こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人代表、特定社会保険労務士の渡辺俊一(わたなべとしかず)です。
「韓国人スタッフを雇うことになったが、文化の違いで困らないか不安」「韓国系企業との会議で『パリパリ』って言われた、意味は?」「K-POPや韓国旅行で文化背景を知りたい」——多様な背景でこの記事にたどり着かれた方が多いのではないでしょうか。
大阪・東京・福岡・名古屋を中心に、HR BrEdgeの顧問先500社の人事担当者からは、近年「韓国人材を採用したい」「韓国系企業との取引が増えた」というご相談が目に見えて増えています。法務省統計でも、韓国籍の在留外国人は約41万人(2024年末)と、中国・ベトナムに次ぐ規模です。
韓国と日本は地理的にも文化的にも近いと思われがちですが、実は15項目もの明確な違いがあります。一方で5つの共通点もあり、それを理解することで関係構築は驚くほどスムーズになります。
こんなお悩み・関心をお持ちではないですか?
- 「韓国人材を雇用したいが文化ギャップが不安」(人事担当者)
- 「韓国取引先との会議スピードに追いつけない」(営業)
- 「韓国旅行・留学で失礼にならないマナーを知りたい」(一般)
- 「K-POPや韓国ドラマの文化背景を知って深く楽しみたい」(ファン)
- 「自分の身近に韓国人がいて、上手に付き合いたい」(一般)
この記事では、韓国と日本の文化の違い15項目を4カテゴリで整理+共通点5つ+ビジネス・職場での違い+韓国人材を採用する中小企業のマネジメント+韓国系企業との取引対応まで、一般読者の文化興味とビジネス・人事担当者の実務、両方に届く形で解説します。

韓国と日本の文化の違い 全体像|4カテゴリ・15項目で整理
「韓国と日本の違い」をバラバラに紹介する記事は多いですが、HR BrEdgeでは4つのカテゴリで体系的に整理します。これにより記憶にも残りやすく、人事教育や社内研修でも使いやすい形になります。

4カテゴリで整理する15項目
- 生活・食事マナー(5項目):食器の持ち方/食事道具/音/飲み会作法/家での習慣
- 言語・コミュニケーション(4項目):ハングル/表現スタイル/年齢確認/敬語
- 人間関係・社会構造(4項目):儒教の上下関係/兵役義務/学歴社会/家族親族の重視
- ビジネス・職場(2項目):パリパリ文化/ケンチャナヨ文化
違いの根底にある「儒教 vs 仏教・神道」の影響
15項目の違いの多くは、韓国の儒教文化と日本の仏教・神道文化の違いに根ざしています。韓国は朝鮮王朝の500年間で儒教が社会の隅々まで浸透し、現代でも「年齢・上下関係・家族」を重んじる傾向が色濃く残っています。一方、日本は仏教・神道の影響と独自の「和」の精神で、調和とコンセンサスを重視します。
生活・食事マナーの違い 5項目
旅行や食事会で「あれ?」と感じるのが食事マナー周辺です。知らずにやると韓国では失礼、逆もまた然り。
食器の持ち方(韓国NG・日本OK)
日本では汁椀・茶碗を持ち上げて食べるのがマナーですが、韓国では食器を持ち上げるのはマナー違反です。料理は机に置いたまま、スプーンや箸で口元へ運びます。韓国人と食事する際、お椀を持ち上げないように意識しましょう。
食事道具(スプーン中心 vs 箸中心)
日本は箸が主役ですが、韓国はスプーン(スッカラ)が主役で、ご飯やスープはスプーンで食べ、おかずを箸(チョッカラ)で取ります。スプーンを使わずに食べると行儀が悪いと見られます。
麺・汁の音(韓国NG vs 日本一部OK)
日本では蕎麦・うどん・ラーメンを「ズルズル」とすするのは一部許容されますが、韓国ではすする音はマナー違反です。冷麺・ラーメンも音を立てずに食べるのが正しい韓国マナー。日本の感覚で韓国の食事会に行くと一瞬で「育ちが悪い」と思われかねません。
飲み会作法(韓国は年上が注ぐ・顔背け)
韓国の飲み会には独特の作法があります。
- 年上が年下に注ぐ(または年下が両手で受ける)
