがあります。両者は別物です。

深夜手当(深夜割増賃金):労働基準法37条で支払いが義務付けられた法定の手当。22時〜5時に働いたら必ず25%以上の割増が必要です。
夜勤手当:法律上の義務ではなく、企業が任意に設定する手当。看護師の夜勤、警備員のシフト勤務などで「夜勤1回につき5,000円」のように定額支給されることが多いです。

夜勤手当を支給していても、その金額が法定の深夜手当を下回るなら別途差額を支払う必要があります。「夜勤手当を払っているから深夜手当はいらない」は誤解なので注意してください。

1時間当たりの賃金の出し方|月給・時給・日給・年俸別の計算式

深夜手当を計算するには、まず「1時間当たりの賃金(基礎賃金)」を出す必要があります。給与形態によって計算式が4パターンに分かれるので、それぞれ確認していきましょう。

給与形態別 1時間当たりの賃金 計算式(月給・時給・日給・年俸)

月給制:月給 ÷ 月平均所定労働時間

月給制(正社員)の場合、計算式は「月給 ÷ 月平均所定労働時間」です。月平均所定労働時間は「(365日 − 年間休日数) ÷ 12ヶ月 × 1日の所定労働時間」で算出します。

例えば年間休日120日・1日8時間勤務なら、(365−120)÷12×8 ≒ 163.3時間。年間休日110日なら170時間、105日なら173.3時間といった具合です。多くの企業は170〜173時間の範囲に収まります。

計算例:月給30万円、月平均所定労働時間173時間の場合
30万円 ÷ 173時間 ≒ 1,734円/時間

時給制:時給がそのまま基礎賃金

時給制の場合はシンプル。設定されている時給がそのまま基礎賃金になります。時給1,200円のアルバイトなら、深夜手当の計算は1,200円×0.25×深夜時間数です。

日給制:日給 ÷ 1日の所定労働時間

建設業や運送業に多い日給制の場合、「日給 ÷ 1日の所定労働時間」で時給換算します。

計算例:日給10,000円、1日8時間勤務の場合
10,000円 ÷ 8時間 = 1,250円/時間

年俸制:年俸 ÷ 年間所定労働時間

年俸制の管理職や専門職の場合、「年俸 ÷ 年間所定労働時間」で換算します。年間所定労働時間は、月平均所定労働時間 × 12ヶ月 で算出します(173時間×12=2,076時間程度)。

計算例:年俸500万円、年間所定労働時間2,080時間の場合
500万円 ÷ 2,080時間 ≒ 2,404円/時間

注意点として、年俸額に賞与相当が含まれている場合は、賞与部分を除外して計算する必要があります。「年俸500万円のうち賞与相当が100万円」なら、計算ベースは400万円÷年間所定労働時間です。ここを誤ると基礎賃金が高めに計算され、未払い残業代の温床になります。

計算基礎に含める手当・除外する手当

1時間当たりの賃金を出すとき、すべての手当を含めて計算するわけではありません。労働基準法施行規則21条で、計算基礎から除外できる手当が限定列挙されています。

計算基礎に含める手当(例):
基本給/役職手当/職務手当/資格手当/皆勤手当/精勤手当/物価手当 など

計算基礎から除外できる手当:
家族手当/通勤手当/別居手当/子女教育手当/住宅手当/臨時に支払われる手当(結婚手当等)/1ヶ月超の期間ごとに支払う賃金(賞与等)

ただし、名称ではなく実態で判断される点には注意が必要です。「家族手当」と名付けていても、家族の有無に関係なく一律支給しているなら除外できません。同様に、「住宅手当」も住居形態に応じた変動がない一律手当だと除外不可です。

深夜手当 計算 ツールはこう使う|エクセル・アプリ・給与ソフトの活用

計算式が分かったら、いよいよ計算ツールの活用に進みましょう。エクセル・Webツール・給与計算ソフトのどれを使う場合でも、入力項目は基本的に共通です。

深夜手当 計算ツールの入力フロー(5ステップ:給与形態・基礎額・所定労働時間・労働時間・重複条件)

