こんにちは。HR BrEdge社会保険労務士法人代表、特定社会保険労務士の渡辺俊一(わたなべとしかず)です。
「定額減税は結局いつまで実施されたの?」「家族4人で12万円減税のはずだったが、本当に受け取れたのか自信がない」「2026年も定額減税は続いている?」——大阪・東京・福岡・名古屋を中心に、HR BrEdgeの顧問先500社の人事担当者からも、社員の方からこういった振り返りのご質問を今でも受けています。
結論からお伝えすると、定額減税の本体は2026年5月時点で全て終了しています。所得税は2024年12月分の給与で完了、住民税は2025年5月分の徴収で完了、2025年度住民税の繰越処理(同一生計配偶者分)も2026年5月の徴収で完了しています。2026年5月現在、新たな定額減税の議論や継続予定はありません。
とはいえ、振り返ると次のような疑問が残っている方も多いはずです。
- 「給与明細をきちんと確認していなかった。減税分は本当に天引きから引かれていた?」
- 「源泉徴収票の摘要欄の見方が分からない。控除済額・控除外額って何?」
- 「市役所から給付金の通知が来た/来なかった理由を知りたい」
- 「住宅ローン控除・ふるさと納税の限度額への影響はあった?」
- 「人事として2024-2025年の年末調整処理が正しかったか振り返りたい」
この記事では、定額減税の正確な実施期間タイムライン、対象者と減税額のおさらい、自分が本当にもらえたかを確認する3ステップ、調整給付・不足額給付の振り返り、年末調整での精算と源泉徴収票の読み方、住宅ローン控除・ふるさと納税への影響、そして2026年以降の継続有無まで、2026年5月時点の最新視点で整理します。

定額減税のおさらい|2024〜2025年の経済対策とは何だったか
まず、定額減税が「何だったのか」を簡潔に振り返ります。
制度導入の背景|物価高騰対策としての単年度経済対策
2022年以降の急激な物価上昇に対し、企業の賃上げが追いついていない状況を背景に、政府は令和6年度(2024年度)税制改正で定額減税を導入しました。「家計の可処分所得を直接押し上げる」ことが目的で、所得税と住民税の両方を対象とする一時的な措置でした。
単年度(令和6年度)限定の措置
定額減税はあくまで2024年度(令和6年度)限定の単年度施策として制度設計されました。継続的な減税措置ではなく、家計への一時的な所得支援です。一部の方は2025年度住民税の繰越処理を受けましたが、これも単年度施策の例外処理であって、新たな減税ではありません。
所得税+住民税で1人あたり4万円のインパクト
定額減税の金額は、所得税3万円+住民税1万円=1人につき4万円です。本人だけでなく、同一生計配偶者・扶養親族の人数分も上乗せされるため、夫婦+子ども2人の4人家族なら最大16万円の減税となる計算でした。
定額減税の正確な実施期間|完全タイムライン
「結局いつからいつまで実施されたのか」を、所得税・住民税・繰越処理の3つに分けて時系列で整理します。

所得税:2024年6月分の給与から12月分まで+年末調整精算
所得税の定額減税は、2024年(令和6年)6月1日以後最初に支払われる給与・賞与から控除開始され、2024年12月分の給与で月次減税が完了しました。年末調整で年間の所得税額と定額減税額の最終精算が行われ、控除しきれなかった金額は源泉徴収票の摘要欄に明示されました。
2025年1月以降の給与・賞与からは、所得税の定額減税は実施されていません。
住民税:2024年6月は徴収0、2024年7月〜2025年5月の11か月で分割
住民税の定額減税は、所得税とは異なる徴収パターンで実施されました。給与所得者の場合、2024年(令和6年)6月分の住民税は徴収せず、定額減税後の年税額を2024年7月分から2025年5月分までの11か月で分割徴収する方式でした。普通徴収(自営業者等)の方は第1期分から順次控除、年金所得者は2024年10月分から控除という別パターンです。
住民税の減税本体は2025年5月分の徴収で完了しました。
2025年度住民税繰越分(同一生計配偶者):2025年6月〜2026年5月で完了
