障害年金コラム

「軽度知的障害でも年金はもらえる?」悩む前に知っておきたい受給の条件・申請のコツ・家族を支えるポイント

「軽度知的障害だと障害年金はもらえないの?」「専門医から“軽い”と言われたけど本当は日常で困りごとが多い…」「受給できるか相談先もわからず不安でいっぱい」――このように、知的障害(特にIQで“軽度”と分類される方)を持つご本人やご家族は、障害年金の受給が本当に可能か悩んでいるケースが多くあります。
軽度知的障害は、日常生活や就労・社会参加に「目に見えにくい困りごと」が多いため、周囲や制度の理解が得られず、年金の受給対象でないと思い込んでしまうことが少なくありません。
この悩みが起きる背景には、「障害年金=重い障害のイメージ」「診断名(軽度知的障害)だけで不支給になる?」という誤解や、申請実務の複雑さ、医師や役所の説明不足などが重なっています。家族や本人が「書類や証明が難しい」「そもそもどんな理由で申請できる?」と立ち止まってしまう一番の理由なのです。
本記事では、“軽度知的障害”のある方が障害年金を受給できる仕組み、審査のポイント、成功する申請の進め方、家族ができるサポートまで、経験豊富な社会保険労務士が分かりやすく解説します。不安を自信に変えるヒントを、ぜひ見つけてください。

軽度知的障害で障害年金をもらえる条件とは?歴史・現状・誤解・実際の申請~制度のリアル

◆ 制度の歴史と知的障害の扱い
障害年金制度は1961年にスタートし、当初は高度の身体障害や重度の精神障害が主な対象でした。しかし、その後制度が改正され、「知的障害(精神遅滞、現在は知的発達症)」も広く対象となっています。ポイントは、診断名だけでなく“日常生活や社会適応の困難さ”で審査される点です。
◆ 知的障害の等級と実際の認定傾向
知的障害は「重度」「中度」「軽度」と区分されます。軽度の場合、IQが50~70程度で判定されることが多いですが、「IQだけ」で等級(年金給付の有無)が決まるわけではありません。過去の統計資料によると、軽度知的障害でも、年金を受給できるケースは実際に増えています。その多くは、「IQ数値に加え、日常生活の困りごとや就労・社会参加への支障が詳しく伝えられている」申請です。
◆ よくある誤解や間違い
「軽度=年金は絶対不可能」という思い込み、「知的障害があっても普通に会話できたらダメ」「医師が“軽い”と言えば自動的に不認定になる」など、現実より厳しすぎる思い込みが世間に広がっています。しかし、審査実務では日常生活の中での“繰り返し失敗・お金の管理ミス・対人トラブル・就労困難”などのエピソードが特に重視されます。
◆ 仮想ケース:Aさん(軽度知的障害・20歳時申請)
Aさんは「忘れ物が多く、ひとりで公共交通機関が使えない」「職場で指示内容を理解しきれず直訴したことが数回」「家計管理や通院も家族がサポート」…と日常生活で支障が多く、母が丁寧に状況を記載。診断書・申立書も主治医と相談し具体的に作成したところ、障害基礎年金2級が認定されました。
◆ 制度の裏話・豆知識
・「知的障害」名義で障害年金を申請する際、【20歳前障害(発症年少期)】であれば保険料納付要件を問われません。
・診断名だけでなく、近年は「生活歴」「就労でのトラブル」「通院継続」など総合判断になります。
・本人だけでなく、保護者や福祉施設、就労支援員の“第三者意見”も有効な補足資料に——こうした手厚い支援体制は日本独特です。
本来、軽度知的障害の方こそ「見えない困難」を丁寧に伝えることで認定チャンスが生まれる仕組みなのです。

