障害年金の病歴・就労状況等申立書はこう書く!記入例と通るためのコツ
「病歴・就労状況等申立書」の記入で悩んでいませんか?障害年金の申請書類の中でも、この申立書は自由記述の形式であるため、「何を書けばいいかわからない」「書き方次第で通らなくなるのでは?」と不安を抱く方が多いのが実情です。この記事では、実際の記入例を交えながら、正確に・伝わるように書くためのポイントを徹底的に解説します。
なぜ「病歴・就労状況等申立書」が重要なのか?
■ 役割と制度の背景
「病歴・就労状況等申立書」とは、障害年金を申請する際に、病気の発症から現在までの経過や、就労状況、日常生活への影響などを本人の言葉で記述する書類です。これは、診断書に書かれていない“生活上の実態”を伝えるための重要な役割を果たします。
■ 審査における位置づけ
年金機構の審査官は、診断書だけでなく、この申立書をもとに「どれだけ日常生活に困難を抱えているか」「就労の継続が難しいか」などを判断します。そのため、単なる時系列の羅列ではなく、「伝える工夫」が求められます。
■ よくある誤解と落とし穴
- 「長く書けば伝わる」→ 内容があいまいだと逆効果です。
- 「医師が診断書で書いてくれるから申立書は不要」→ 別の視点での補完が必要です。
- 「就労していたら不利になる」→ 実態に即して説明すれば不利にはなりません。
■ 仮想の記入例:うつ病で申請するAさん(40代男性)のケース
以下は、うつ病による障害基礎年金の申請時に使われた実例をもとにした仮想記入例です。
【発症時】
2016年頃から業務のストレスが強くなり、慢性的な不眠と食欲不振が続くようになった。
【初診】
2017年1月、心療内科を受診。「うつ病」と診断され、抗うつ薬の処方を受けた。
【就労状況の変化】
当初は時短勤務で対応していたが、体調が安定せず、2018年に休職。2019年に復職を試みたが、再度体調悪化し、同年末に退職。
【現在】
週に1〜2回、通所型の就労支援施設に通っているが、通院日や体調不良で欠席することも多い。外出は困難で、買い物も一人では行けない。
通りやすくするための記入ポイント8選
- 1. 時系列で一貫性を持たせる
発症〜初診〜就労変化〜現在までを流れで書く。情報が飛ぶと信頼性が下がる。 - 2. 医療記録との整合性を取る
診断書の初診日や症状と申立書が食い違わないよう確認。 - 3. 就労できなかった理由を具体的に
「疲れやすく出勤できなかった」「頭が回らずミスが増えた」など実感を込めて書く。 - 4. 日常生活の支障を書く
「食事の支度ができない」「外出できない」など、生活の困難を具体的に。 - 5. 周囲の援助状況も加える
「家族に付き添ってもらって病院に行く」など、援助の必要性を示す。 - 6. 書ききれない場合は別紙を添付
申立書に収まらない場合は、別紙に丁寧に続けて書くのも有効。 - 7. 過去の就労と現在のギャップを強調
元はフルタイムで働いていたが、現在は在宅中心など、落差があるほど説得力が増す。 - 8. 客観的な証拠と一緒に出す
通院履歴、休職・退職証明などがあれば添付して提出する。
■ やってはいけない記入例
「しんどかった」「つらかった」とだけ書くのはNGです。症状や生活上の影響を、読み手が“状況を想像できる”レベルで記載することが必要です。
よくある疑問Q&A
Q. 手書きよりパソコンで作成してもいい?
A. 可能です。内容が読みにくいよりは、パソコンで読みやすくまとめる方が望ましいです。
Q. 書類はどのくらいの量が適切?
A. 2〜3ページが一般的ですが、重要なのは分量より中身です。必要な内容が過不足なく入っていれば問題ありません。
Q. 書き方に自信がないときはどうすれば?
A. 社会保険労務士や障害年金の支援団体に相談すると、添削や代筆支援をしてもらえることがあります。
Q. 就労していたことはマイナス評価にならない?
A. いいえ。「就労していたが支障が出て辞めざるを得なかった」という経緯があれば、それが正しく評価されます。
まとめ:記入例を参考に、「伝える力」を意識しよう
障害年金の申請において、「病歴・就労状況等申立書」は極めて重要です。形式に正解はありませんが、「読み手に伝わること」が最大のポイント。今回紹介した記入例や8つのコツを活かして、自身の状況を正確に、誠実に記述してみてください。不安があれば、専門家の力を借りて、通過率を高めましょう。小さな一歩が、大きな安心につながります。