例外的に、本人の合計所得が1,000万円超1,805万円以下+同一生計配偶者ありのケースでは、2024年度住民税で配偶者分の減税が反映されませんでした(給与支払報告書に該当欄がなかったため)。この方たちは2025年度住民税で配偶者分1万円の減税が繰越処理されました。徴収期間は2025年6月分〜2026年5月分です。これにより、定額減税の本体はすべて完了しました。
対象者と減税額|本人+家族で1人につき4万円
「自分は対象だったか」「いくら減税されるはずだったか」を改めて確認しましょう。

対象者の所得要件|合計所得1,805万円以下
定額減税の対象者は、2024年分の合計所得金額が1,805万円以下の居住者でした。給与収入のみの場合は年収2,000万円以下が目安です。これを超える高所得者は対象外で、減税は行われていません。
「居住者」とは、国内に住所を有するか、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を指します。ワーキングホリデー外国人など非居住者は対象外です。
所得税の減税額|本人3万円+同一生計配偶者・扶養親族1人につき3万円
所得税の減税額は本人3万円に加えて、同一生計配偶者と扶養親族1人につき3万円が加算されました。配偶者が無収入または年収103万円以下のパート、子どもが学生で扶養範囲内であれば対象です。
住民税の減税額|本人1万円+控除対象配偶者・扶養親族1人につき1万円
住民税の減税額は本人1万円+控除対象配偶者・扶養親族1人につき1万円でした。「控除対象配偶者」とは、本人の合計所得が1,000万円以下+配偶者の合計所得が48万円以下(給与収入103万円以下)のケースを指します。本人所得1,000万円超のケースは「同一生計配偶者」で別扱いとなり、前述のとおり2025年度繰越処理となりました。
「私は本当にもらえた?」を確認する3ステップ
ここからが本記事の核心です。「家族4人で12万円や16万円も減税のはずだったが、本当に受け取れたのか?」を、社労士視点の3ステップで確認できます。

ステップ1:給与明細を2024年6月以降で確認
2024年6月分以降の給与明細を見て、「源泉所得税」の天引き額がそれまでより減っているはずです。具体的には、減税額(本人3万円+家族の人数分)を上限に、毎月の源泉所得税から控除されていきます。完全に減税が反映されている月は源泉所得税が0円になることもあります。
ステップ2:源泉徴収票の摘要欄を確認
2024年分(および2025年分)の源泉徴収票の摘要欄に、次のような記載があるはずです。
- 「源泉徴収時所得税減税控除済額○○円」:給与から実際に控除された定額減税額
- 「控除外額○○円」:減税しきれず残った金額(後述の調整給付・不足額給付の対象)
家族構成から計算される本来の減税額と、源泉徴収時所得税減税控除済額+控除外額の合計が一致していれば正常です。
ステップ3:住民税通知書を確認(決定通知書の減税額欄)
自治体から送られた「特別徴収税額の決定・変更通知書」(給与所得者)または「納税通知書」(普通徴収)に、定額減税の控除額が記載されています。「定額減税控除額○○円」「特別控除額○○円」といった表記です。住民税1万円×(本人+家族)の金額になっているか確認しましょう。
渡辺 俊一
調整給付・不足額給付の仕組み|2回行われた給付の振り返り
定額減税の本体だけでは受けきれない方には、市区町村から「調整給付」と「不足額給付」の2段階で給付金が支給されました。源泉徴収票の摘要欄に「控除外額○○円」と記載されていた方は、この給付の対象になります。

第1弾「調整給付」(2024年実施)|見積で1万円単位の給付
2024年中に、市区町村が見積額で先行給付した仕組みです。所得税分・住民税分の控除外額(減税しきれない見込み額)を1万円単位で切り上げて算出し、対象者に給付されました。多くの自治体では2024年7月〜10月頃に通知書が届き、口座振込で給付された方が多かったはずです。
第2弾「不足額給付」(2025年実施)|実額確定後の精算給付
2024年分の所得税・2025年度住民税が確定した後、調整給付では足りなかった分を追加給付するのが不足額給付です。2025年中(多くは2025年夏〜秋)に支給されました。新たに非課税世帯になった方への給付や、年の途中で扶養家族が増えた場合の追加給付などが該当します。
