こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人代表、特定社会保険労務士の渡辺俊一(わたなべとしかず)です。

「うつ病で休職中、給与はゼロなのに健康保険料・厚生年金保険料の納付書が月4万円届いた。とても払えない」「会社から立替の話が出ているが、復職後の給与から一括徴収されたら手取りがほぼ消える」——大阪・東京・福岡・名古屋を中心に、HR BrEdgeの顧問先500社の人事担当者からも、こうしたご相談を毎月のように受けています。社員ご本人からの直接相談も年々増えています。

結論からお伝えします。私傷病による休職中の社会保険料は、原則として免除されません。給与がゼロでも、会社に在籍している以上、健康保険・厚生年金・介護保険の保険料の支払義務は継続します。月額3万円〜5万円の負担が、家計を一気に圧迫する大きな問題です。

こんなお悩みを感じていませんか?

  • 「払えないが、どう対応すればいいか分からない(個人)」
  • 「会社に分割払いや立替を相談していいのか不安(個人)」
  • 「傷病手当金から直接保険料を引いてもらえないの?(個人)」
  • 「滞納したら年金や医療給付に影響あるのか怖い(個人)」
  • 「休職社員が増えており、徴収運用と就業規則の整備が急務(人事担当者)」

この記事では、休職中の社会保険料が免除されない4つの事実、産休/育休/介護休業/私傷病休職の4パターン比較、標準報酬月額からの計算、徴収方法3パターン、傷病手当金から直接控除できない理由、払えない時の3段階対応フロー、滞納するとどうなる5段階リスク連鎖、人事担当者の整備ポイントまで、個人と法人の両方の視点で網羅的に解説します。

休職中の社会保険料 早わかり|払えない時の3段階対応と滞納リスク

休職中の社会保険料は免除されない|まず知っておくべき4つの事実

はじめに、多くの方が誤解されている「休職中の社会保険料」の基本ルールを4点に整理します。これを知らずに放置すると、滞納→延滞金→差押えという最悪のシナリオに進む可能性があります。

事実①:給与ゼロでも支払義務は継続する

休職して給与がゼロまたは大幅減になっても、会社に在籍している以上、健康保険・厚生年金保険・介護保険の被保険者資格は継続します。被保険者である以上、保険料の支払義務もそのまま続きます。「給与から天引きできないから免除される」というのは大きな誤解です。

事実②:標準報酬月額ベースで金額は変わらない

社会保険料は「標準報酬月額」という基準額×保険料率で計算されます。休職中も標準報酬月額は変動しないため、保険料金額も変わりません。たとえば標準報酬月額30万円の方なら、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料(40歳以上)を合計して本人負担で月約4万円〜5万円が発生し続けます。

事実③:雇用保険料は不要、住民税は別途必要

雇用保険料は給与に対して計算されるため、給与ゼロなら雇用保険料も0円です。一方、住民税は前年所得をベースに翌年6月から課税されるため、休職中であっても支払い義務があります。会社が普通徴収に切替えるケースが一般的です。

事実④:介護保険料(40歳以上)も発生

40歳以上65歳未満の方は介護保険の第2号被保険者として、健康保険料に介護保険料が上乗せされて徴収されます。休職中も40歳以上であれば、介護保険料の支払いも継続です。

産休/育休/介護休業/私傷病休職|4休業パターンの社保料比較

「育休は免除されるのに、なぜ私傷病休職は免除されないの?」という疑問は非常に多いです。4つの休業パターンを比較すると、制度の建付けが明確になります。

産休・育休・介護休業・私傷病休職 4パターンの社会保険料の取扱い比較

産前産後休業|保険料免除(健康保険法159条)

産前6週間・産後8週間の産前産後休業中は、会社が「産前産後休業取得者申出書」を提出することで、健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分・会社負担分ともに免除されます。

育児休業|保険料免除(健康保険法159条の3)

子が3歳に達するまでの育児休業中も、「育児休業等取得者申出書」の提出で保険料が免除されます。免除期間は育休開始日の属する月から、育休終了日の翌日の属する月の前月までです。

介護休業|免除なし(給与ゼロでも支払い継続)

家族の介護のために取得する介護休業(最大93日)は、社会保険料の免除制度がありません。「介護休業給付金」(雇用保険から賃金の67%)は受け取れますが、保険料は別途支払う必要があります。これは見落としされがちな点です。

私傷病休職|免除なし(本記事の主軸ケース)

うつ病・がん・骨折など本人の傷病による休職は、健康保険法・厚生年金保険法上の免除制度がありません。傷病手当金(健康保険からの所得補償)は支給されますが、保険料は通常どおり徴収対象です。「払えない」と困る方が一番多いのがこのパターンです。