- 年上の前で飲む時は顔を横にそらして飲む(直視は失礼)
- 盃が空いてから次を注ぐ(日本の「注ぎ足し」とは違う)
逆に日本では「自分で注ぐ」「上司が部下に注ぐこともある」など、比較的フラットです。
家での習慣(共通点と差)
家で靴を脱ぐ習慣は共通ですが、韓国の家では「オンドル」(床暖房)の名残で床に直接座るのが一般的。日本のスリッパ文化と違って、室内ではスリッパなしで床暖房を楽しむ家が多いです。
言語・コミュニケーションの違い 4項目
言語そのものだけでなく、表現スタイルや暗黙のルールに大きな違いがあります。
ハングル vs 漢字・ひらがな・カタカナ
韓国語はハングル文字(15世紀に世宗大王が制定した表音文字)の単一文字体系です。日本のように漢字・ひらがな・カタカナの3種類を使い分ける必要はありません。ただし語順は日本語とほぼ同じ(SOV)のため、日本人にとって学びやすい言語の一つです。
ストレート表現 vs 察する文化
韓国人は「思ったことを率直に伝える」表現重視のスタイル。日本人の「察してください」「空気を読んでください」は通じにくく、誤解や摩擦の原因になります。逆に韓国人からすると「日本人は本音が見えない」と感じられます。
年齢確認(韓国OK vs 日本NG)
韓国では初対面で年齢を聞くのは礼儀です。年齢で敬語・タメ口の使い分けが決まるため、年齢確認は会話の前提条件。一方、日本では特に女性に年齢を聞くのは失礼とされ、文化差が顕著です。
敬語の使い分け(年齢固定 vs 役職重視)
韓国の敬語は年齢が絶対基準。1歳でも年上なら敬語、年下ならタメ口、というシンプルな運用です。日本は年齢より役職・社歴が優先される傾向があり、年下の上司には敬語を使います。
人間関係・社会構造の違い 4項目
社会の成り立ちと教育システムが、人々の価値観を大きく形作っています。
儒教の上下関係の厳格さ
韓国は儒教の影響で年齢・血縁・地位による上下関係が厳格です。「目上の前では正座しない・横を向いて飲む・座席を譲る」など、日本以上に細かいルールがあります。日本も上下関係はありますが、相対的にフラットです。
兵役義務(韓国男性18〜28歳の間に約2年)
韓国の男性は原則18〜28歳の間に約2年の兵役義務があります。K-POPアイドルが活動休止して入隊するのもこの制度の影響。日本にはない要素なので、韓国人男性と仕事や交流をする際は「兵役を済ませているか」が一つのライフステージ指標になります。
受験戦争・学歴社会
韓国は「修能(スヌン)」と呼ばれる大学入試を中心に、極めて熾烈な受験競争があります。良い大学=良い職→人生成功という社会構造で、自己アピール・成果主義の価値観が強く育ちます。日本も学歴重視ですが、韓国ほどの熱量はありません。
家族・親族の重視度
韓国は儒教の影響で家族・親族のつながりが極めて強いのが特徴。お盆にあたる「秋夕(チュソク)」と旧正月「ソルラル」は親族で集まる大規模イベントで、日本のお盆・正月以上の重要度を持ちます。
渡辺 俊一
ビジネス・職場文化の違い|パリパリ・ケンチャナヨをマネジメントに活かす
ここからは特にビジネスパーソン・人事担当者向けに、職場での文化の違いを掘り下げます。「パリパリ」「ケンチャナヨ」という有名なキーワードを正しく理解しましょう。

「パリパリ文化」(速さ重視)vs 入念な準備
「パリパリ(빨리빨리)」は「早く早く」という意味の韓国語で、韓国社会全体に染み付いた「スピード重視」の価値観を表します。料理・サービス・意思決定・建設工期、すべてが速い。日本人の感覚で「もう少し検討させてください」と言うと、韓国側からは「遅い・優柔不断」と見られがちです。
「ケンチャナヨ文化」(OK精神)vs 慎重な確認
「ケンチャナヨ(괜찮아요)」は「大丈夫」という意味の韓国語で、細かいことは気にせず前に進む文化を表します。プラスに働けばスピード感、マイナスに働けば品質チェック不足にも繋がります。日本の「念のため確認」「ダブルチェック」とは対照的です。
時間厳守・会議の進め方・意思決定スピード