受け取れたか確認する方法
給付の有無は次の3点で確認できます。
- 市区町村からの通知書:2024年・2025年に郵送されたはずです(保管していなければ役所で確認可能)
- 口座入金履歴:通帳・ネットバンクの2024〜2025年の入金履歴に市区町村名の入金あり
- 住民税通知書の「控除外額」と給付額が一致するか
「来るはずだったのに来ていない」場合は、住民票のある市区町村役所に問い合わせれば確認できます。給付申請期限が過ぎていなければ追加申請も可能です。
年末調整での精算と源泉徴収票の摘要欄
給与所得者の場合、定額減税の最終精算は2024年・2025年の年末調整で行われました。人事担当者の振り返りも兼ねて、ポイントを整理します。
2024年・2025年年末調整での精算ロジック
年末調整では、年間の所得税額から定額減税の総額を差し引く形で再計算されました。月次減税で控除しきれていれば、年末調整では追加処理は不要。控除しきれなかった金額があれば、その額が源泉徴収票の摘要欄「控除外額」に記載されます。控除外額があれば、市区町村が調整給付・不足額給付で精算した、という流れです。
源泉徴収票の摘要欄の意味
| 項目 | 意味 |
| 源泉徴収時所得税減税控除済額 | 実際に給与から控除された減税額 |
| 控除外額 | 減税しきれず残った金額(給付金で精算) |
2024年分・2025年分の源泉徴収票を確認すれば、自分が受けた減税額の全貌が分かります。
人事担当者が確認すべき2024-2025年の業務振り返り
人事担当者の方は、改めて次の3点をチェックしてみてください。
- 2024年・2025年の年末調整で各人別控除事績簿が適切に作成・保管されているか
- 源泉徴収票の摘要欄記載が漏れなく入力されているか
- 社員からの問い合わせに対応できる記録が残っているか
住宅ローン控除・ふるさと納税との相互影響
定額減税は他の税額控除との相性が気になるところです。実際の影響を整理します。
住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除は、定額減税控除前の所得税額から控除する仕組みでした。つまり、住宅ローン控除+定額減税の両方を受けても、片方が削られることはありません。両方を受けた方も多かったはずです。
ふるさと納税の限度額への影響
ふるさと納税の控除限度額は、定額減税の影響を受けないと総務省から明確に発表されています。「定額減税前の所得税額・住民税所得割」を基準に限度額が計算されるため、ふるさと納税の利用上限は通常どおりでした。
確定申告者への影響
個人事業主・確定申告者の方は、2024年分・2025年分の確定申告で申告書上で減税が反映されました。申告書の「定額減税額」欄に金額を記載し、納税額から差し引く形です。
2026年以降に定額減税は続くのか?
サジェスト「定額減税 2026」「いつまで 2026」で検索される方は、継続を期待されているかもしれません。結論を率直にお伝えします。
結論:本体の定額減税は単年度で完全終了
定額減税は令和6年度(2024年度)税制改正で導入された単年度限定の措置です。2026年5月時点で、新たな定額減税の議論や継続予定はありません。同一生計配偶者の繰越処理(2025年度住民税)も2026年5月分の徴収で完全完了しています。
2026年5月時点で新たな定額減税の議論はない
令和7年度(2025年度)税制改正大綱、令和8年度(2026年度)税制改正大綱のいずれにも、定額減税の継続・再実施は盛り込まれていません。今後も同様の規模・形式の減税が実施される可能性は、現時点では非常に低いと見るのが妥当です。
物価高対策の今後の動向
物価高対策としては、定額減税ではなく賃上げ促進税制の拡充、低所得世帯向け給付金、エネルギー価格対策などが議論されています。家計支援を求めるなら、これらの動向に注目するとよいでしょう。
渡辺 俊一
定額減税に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 定額減税は結局いつまで実施されましたか?