計算ツールに入力すべき5つのステップ

市販の計算ツールでも、自作のエクセルでも、必要な入力項目は次の5つに集約されます。

STEP1. 給与形態(月給/時給/日給/年俸)
STEP2. 計算基礎額(除外手当を控除した賃金)
STEP3. 月平均所定労働時間(170〜173時間が一般的)
STEP4. 深夜・時間外・法定休日の各労働時間(区分ごとに分けて入力)
STEP5. 60時間超の有無・重複条件(最大75%まで割増)

これらが揃っていないツールは、結果の精度が落ちます。特にSTEP5の「60時間超」を考慮できるかどうかは、中小企業にとって2023年4月以降の必須要件です。

エクセルで作れる簡易計算ツール

「深夜手当 計算 エクセル」と検索される方も多いのですが、シンプルなエクセルテンプレートなら30分程度で自作できます。基本構造は次の通りです。

セルA1:月給(または時給・日給・年俸)
セルA2:月平均所定労働時間
セルA3:1時間当たり賃金 = A1/A2
セルA4:深夜労働時間
セルA5:深夜手当 = A3 * 0.25 * A4
セルA6:時間外労働時間(深夜と重複しない部分)
セルA7:時間外手当 = A3 * 0.25 * A6
セルA8:時間外+深夜の重複時間
セルA9:重複部分の手当 = A3 * 0.5 * A8
セルA10:合計割増賃金 = A5 + A7 + A9

このシンプル版でも基本的なケースには対応できますが、60時間超や法定休日労働まで含めるとロジックが複雑化します。100名規模以上の企業では、エクセル管理から給与計算ソフトへの切り替えをおすすめします。

計算アプリ・Webサービスの選び方

「深夜手当 計算 アプリ」「深夜手当 計算ツール 月給」「深夜手当 計算ツール 時給」というキーワードで検索される方も多いです。Web上には数多くの無料計算ツールが公開されていますが、選ぶ基準は次の3点。

1. 月給・時給・日給・年俸すべてに対応しているか
2. 60時間超の時間外労働に対応しているか
3. 重複時の割増率(50%・60%・75%)を自動計算できるか

3つすべてを満たしているツールは意外と少ないです。無料ツールはあくまで概算チェック用と位置づけ、給与計算自体は専用ソフトで処理するのが現実的です。

給与計算ソフト・勤怠管理システムとの連携が一番安全

50名以上の企業なら、給与計算ソフト(マネーフォワード・freee・KING OF TIME・ジョブカン等)と勤怠管理システムを連携させて、自動計算するのが最も安全です。手計算・エクセル計算は、入力ミス・計算式の壊れ・属人化リスクが避けられません。

月60時間超の判定、深夜時間帯の自動切り出し、割増率の自動加算など、クラウド勤怠管理システムなら自動でやってくれます。社労士事務所からも、人数規模が増えてきたらまずシステム導入を提案するのが定石です。

深夜手当はいくら?年収・時給・パターン別シミュレーション

「深夜手当 いくら」「深夜時給 計算」「深夜給料 計算」「深夜料金 バイト 計算」といったキーワードに応えるため、具体的な金額を年収・時給・日給別にシミュレーションしました。「月20時間の深夜労働」を共通条件として、勤務形態ごとの追加支給額を見ていきましょう。

勤務形態別 深夜手当シミュレーション(月20時間・アルバイト時給・正社員月給・建設業日給・60時間超+深夜)

時給1,200円のアルバイト・パートの場合

時給1,200円のアルバイトが深夜時間帯に月20時間働いた場合、深夜手当は1,200円×0.25×20時間 = 6,000円。これが本来の時給に上乗せされる形になります。

「深夜料金 バイト 計算」と検索される学生・パート従業員の方は、シフトに22時〜5時を含む勤務がどのくらいあるかを確認すると、給与明細を読めるようになります。深夜手当が抜けている場合は、店長・本部に確認してみてください。

月給25万円・30万円・40万円の正社員の場合

月給制の正社員(月平均所定労働時間173時間)で月20時間の深夜労働があった場合のシミュレーションです。

月給25万円:1,447円 × 0.25 × 20時間 = 7,235円
月給30万円:1,734円 × 0.25 × 20時間 = 8,670円
月給40万円:2,312円 × 0.25 × 20時間 = 11,560円