軽度知的障害で障害年金を受けるための8つの行動と家族サポートのコツ

  • 1.早めに専門家(社労士等)や相談窓口で情報収集
    理由:基準・審査の運用は自治体や時期で違う場合があり、最新情報や対策が得られるから。
    方法:障害年金を専門に扱う社労士や自治体の障害福祉窓口に、具体的な困りごとと診断を伝え、アドバイスを得る。
    効果:独力では気づけない受給可能性・必要書類・有効な書き方のコツが分かり、不安が減る。
  • 2.診断書作成は主治医と“困難さ”を十分相談しながら
    理由:診断書には、医師自身が生活面・職場面での困難を具体的に書く必要がある。
    方法:毎日の生活で何が大変か・家族や支援者がどこを助けているのか、整理して主治医に伝える。
    効果:ただ「IQ○」でなく、実態に即した記載・診断書で認定可能性が高まる。
  • 3.病歴・就労状況等申立書はエピソード豊かに正直に
    理由:事実や具体事例(例:お金をなくす、仕事で同じミス繰り返し、友人関係でトラブル)が重視される。
    方法:家族や就労先・学校の先生・施設職員の協力も得て、可能な限り具体例や日付を記録。
    効果:「他人の助けが必要」「ひとりで生活できない」実態が伝われば認定にグッと近づく。
  • 4.生活歴やサポート状況を家族・支援者が客観的にまとめる
    理由:第三者の証言・補足資料は審査でとても有効。
    方法:日常の困難や家族の介助内容、できていない家事・金銭管理の記録やエピソードを日記や表にする。
    効果:「生活全体の支障度」がわかる資料として高評価されやすい。
  • 5.就労支援機関・福祉事業所の意見書や職場の記録を活用
    理由:就労での苦労やサポート状況が具体的に分かり、実態説明に役立つ。
    方法:支援員や職場の上司に、作業内容・失敗例・必要な配慮を詳細に書いてもらう。
    効果:複数の証言や書面が加わることで説得力が増し認定事例多数。
  • 6.【やってはいけない】「軽く見せよう」「表現を薄める」こと
    理由:「目立たないように」曖昧な言い回しを使うと、ありのままの生活の苦労が伝わらず不支給になりやすい。
    方法:困ったこと・支援している内容を正直に、包み隠さず書く。迷ったら専門家や支援者に相談。
    効果:現実が伝わり、制度本来の「支援が届く」認定に近づく。
  • 7.申請書類の“すり合わせ”や記入ミスがないか複数人でチェック
    理由:診断書・申立書・第三者意見の内容が食い違うと不支給リスク。
    方法:社労士や家族で申請前に内容一致を確認、不明点は記載の補足を添える。
    効果:書類不備防止、二次審査や再提出の手間を省ける。
  • 8.困ったら早めに“不服申立て”と追加資料の準備
    理由:一度不支給でも、追加資料や改善した書面で再審査・認定される例は多い。
    方法:社労士等に相談し、認定されなかった理由を分析・説明、生活ぶりの証明・エピソード追加で再申請。
    効果:あきらめずチャレンジを続けることで、受給につながるチャンスが拡がる。

ご本人だけで抱え込まず、家族や支援者、専門家など多くの力を借り、誤解や不安を解消しながら確実な受給をめざしましょう。

軽度知的障害と障害年金―よくあるQ&A!疑問や誤解をしっかり解消

Q1. IQが70未満でも、日常生活がある程度できているとダメですか?
IQが基準を満たしても「日常生活の制限」が軽いと不支給の可能性があります。ただし、家事・社会的行動・お金管理など幅広く困難さを具体的に説明すれば、認定につながる例も多いです。不安は丁寧に実態を伝えて選考を。
Q2. 施設や就労継続支援を利用していることは有利になりますか?
施設利用や就労支援の有無自体が有利・不利ではありませんが、「支援がなければ日常生活や仕事ができない」「配慮が必要」という実態が証明されれば、大きなプラスポイントとなります。面談記録や報告書も活用しましょう。
Q3. 親亡き後の生活が心配。年金受給がどう役に立ちますか?
年金は「経済的な自立・支援」が難しい時の大きな後ろ盾になります。施設利用費や生活費の補填、将来本人名義の蓄えとなるほか、受給の有無で各種福祉サービスや就労支援の選択肢も広がります。家族の負担軽減にも直結します。
Q4. 「軽い」と言われた時、どうすれば諦めず申請できますか?(誤解への反論)
診断名や一時の評価だけで諦めないでください。「困っている現実・支援の実態が伝われば認定できる」ケースも多いからです。どう申述したらいいか迷ったら社労士や支援者に早めに相談し、一緒に制度と向き合いましょう。

まとめ:軽度知的障害でも年金受給はあきらめないで!

軽度知的障害でも、本人や家族が直面する日常の困難や支援の実態を丁寧に伝えれば、障害年金受給のチャンスは決してゼロではありません。大切なのは「IQだけで判断されない」「生活や就労の支障を具体的に説明」「第三者の補強も活用」です。諦めず情報収集・相談・チャレンジを繰り返すことで、安心した将来と支援体制づくりがきっと実現します。家族・専門家との連携で、今できることから動き出しましょう!未来を支える一歩を、あなたも。

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