- 時間厳守:韓国は「コリアンタイム」と言われるように多少の遅れは許容(5〜10分の遅刻は気にしないことも)/日本は厳格
- 会議の進め方:韓国はその場でディスカッション→決定/日本は事前根回しで合意形成
- 意思決定スピード:韓国は早い/日本は慎重
実は似ている共通点5つ
違いに焦点が当たりがちですが、日韓は他のアジア諸国と比べて圧倒的に共通点が多いのも事実。共通点を知ることで、関係構築がぐっと楽になります。

共通点①〜⑤
- 言語の語順がほぼ同じ(SOV):「私は・本を・読む」の順序が一致。日本人にとって韓国語、韓国人にとって日本語は習得しやすい
- 漢字文化の影響:韓国でも漢字(漢字語)を多用し、発音が日本語と似ている単語が多い(例:「準備(チュンビ)」「家族(カジョク)」)
- 集団行動・空気を読む文化:韓国も日本ほどではないが集団主義の傾向がある
- 先祖供養・大型休暇:日本のお盆/正月 ⇔ 韓国のチュソク/ソルラル。家族で集まる文化が共通
- 食事を共にする・お酒文化:会食で関係を深める文化、飲酒に寛容な社会風土
韓国人材を採用する中小企業の文化マネジメント5ステップ
ここからは人事担当者・経営者向けに、韓国人材を採用する際の実務マネジメントを5ステップで整理します。HR BrEdgeが顧問先で支援している実務フローです。

ステップ1:採用前|在留資格の確認
韓国籍の方を雇用する場合、まず在留資格(ビザ)の種類を確認します。技術・人文知識・国際業務(技人国)、特定技能、ワーキングホリデーなど、資格によって就労範囲・雇用条件が変わります。社労士・行政書士と連携して在留資格の適合性をチェックしましょう。
ステップ2:入社時|文化ギャップの社内オリエンテーション
採用後は双方向の文化オリエンテーションが効果的。本人には日本の職場マナー(時間厳守・察する文化)を、既存社員には韓国人材への接し方(パリパリ・ケンチャナヨへの理解・年齢配慮)を共有します。
ステップ3:業務指示|「ケンチャナヨ」「パリパリ」を踏まえた明確化
業務指示は「いつまでに・何を・どこまで」を明確に。韓国人材は「ケンチャナヨ」で大枠を受け取って猛スピードで進めるため、品質基準・チェックポイントの事前共有が重要です。「察する」期待は捨て、書面・チャットで具体化しましょう。
ステップ4:チームビルディング|会食・年齢配慮
韓国人材の信頼を得るには会食が効果的。年上が年下に注ぐ作法、ソルラル・チュソクの休暇配慮など、本人の文化を尊重するメッセージは強い信頼につながります。日本側の上司・先輩は「年下にも気軽に話す」より「立場を尊重」した接し方が好まれます。
ステップ5:定着|定期1on1で文化ストレス確認
異文化環境での仕事はストレスが蓄積しがち。月1回程度の1on1で、文化的な違和感・困りごとを聞き取る場を設けましょう。早期発見が定着率向上の鍵です。
韓国系企業との取引で気をつける文化対応
韓国系企業(サムスン・LG・現代等の関連会社を含む)と取引する際の文化対応ポイントを整理します。
会議|早期意思決定とスピード対応
韓国系企業の会議は「その場で議論→即決」のスピード感が標準。日本式の「持ち帰って検討」は「決断力がない」と見られがちです。事前に社内で論点を整理し、会議で即答できる準備をしておくと評価が上がります。
接待|飲み会の作法・年上を立てる
取引先との接待では飲み会作法が試されます。年上が注ぐ・顔を背けて飲む・両手で杯を受ける、これらを心得ていると一目置かれます。逆に日本流の「自分で勝手に注ぐ」は失礼に当たるため、知識として持っておきましょう。
契約|口頭合意も書面化で確実に
韓国のビジネスは口頭合意でも商談が進む傾向があります。日本側は「念のため書面化」を徹底し、誤解・トラブルを未然に防ぐのが安全策です。
渡辺 俊一
韓国と日本の文化の違いに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 「ケンチャナヨ文化」とは?