月給が上がるほど深夜手当も比例して増えます。「給与計算で深夜分が反映されているか」、給与明細を月単位で確認するクセをつけておきましょう。

日給10,000円の建設業・運送業の場合

日給制の建設業・運送業で日給10,000円・1日8時間勤務の場合、1,250円 × 0.25 × 20時間 = 6,250円。日給制でも当然、深夜手当の支払い義務は発生します。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
私の顧問先で建設業の事業主さんからよく聞くのが、「うちは日給制だから深夜手当は払わなくていいと思ってた」という誤解。日給制でも、22時を超える勤務があれば必ず深夜手当の支払いが必要ですよ。日給÷1日所定労働時間で時給換算してから、25%を上乗せします。後で未払い残業代として請求されると一気に数百万円規模になるので、要注意です。

60時間超の時間外+深夜が重なる場合(75%)

月60時間超の時間外労働が深夜に及んだ場合、割増率は50%+25%=75%に跳ね上がります。月給30万円の人で月20時間が60時間超+深夜だった場合、1,734円×0.75×20=26,010円と、通常の深夜手当(8,670円)の3倍に相当します。

2023年4月から中小企業も対象になったので、人数規模に関係なく対応が必要です。長時間残業が常態化している部門は、特に注意して計算してください。

時間外労働・休日出勤と深夜が重なった場合の計算(残業手当との関係)

深夜労働が単独で発生するケースは少なく、実務では時間外労働や休日労働と重なることが多いです。重複した場合の割増率を整理しておきましょう。「残業手当 計算ツール」を探している方も、ここを押さえれば自社のツール出力をチェックできるようになります。

重複した労働時間の割増率パターン(通常残業+深夜50%/法定休日+深夜60%/60時間超+深夜75%)

残業22時超え(時間外+深夜=50%)

例:所定終業時刻18時の正社員が、20時間の残業をして翌日2時まで働いたケース。

18時〜22時(4時間):時間外労働25% → 1,734円×1.25×4 = 8,670円
22時〜2時(4時間):時間外+深夜の重複50% → 1,734円×1.5×4 = 10,404円
合計:19,074円(※基本給部分を含めた金額)

22時を境に割増率が25%→50%にジャンプする点を、給与計算ソフト・エクセルでも正しく反映できるようにしておきましょう。

法定休日労働+深夜(35%+25%=60%)

法定休日(週1日の休日)に出勤し、22時を超えて働いた場合、休日労働35%+深夜25%=60%以上の割増が必要になります。月給30万円なら1,734円×1.6×時間数で計算します。

月60時間超の時間外+深夜(75%)

月の時間外労働が60時間を超えた部分で深夜と重なる場合、50%+25%=75%。これが現状の最大割増率です。「60時間超の時間外労働が常態化している会社は、給与計算がほぼ確実にミスっている」と私はいつも言っています。手計算では追いきれないので、必ずシステム化してください。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
中小企業の方からよく言われるのが「うちはまだ60時間超適用じゃない」という誤解。これは2023年3月までの猶予が終わって、4月から全企業適用になっています。3年経った今でもこの誤解が残っているのは、社労士として本当に怖いです。給与計算ソフトの設定が古いままだと、毎月未払い残業代を発生させ続けることになります。一度設定を見直してくださいね。

三重重複(休日+時間外+深夜)の整理

「法定休日に時間外労働も深夜労働も発生したら、35%+25%+25%=85%?」と考えがちですが、これは誤りです。法定休日労働には時間外労働の概念がないため、法定休日労働+深夜の60%が上限です。

ただし、所定休日(法定休日以外の会社の休日)での労働は時間外労働に該当するため、所定休日+深夜+月60時間超なら75%が必要になることも。法定休日と所定休日の区分が曖昧な企業は、就業規則で明確に定めておきましょう。

深夜手当計算の落とし穴|18歳未満・管理監督者・固定残業代・端数処理

計算式が正しくても、個別の労働者の属性や制度設計によって例外が発生します。実務でよくある落とし穴を4つ整理します。

18歳未満の深夜労働は原則禁止

満18歳に満たない者の深夜労働(22時〜5時)は、労働基準法第61条で原則禁止されています。例外は、交代制勤務の16歳以上の男性、農林・水産・畜産・養蚕業、保健衛生業、電話交換業務など限定的です。

違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金。学生アルバイトを夜勤シフトに入れる場合、必ず年齢確認を徹底してください。