休職中の社会保険料の金額は?標準報酬月額からの計算

「実際にいくら払う必要があるのか」を、計算式と具体例で確認します。

標準報酬月額×保険料率の基本計算式

社会保険料は「標準報酬月額×保険料率÷2(本人負担分)」で計算されます。協会けんぽ・東京(2026年度料率を仮定)の場合、概ね次のとおりです。

標準報酬月額 本人負担(健保+厚年・40歳未満) 本人負担(健保+厚年+介護・40歳以上)
20万円 約2.8万円 約3.0万円
30万円 約4.2万円 約4.5万円
40万円 約5.7万円 約6.0万円

※保険料率は健康保険組合ごと・自治体ごとに異なります。正確な金額は給与明細または会社の経理担当者にご確認ください。なお、2026年(令和8年)4月以降は健康保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされています(詳しくは次項)。

【2026年4月〜】健康保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされる

2026年(令和8年)4月から、子ども・子育て支援金制度が始まりました。これは児童手当の拡充や育児休業給付の充実といった少子化対策の財源として、健康保険などの医療保険料に上乗せして徴収される新しい仕組みです。被用者保険(会社員)の場合、令和8年度の支援金率は全国一律で0.23%、健康保険料と同じく労使折半(会社と本人で半分ずつ負担)です。

なぜ休職中の話に関わるかというと、子ども・子育て支援金は健康保険料の一部として一体で徴収されるからです。私傷病休職や介護休業で健康保険料の支払いが続いている間は、この支援金分もあわせて負担し続けることになります。免除されるのは産前産後休業・育児休業のときだけ、という考え方は支援金についても同じです。

金額の目安としては、標準報酬月額30万円の方で本人負担はおよそ月345円程度(30万円×0.23%÷2)の上乗せです。金額そのものは大きくありませんが、「休職中なのに保険料が以前よりわずかに増えている」と気づいたら、この支援金が理由の一つと考えてよいでしょう。なお支援金率は令和9年度以降、段階的に引き上げが予定されています(出典:こども家庭庁)。

月額変更届は休職中の給与ゼロでは申請不可

「給与がゼロになったので、月額変更届で標準報酬月額を下げてほしい」というご相談がありますが、月額変更届(随時改定)の要件である「3か月連続で賃金支払基礎日数が17日以上」を満たさないため、休職中は申請できません。やむを得ず、復職後の給与減(降格等)で初めて改定が検討される形になります。

月額3万〜5万円の負担が典型例

HR BrEdgeの顧問先500社の事例で最も多いのが、標準報酬月額30万円前後の中堅社員のケースです。月額3〜5万円の社会保険料負担が休職中も継続するため、半年休職すれば累計18〜30万円に達します。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
「給与がゼロになったから、保険料も下がるはず」と思い込んで放置されている方が本当に多いんです。実際は標準報酬月額のままなので、月4万円超の請求が休職中も続きます。早く現実を知って、3段階対応のステップ1(会社相談)へ進んでくださいね。

徴収方法3パターン|会社の運用と本人の支払い方

休職中の社会保険料を実際にどう徴収するか。会社と本人の合意で3パターンから選択するのが一般的です。

休職中の社会保険料 徴収方法3パターン比較

パターン①:会社が立替→復職後の給与から精算

会社が本人負担分を一時的に立て替えて納付し、復職後の給与・賞与から精算する方法です。就業規則・休職規程に明記し、本人との書面合意(立替依頼書・返済合意書)を交わすのが安全な運用です。本人にとっては休職中の現金支出がなく、家計の安定に寄与します。会社にとっては未回収リスクを抱えるため、復職可能性を見極めたうえで判断する必要があります。

パターン②:本人が直接振込・銀行口座支払い

会社が毎月、本人に納付額を通知し、本人が指定口座に振込む方法です。傷病手当金(給与の約2/3)が支給されている場合は、この方法が現実的です。会社は給与天引きできない代わりに、本人の納付状況を経理で確認する負担が増えます。

パターン③:傷病手当金からの代理受領(令和5年1月以降は実務的に廃止傾向)

従来は、健康保険傷病手当金の支給申請書に「受取代理人」欄があり、会社が代理受領→保険料を控除→残額を本人に支給という運用が可能でした。しかし令和5年(2023年)1月の様式変更で「受取代理人」欄が削除され、この方法は実務的にほぼ廃止されています。現在は、本人が直接受け取った傷病手当金から会社へ振込むパターン②が主流です。