渡辺 俊一
Q2. 「パリパリ文化」とは?
渡辺 俊一
Q3. 韓国人と仕事するときの注意点は?
渡辺 俊一
Q4. 年齢を初対面で聞かれるのはなぜ?
渡辺 俊一
Q5. 食事で器を持ち上げない理由は?
渡辺 俊一
Q6. 韓国の飲み会マナー、断り方は?
渡辺 俊一
Q7. 韓国人材を雇うときの在留資格は?
渡辺 俊一
Q8. 韓国系企業との会議でスピード感に追いつけない、対処法は?
渡辺 俊一
Q9. 韓国の祝日「ソルラル」「チュソク」とは?
渡辺 俊一
Q10. 韓国の上下関係、新入社員はどう接するべき?
渡辺 俊一
Q11. 韓国でNGなマナーは?
渡辺 俊一
Q12. 韓国語を覚えると関係構築に有利?
渡辺 俊一
Q13. K-POP・韓国ドラマで学べる文化は?
渡辺 俊一
Q14. 同じ部署に韓国人がいる、上手な接し方は?
渡辺 俊一
Q15. 韓国人材の定着率を上げるコツは?
渡辺 俊一
まとめ|「違いを知り、共通点に気付き、活かす」3段階で関係構築
最後に重要なポイントを3つ振り返ります。
- 4カテゴリ・15項目で違いを整理する。生活・コミュニケーション・社会・ビジネスの4軸で見れば、文化の違いが体系的に理解できます。
- 5つの共通点を見つける。語順・漢字・集団行動・先祖供養・食文化など、他のアジア諸国にない近さがあります。違いだけでなく共通点を強調することで関係構築が楽になります。
- ビジネス・人事の現場では「パリパリ・ケンチャナヨ」を踏まえた具体策を。明確な業務指示・年齢への配慮・ソルラル/チュソク休暇への理解で、韓国人材の定着率は大きく向上します。
HR BrEdge社会保険労務士法人では、大阪・東京・福岡・名古屋を中心に全国47都道府県対応で、韓国人材の外国人雇用サポート(在留資格申請の手配・労働契約書の作成・社会保険手続き・社員教育パッケージ)まで一気通貫でサポートしています。「韓国人エンジニアを採用したい」「韓国系企業との取引が増えた」というご相談は大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
渡辺 俊一
この記事の執筆者
![]() 渡辺 俊一 (わたなべ としかず) |
HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 1977年兵庫県神戸市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。2005年社会保険労務士試験に合格し、2007年に渡辺社会保険労務士事務所を開設。2016年法人化し、2025年5月に「HR BrEdge社会保険労務士法人」へ社名変更。 顧問先500社超・実績970社以上を誇り、「会社の財産は人・人・人である」を信念に、従業員・お客様・社会の「三方良し」の経営支援を実践。給与計算・社会保険手続き・就業規則・助成金申請から、IPO・M&Aに向けた労務監査まで幅広く対応。 著書『頂点をめざす!~経営者のパートナーとして歩む社労士の物語~』はAmazon「社会保険労務士の資格・検定」部門で1位を獲得。
【所属】全国社会保険労務士連合会/大阪府社会保険労務士会/一般社団法人EO Osaka |