管理監督者にも深夜手当は支払う

労働基準法41条で「労働時間・休憩・休日」の規定が適用除外される管理監督者ですが、深夜手当は適用除外に含まれないため、22時〜5時の労働には25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

「管理職には残業代を払わなくていい」と思っている経営者がときどきいますが、管理監督者だからこそ深夜時間まで働きがちで、深夜手当の積み上げが大きくなりやすいのが実態です。役員や管理監督者の勤怠記録は、深夜時間の把握が必須になります。

固定残業代に深夜手当は含めていいか

固定残業代(みなし残業代)に深夜手当を含めることは可能ですが、「通常の労働時間の賃金部分」と「割増賃金部分」を就業規則・賃金規程で明確に区分し、想定する深夜時間数を明示する必要があります。

「固定残業代 月5万円・40時間相当(うち深夜10時間相当を含む)」のように具体的な内訳を示し、超過分は別途支払うという運用が必要です。曖昧な「みなし残業代」は判例でほぼ無効と判断されるので、就業規則の見直しを社労士に相談することをおすすめします。

端数処理(30分未満切り捨ては違法)

深夜労働時間の端数処理についても誤解が多いです。1日単位での「30分未満切り捨て」は違法(1日単位の切り捨ては労働基準法24条の全額払い原則違反)。

許容されるのは「1ヶ月の合計時間で30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる」処理のみです。1円未満の端数は、50銭未満切り捨て・50銭以上1円切り上げが慣行です。給与計算ソフトの設定を必ず確認してください。

宿直・当直の場合の取扱い

医療機関や介護施設、警備業の宿直・当直については、労働基準監督署の許可があれば通常の労働時間とは別の取扱いが認められます。ただし、許可があっても深夜手当は適用される点に注意。

また、宿直中であっても実労働(医療行為・呼び出し対応など)が発生した時間は、通常の労働時間として扱い、深夜分には割増を加算します。「宿直=労働時間ではない」と誤解して深夜手当を払っていない事業所は、未払いリスクが非常に高いです。

夜勤手当の計算方法と深夜手当の違い|混同しやすいポイントを整理

「夜勤手当 計算方法」というキーワードで検索される方も多いですが、深夜手当と夜勤手当は別物です。混同しやすい点を整理します。

夜勤手当の計算方法(企業任意の手当)

夜勤手当は法律上の規定がないため、企業ごとに就業規則・賃金規程で自由に設計できます。代表的な設計パターンは次の3つです。

1. 1回あたり定額:夜勤1回につき5,000円(看護師・警備員に多い)
2. 時間単価:夜勤時間×500円(コンビニ・工場等)
3. 月額固定:夜勤シフト月8回までは月3万円(運送業等)

深夜手当との関係(必ず深夜手当が優先)

夜勤手当を支給していても、その金額が法定の深夜手当を下回れば、差額を別途支払う必要があります。「夜勤手当を払っているから深夜手当は不要」は明確な違法です。

例えば時給1,500円の従業員が深夜8時間働いて、夜勤手当として2,000円だけ支給していた場合。法定深夜手当は1,500円×0.25×8時間 = 3,000円なので、差額1,000円を追加支給する義務があります。

就業規則・賃金規程で「夜勤手当には法定の深夜割増賃金を含む」と明記している場合は、その範囲内で相殺可能ですが、上記の差額が発生する場合は当然支払いが必要です。

深夜手当の計算ツールに関するよくある質問(FAQ)

最後に、現場でよく寄せられるご質問にお答えします。

Q. 深夜手当はいくらが目安ですか?最低額は?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 法定の最低額は「1時間当たり賃金 × 25%」です。例えば時給1,200円なら時給1,500円相当(25%増)が最低ライン。月給30万円・173時間勤務の正社員なら、深夜時給は1,734円×1.25=2,168円相当ですね。これより低い設計は違法です。会社が独自に30%・50%といった高い率を設定するのは自由ですよ。

Q. 深夜手当 計算ツール 月給での使い方を教えてください

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 月給制の場合、まず「月給÷月平均所定労働時間」で1時間当たり賃金を出します。年間休日数から月平均所定労働時間を計算するのがコツ(多くは170〜173時間)。次に、その時給に0.25を掛けて深夜時間数を掛けるだけ。除外手当(家族・通勤・住宅手当等)を月給から差し引くのを忘れずにしてくださいね。私の事務所では、エクセルで一度テンプレートを作って毎月使い回す顧問先が多いです。