渡辺 俊一
Q2. 私の家族の場合、いくら減税されたはずですか?
渡辺 俊一
Q3. 減税されたか給与明細で確認する方法は?
渡辺 俊一
Q4. 源泉徴収票の摘要欄に何と書かれていれば正解ですか?
渡辺 俊一
Q5. 「控除外額」が記載されていますが、これは損ですか?
渡辺 俊一
Q6. 調整給付と不足額給付の違いは?
渡辺 俊一
Q7. 給付金の通知が来なかった場合は?
渡辺 俊一
Q8. 年収2,000万円を超える人は対象外ですか?
渡辺 俊一
Q9. 育休中・産休中も対象でしたか?
渡辺 俊一
Q10. 同一生計配偶者と控除対象配偶者の違いは?
渡辺 俊一
Q11. 住宅ローン控除を使っていますが影響はありましたか?
渡辺 俊一
Q12. ふるさと納税の限度額に影響はありましたか?
渡辺 俊一
Q13. 2026年も定額減税は続いていますか?
渡辺 俊一
Q14. 2024-2025年の年末調整で会社が誤って処理していた場合はどうすれば?
渡辺 俊一
Q15. 確定申告で精算が必要なケースは?
渡辺 俊一
まとめ|定額減税は完全終了、振り返り+確認で漏れをなくす
最後に重要なポイントを3つ振り返ります。
- 定額減税の本体は2026年5月時点で全て終了。所得税は2024年12月、住民税は2025年5月、同一生計配偶者の繰越は2026年5月で完了。2026年以降に新たな定額減税はありません。
- 「もらえた?」確認は3ステップ:給与明細(2024年6月以降)・源泉徴収票の摘要欄(控除済額/控除外額)・住民税通知書の3点で減税額が確認できます。
- 控除外額があった方は、調整給付(2024年)・不足額給付(2025年)で精算済み。通知書・口座入金履歴で受給確認できます。漏れがあれば市区町村役所に問い合わせを。
HR BrEdge社会保険労務士法人では、大阪・東京・福岡・名古屋を中心に全国47都道府県対応で、給与計算アウトソース・年末調整代行・社員からの問い合わせ対応窓口まで、人事担当者の実務を一気通貫でサポートしています。「2024-2025年の処理が正しかったか心配」「源泉徴収票の摘要欄記載に不備がないか確認したい」というご相談も大歓迎です。
渡辺 俊一
この記事の執筆者
![]() 渡辺 俊一 (わたなべ としかず) |
HR BrEdge社会保険労務士法人 代表 1977年兵庫県神戸市生まれ。関西学院大学法学部法律学科卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。2005年社会保険労務士試験に合格し、2007年に渡辺社会保険労務士事務所を開設。2016年法人化し、2025年5月に「HR BrEdge社会保険労務士法人」へ社名変更。 顧問先500社超・実績970社以上を誇り、「会社の財産は人・人・人である」を信念に、従業員・お客様・社会の「三方良し」の経営支援を実践。給与計算・社会保険手続き・就業規則・助成金申請から、IPO・M&Aに向けた労務監査まで幅広く対応。 著書『頂点をめざす!~経営者のパートナーとして歩む社労士の物語~』はAmazon「社会保険労務士の資格・検定」部門で1位を獲得。 【所属】全国社会保険労務士連合会/大阪府社会保険労務士会/一般社団法人EO Osaka |





