障害年金コラム

精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別物?等級の違いと両方申請するメリット

【結論】精神障害者保健福祉手帳と障害年金はまったく別の制度です

「精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別物なの?」という疑問をお持ちの方へ。結論から言うと、この二つは目的も管轄も異なる、全く別の公的支援制度です。精神疾患を抱えながら生活する中で、どちらの制度を利用できるのか、違いは何なのか、不安に思う方は少なくありません。この記事では、初心者の方にも分かりやすく、手帳と障害年金の違い、それぞれの等級、そして両方を申請する大きなメリットについて、障害年金専門の社会保険労務士が丁寧に解説します。

まず、二つの制度の最も大きな違いを簡単に見てみましょう。

  • 精神障害者保健福祉手帳:日常生活や社会生活での「生きづらさ」を軽減し、様々な福祉サービスを受けやすくするための「証明書」のようなものです。
  • 障害年金:病気やけがによって仕事や生活が制限された場合に、生活を支えるために国から支給される「お金(年金)」です。

このように、手帳が「サービスの利用券」、年金が「生活費の補助」とイメージすると分かりやすいかもしれません。管轄している役所も、手帳は市区町村の障害福祉窓口、障害年金は日本年金機構(年金事務所)と異なります。そのため、申請手続きもそれぞれ別々に行う必要があります。

等級や認定基準はどう違う?手帳と障害年金の比較

「手帳と障害年金は、等級の数字が同じでも意味が違う」と聞いて、混乱される方もいらっしゃいます。これは非常に重要なポイントです。なぜなら、手帳の等級と障害年金の等級は、審査の基準が全く異なるため、「手帳が3級だから、障害年金はもらえない」ということにはならないからです。

精神障害者保健福祉手帳の等級(1級〜3級)

手帳の等級は、精神疾患による日常生活や社会生活への制約の度合いに応じて、1級(重度)から3級(軽度)までが認定されます。主に、自己管理能力や対人関係、社会参加の能力などが総合的に評価されます。例えば、以下のような視点で判断されます。

  • 食事や身の回りのことを一人で行えるか
  • 他人とのコミュニケーションが適切にとれるか
  • 計画的に行動したり、危険を回避したりできるか

手帳の等級は、あくまで福祉サービスを利用するための基準となります。[画像挿入提案: ここに精神障害者保健福祉手帳の等級ごとの状態像をまとめたシンプルな表を挿入。推奨ALTテキスト:「精神障害者保健福祉手帳と障害年金の等級ごとの目安」]

障害年金の等級(1級〜3級+障害手当金)

一方、障害年金の等級は、病気やけがによって労働能力がどれだけ失われたか、または日常生活にどれだけの支障があるかという観点で審査されます。障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1級から3級、さらに一時金としての障害手当金があります。審査では、医師が作成する診断書の内容が極めて重要視され、日常生活の具体的な状況が厳密に評価されます。例えば、「手帳は2級だけど、障害年金も2級を受給できた」という方もいれば、「手帳は2級だったが、障害年金は不支給になった」というケースも珍しくありません。これは、それぞれの制度が見ている評価のポイントが違うためです。

両方申請する3つの大きなメリット

精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別物ですが、両方の制度を併用することで、生活の安定と選択肢の拡大に繋がる大きなメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットをご紹介します。

メリット1:経済的な基盤が安定する

最大のメリットは、経済的な安心感です。障害年金を受給することで、2ヶ月に1度、定期的な収入が確保できます。これにより、治療に専念したり、無理のない範囲で就労を探したりと、生活の基盤を安定させることができます。さらに、精神障害者保健福祉手帳を持っていると、所得税・住民税の控除、公共交通機関の運賃割引、公共施設の利用料減免など、様々な経済的優遇措置を受けられます。この二つが組み合わさることで、金銭的な負担を大きく軽減することが可能です。

メリット2:受けられる福祉サービスの幅が広がる

障害年金という経済的基盤の上で、手帳によって提供される福祉サービスを最大限に活用できます。例えば、就労継続支援(A型・B型)や就労移行支援といった、障害のある方のための就労サポートを利用しやすくなります。経済的な心配が少ない状態で、自分のペースに合った働き方を見つけるためのトレーニングを受けることができるのは、大きなアドバンテージです。[内部リンク: 障害年金を受給しながら働くには?]

メリット3:社会的なサポートを得やすくなる

手帳と年金の両方を受給していることは、公的な支援が必要な状態であることの客観的な証明にもなります。これにより、例えば、医療費の自己負担額を軽減する「自立支援医療制度」や、その他の自治体独自のサポートなど、関連する福祉制度の申請がスムーズに進む場合があります。社会的なサポートネットワークにアクセスしやすくなる点も、見逃せないメリットと言えるでしょう。

申請を考え始めたら?まずやるべきことと注意点

「自分も申請できるかも」と思ったら、まずは行動してみることが大切です。しかし、焦りは禁物です。正しい手順で進めるためのポイントと、やってはいけない注意点をご紹介します。

まずやるべき3つのステップ

  1. 主治医への相談:手帳も障害年金も、申請には医師の診断書が不可欠です。まずは主治医に、申請を検討している旨を伝え、協力が得られるかを確認しましょう。
  2. 初診日の確認:障害年金の申請において、「初診日(その症状で初めて医師の診察を受けた日)」の証明は最も重要なプロセスの一つです。カルテが残っているかなど、早めに確認を進めましょう。[内部リンク: 障害年金の初診日証明が難しい場合の対処法]
  3. 年金の納付状況の確認:「ねんきんネット」やお近くの年金事務所で、障害年金の受給に必要な保険料納付要件を満たしているかを確認します。

やってはいけないNG行動

最も避けたいのが、「よく分からないまま自分で書類を作成し、提出してしまう」ことです。障害年金の審査は書類審査のみで行われ、一度「不支給」と決定されると、その結果を覆すのは非常に困難になります。特に診断書の依頼方法や、病歴・就労状況等申立書の書き方には専門的なノウハウが必要です。不安な点があれば、提出前に専門家へ相談することが賢明です。

出典:[外部リンク: 厚生労働省「障害年金」]

まとめ:手帳と障害年金、両方の活用で安心な生活へ

今回は、「精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別物?」というテーマについて、二つの制度の違いや等級、両方申請するメリットを解説しました。この記事のポイントを改めて整理します。

  • 手帳と年金は目的も管轄も違う全く別の制度
  • 等級の基準が異なるため、手帳の等級が年金の審査に直結するわけではない
  • 両方を活用することで「経済的安定」と「福祉サービスの拡充」という大きなメリットがある
  • 申請は専門知識が必要なため、独断で進めず専門家への相談がおすすめ

これらの制度は、精神的な困難を抱える方が、自分らしい生活を取り戻すための大切なセーフティネットです。しかし、手続きが複雑で、一人で進めるには大きな不安が伴うことも事実です。もし少しでも申請に不安を感じたら、一人で抱え込まないでください。全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人では、障害年金に関する豊富な経験と知識を持つ専門家が、あなたの状況を丁寧にお伺いします。LINEやZoomでのオンライン無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご連絡いただき、あなたの悩みをお聞かせください。

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