傷病手当金から直接保険料を引いてもらえない理由

「傷病手当金から自動的に保険料を引いてくれないの?」というご質問は非常に多いです。法的・実務的な理由を整理します。

健康保険法上「給与・賞与」からのみ控除可能

健康保険法・厚生年金保険法では、保険料の控除は「給与・賞与」からのみ認められています。傷病手当金は法的には「給付金」であり「給与」ではないため、傷病手当金から直接保険料を控除することは法律上できません。労使合意があっても法律違反になります。

令和5年1月 健康保険傷病手当金支給申請書の様式変更

令和5年1月から、健康保険傷病手当金の支給申請書から「受取代理人」欄が削除されました。これにより、会社が代理人として傷病手当金を受領するスキームは事実上廃止されました。協会けんぽ等の運用厳格化の流れです。

現実的な対応:傷病手当金の入金後、会社へ振込む

現在の標準的な運用は、傷病手当金を本人の口座に直接振り込んでもらい、そこから会社の指定口座に保険料相当額を振り込む方法です。会社・本人の合意のもと、毎月のスケジュールを決めて運用しましょう。

払えない時の3段階対応フロー|本人がやるべき手順

ここからが本記事の核心です。「現実的に払えない」場合の対応を、社労士視点の3段階で整理します。

休職中の社会保険料が払えない時の3段階対応フロー

ステップ1:会社の人事・総務に早めに相談

「払えない」と分かった時点で、会社の人事・総務担当者にすぐ相談してください。多くの会社では次のような選択肢を提示してくれます。

  • 立替制度:会社が本人負担分を立替え、復職後に分割で精算
  • 分割払い:月次払いを2か月分まとめて翌月など、本人の経済状況に応じた柔軟対応
  • 傷病手当金からの支払い:傷病手当金の入金後、会社振込でフローを確立

「払えない」と言わずに放置するのが一番危険です。一人で抱え込まず、人事・総務に早めに声をかけてください。

ステップ2:公的支援を活用

会社との交渉でも解決しきれない場合、市区町村の公的支援制度を活用できます。

  • 生活福祉資金貸付制度(社会福祉協議会):低所得・失業・要介護世帯向けの公的貸付。総合支援資金など
  • 住民税の減免・徴収猶予:自治体に申請。休職中の所得激減を理由に減免・猶予が認められるケースあり
  • 市区町村の生活困窮者自立支援制度:住宅確保給付金など

市役所の福祉課・社会福祉協議会の窓口で相談すれば、自分のケースに使える制度を案内してもらえます。

ステップ3:最終手段としての退職判断(任意継続・国保切替)

復職の見込みが立たず、保険料負担も継続不可と判断した場合、退職という選択もやむを得ません。退職後は次のいずれかに切り替わります。

  • 任意継続被保険者:同じ保険者で最大2年間継続(保険料は全額自己負担になるため、休職中より高くなる場合あり)
  • 国民健康保険:市区町村の国保へ加入。前年所得が低ければ保険料も低くなる
  • 国民年金:退職後は1号被保険者へ。所得が低ければ免除申請可能
  • 家族の扶養:配偶者の社会保険の被扶養者として加入(年収130万円未満等の要件あり)

退職は重大な決断なので、必ず社労士・産業医・主治医と相談して判断してください。

滞納するとどうなる?社員と会社のリスク連鎖

「払わずに放置」を選んだ場合に何が起こるか、5段階のリスク連鎖を整理します。これを知れば、放置の怖さがわかります。

休職中の社会保険料を滞納すると起きる5段階のリスク連鎖

個人リスク①:督促状と延滞金の発生

納期限を過ぎると会社経由または日本年金機構から督促状が届きます。さらに、年率約14.6%の延滞金が累積していきます。月4万円の保険料を1年放置すれば、延滞金だけで数千〜数万円の追加負担です。

個人リスク②:年金額の減少

厚生年金保険料を滞納すると、その期間は年金額の計算ベースから除外されます。1年滞納すれば将来の老齢厚生年金が年数万円減ります。在職中の貴重な年金加入期間を「滞納で潰す」のは長期的に大きな損失です。

個人リスク③:傷病手当金等の給付制限

健康保険料の滞納が続くと、傷病手当金の支給停止などの給付制限がかかる可能性があります。「保険料は払えないけど傷病手当金は欲しい」が両立しなくなる事態です。

個人リスク④:財産差押え(最終段階)

督促を無視し続けると、最終的に給与・預金・財産の差押えが行われます。これは最悪のシナリオで、信用情報にも影響します。

会社リスク:源泉徴収義務違反と回収困難

会社側にも、(1)社保料の納付義務違反となるリスク、(2)立替分を回収できないリスク、(3)監督署の調査時の指摘リスク、があります。身元保証人への請求は実務的にハードルが高く、回収困難となるケースが顧問先でも見られます。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
差押えは最悪のシナリオなので、絶対に避けてください。会社と早めに相談し、分割払いや公的支援を組み合わせる道は必ず開きます。一人で抱え込まないでくださいね。