Q. 深夜手当 計算 エクセルテンプレートはどう作ればいいですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. シンプルなテンプレートなら、本文H2-3でご紹介した10行程度の構成で十分です。1時間当たり賃金、深夜・時間外・休日の時間、重複時間を入力すれば、合計割増賃金が自動計算される作りにします。ただ、60時間超や端数処理まで自動化するとロジックが複雑になり、間違いが起きやすくなりますよ。20名以上の規模なら、私はクラウド勤怠システムへの移行をおすすめしています。

Q. 深夜手当 計算 アプリのおすすめは?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 個人で給与チェック用に使うなら、無料のWebアプリ・スマホアプリで十分です。ただし、無料ツールは「60時間超対応」「重複時の50%・60%・75%自動計算」に対応していないものが多いので、概算チェック用と割り切ってください。企業の給与計算用には、KING OF TIME・ジョブカン・マネーフォワード・freeeなどのクラウド勤怠+給与システムが本格的でおすすめです。

Q. 夜勤手当の計算方法と深夜手当の関係は?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 夜勤手当は企業が任意に設定する手当で、深夜手当(労基法37条の法定割増)とは別物です。夜勤手当を支給していても、法定の深夜手当を下回るなら差額を別途支払う必要があります。「夜勤手当を払っているから深夜手当は不要」というのは違法ですね。就業規則で「夜勤手当には深夜割増を含む」と明記し、差額が発生する場合は支払いを徹底しましょう。

正確な深夜手当計算で未払い残業代リスクを回避しよう

ここまで、深夜手当の割増率早見表、月給・時給・日給・年俸別の計算式、エクセル簡易ツール、年収別シミュレーション、時間外・休日との重複計算、計算の落とし穴、夜勤手当との違いまで一通り解説してきました。改めて押さえておきたいポイントは次の3つです。

1. 深夜手当は労基法37条の法定割増(25%以上)。22時〜5時の労働には例外なく必要。
2. 重複時の割増率は最大75%(月60時間超+深夜)。中小企業も2023年4月適用済み。
3. 計算ツールはあくまで補助。50名以上の企業は給与計算ソフト+勤怠管理システムが必須。

深夜手当の計算ミスは、毎月数百円〜数千円の見逃しが、数年後に何百万円の未払い残業代として遡及請求されるリスクをはらんでいます。一人当たりの差額は小さくても、対象人数×時効3年で計算すると、企業負担は急激に膨らみます。

HR BrEdge社会保険労務士法人では、顧問先500社・実績970社以上の給与計算サポートで蓄積したノウハウをもとに、深夜手当・残業手当の計算チェック、就業規則・賃金規程の整備、勤怠管理システムの導入支援まで一貫してお手伝いしています。

「自社の計算が正しいか不安」「給与計算ソフトの出力をチェックしてほしい」「未払い残業代リスクを早めに把握したい」というお悩みは、お気軽にご相談ください。全国対応・オンライン可。正確な計算と法令遵守を、専門家が一緒に整えていきましょう。

この記事の執筆者

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
渡辺 俊一
(わたなべ としかず)

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表
特定社会保険労務士/第1種衛生管理者

1977年兵庫県神戸市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。2005年社会保険労務士試験に合格し、2007年に渡辺社会保険労務士事務所を開設。2016年法人化し、2025年5月に「HR BrEdge社会保険労務士法人」へ社名変更。

顧問先500社超・実績970社以上を誇り、「会社の財産は人・人・人である」を信念に、従業員・お客様・社会の「三方良し」の経営支援を実践。給与計算・社会保険手続き・就業規則・助成金申請から、IPO・M&Aに向けた労務監査まで幅広く対応。

著書『頂点をめざす!~経営者のパートナーとして歩む社労士の物語~』はAmazon「社会保険労務士の資格・検定」部門で1位を獲得。

【所属】全国社会保険労務士連合会/大阪府社会保険労務士会/一般社団法人EO Osaka
【趣味】トライアスロン(アイアンマンレースに挑戦中)
【信条】人生は挑戦だ!まずやる!なんせやる!とことんやる!