人事担当者の整備ポイント|就業規則・徴収運用・DX

ここからは人事担当者・経営者向けの章です。社員の「払えない」を未然に防ぎつつ、会社の財務・法令リスクも守る運用整備を解説します。

就業規則の「休職時の社保料負担条項」7項目

就業規則(または休職規程)に、最低限次の7項目を明記しておきましょう。

  1. 休職期間中の社会保険料の負担原則(本人負担分は本人が支払う)
  2. 徴収方法の選択肢(直接振込/会社立替)
  3. 立替制度を選択した場合の精算方法(復職後の給与・賞与から控除)
  4. 傷病手当金との関係(傷病手当金からの直接控除は不可)
  5. 滞納時の取扱い(督促・分割払い・身元保証人への通知)
  6. 退職時の未払い分の精算(退職金からの控除・残債整理)
  7. 住民税の取扱い(特別徴収から普通徴収への切替)

立替制度の運用フロー|書面合意・回収計画・通知文

立替制度を運用する場合、次の3点セットを必ず整備してください。

  • 立替依頼書・返済合意書:本人と会社の合意を書面化
  • 回収計画書:復職後の毎月返済額・期間を明示
  • 通知文(定期):休職中も月次で残高・累計を通知し、認識を共有

クラウド給与・社労士アウトソースで属人化を排除

休職社員の社保料徴収は、人事担当者の手作業に依存しやすく属人化リスクが高い領域です。クラウド給与計算ソフト(freee/マネーフォワード/ジョブカン等)の活用社労士アウトソースで、徴収状況の可視化・回収アラート・規程整備を効率化することをおすすめします。

休職中の社会保険料に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 休職中、社会保険料は本当に免除されないのですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 私傷病休職・介護休業中は免除されません。免除制度があるのは産前産後休業と育児休業の2つのみです。給与ゼロでも在籍中は被保険者資格が継続するため、保険料の支払い義務も続きますよ。

Q2. 傷病手当金から保険料を引いてもらえないの?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 法律上、傷病手当金からの直接控除はできません。令和5年1月以降は申請書の受取代理人欄も削除されました。実務的には傷病手当金が本人口座に入金後、会社へ振込む形が主流です。

Q3. 払わないと健康保険を使えなくなりますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 健康保険証の使用は通常通り可能ですが、傷病手当金などの給付制限がかかる可能性があります。滞納が長期化すると会社・健保組合からの督促が厳しくなりますので、早めに対応を。

Q4. 滞納したら年金額はどれくらい減りますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 厚生年金保険料を1年滞納すると、その期間が年金計算ベースから除外され、将来の年金額が概算で年数万円減ります。短期間でも長期受給では大きな差になります。

Q5. 分割払いは交渉できますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 会社との合意があれば可能です。「月次払い→2か月まとめて翌月払い」や「立替→復職後分割精算」などの柔軟な対応が現実的によく行われています。早めに人事・総務に相談してくださいね。

Q6. 会社に立替を依頼しても断られた場合は?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 立替は会社の義務ではないため、断られることはあり得ます。その場合は生活福祉資金貸付制度や住民税減免など公的支援を組み合わせる対応になります。市区町村の福祉課・社会福祉協議会に相談を。

Q7. 復職後の給与から一括徴収されると手取りがほぼゼロに…どうしたら?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 復職後は会社と分割返済の合意を取り直しましょう。立替額を6か月〜12か月で分割して給与から控除する方法が一般的です。書面で取り決めを残すことが大事です。

Q8. 介護休業中も保険料は払う必要がありますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. はい、必要です。介護休業は社会保険料の免除制度がありません。介護休業給付金(雇用保険から賃金の67%)は受け取れますが、保険料は別途支払う必要があるので注意してください。

Q9. 育休復帰後すぐに私傷病休職になった場合、免除は続きますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 育児休業の免除は育休終了月の前月までです。育休復帰後すぐに私傷病休職に切り替わった場合、その時点から保険料の支払いが再開します。本人の負担が大きくなりがちなケースなので、会社と早めに支払い方法を協議しましょう。

Q10. 退職したら任意継続と国保どちらが安いですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 一般に、前年の所得が高い方は国保の方が高く、所得が低い方は国保の方が安くなる傾向があります。任意継続は最大2年間、保険料は全額自己負担になります。市区町村役所で国保の見積をもらってから判断するのがおすすめです。

Q11. 公的支援はどこで申請できますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 市区町村役所の福祉課、社会福祉協議会、ハローワーク等の窓口で相談できます。生活福祉資金貸付制度・住民税減免・自立支援制度など複数の制度を組み合わせられる可能性があります。

Q12. 滞納分があると傷病手当金がもらえなくなる?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 即座にもらえなくなるわけではありませんが、長期滞納は給付制限の対象になり得ます。傷病手当金からの精算スキームを会社と組むのが、損をしない選択です。

Q13. 身元保証人に保険料を請求されることはありますか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 理論上は可能ですが、身元保証ニ関スル法律で限度額・期間が制限されているため、実務上は回収困難なケースが多いです。会社にとっても本人にとっても、滞納を避けることが最大の対策ですよ。

Q14. 休職期間中に標準報酬月額を下げる方法はないのですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 月額変更届は賃金支払基礎日数が17日以上の月が3か月連続でないと提出できないため、休職中の給与ゼロでは要件を満たしません。やむを得ず、復職後に給与減があれば改定対象になります。

Q15. 産休・育休と私傷病休職は何が違うの?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. 産休・育休は法律で明確に「保険料免除」が規定されている特例制度です。私傷病休職は法律上「保険料免除」の規定がないため、原則として支払い義務が続きます。法律の建付けの違い、と理解してください。

Q16. 休職中も「子ども・子育て支援金」は負担するのですか?

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
A. はい。2026年4月に始まった子ども・子育て支援金は健康保険料に上乗せして一体で徴収されます。私傷病休職や介護休業で健康保険料の支払いが続いている間は、この支援金分(令和8年度は0.23%・労使折半)もあわせて負担が続きます。標準報酬月額30万円の方なら本人負担で月345円ほどの上乗せです。免除されるのは産休・育休のときだけ、という点は支援金も同じですよ。

まとめ|「払えない」を一人で抱え込まず3段階対応で乗り切る

最後に重要なポイントを3つ振り返ります。

  1. 私傷病休職中の社会保険料は免除されない。給与ゼロでも在籍中は保険料の支払義務が続き、月額3〜5万円の負担が典型です。産休・育休のみが免除制度の対象です。
  2. 払えない時は『3段階対応』で乗り切る。ステップ1:会社の人事・総務に早めに相談、ステップ2:公的支援(生活福祉資金貸付・住民税減免)の活用、ステップ3:最終手段としての退職判断(任意継続・国保)。
  3. 滞納はリスク連鎖の入口。督促状→延滞金→年金額減少→給付制限→差押え、と段階的に悪化します。絶対に放置せず、早めの相談・対応で乗り切りましょう。

HR BrEdge社会保険労務士法人では、大阪・東京・福岡・名古屋を中心に全国47都道府県対応で、休職時の徴収運用整備・就業規則改定・社員相談窓口代行・給与計算アウトソースまで、人事担当者の業務を一気通貫でサポートしています。「休職者が増えており、徴収運用が属人化している」「規程が古いまま」というご相談を多くいただいています。社員ご本人の個別相談も対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
特定社会保険労務士
渡辺 俊一
休職中の保険料は人事担当者にとっても本人にとっても本当に難しいテーマです。「会社に相談しづらい」「分割を切り出せない」という方こそ、第三者の社労士に一度ご相談ください。私たちが間に入ることで、本人の心理的負担も減りますし、会社側の運用も標準化できますよ。

この記事の執筆者

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 特定社会保険労務士 渡辺俊一
渡辺 俊一
(わたなべ としかず)

HR BrEdge社会保険労務士法人 代表
特定社会保険労務士/第1種衛生管理者

1977年兵庫県神戸市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。2005年社会保険労務士試験に合格し、2007年に渡辺社会保険労務士事務所を開設。2016年法人化し、2025年5月に「HR BrEdge社会保険労務士法人」へ社名変更。

顧問先500社超・実績970社以上を誇り、「会社の財産は人・人・人である」を信念に、従業員・お客様・社会の「三方良し」の経営支援を実践。給与計算・社会保険手続き・就業規則・助成金申請から、IPO・M&Aに向けた労務監査まで幅広く対応。

著書『頂点をめざす!~経営者のパートナーとして歩む社労士の物語~』はAmazon「社会保険労務士の資格・検定」部門で1位を獲得。

【所属】全国社会保険労務士連合会/大阪府社会保険労務士会/一般社団法人EO Osaka
【趣味】トライアスロン(アイアンマンレースに挑戦中)
【信条】人生は挑戦だ!まずやる!なんせやる!とことんやる!