適正な人件費の考え方についても社労士に相談しよう!人件費率について  

「人件費」とは何か?
(1)現金給与総額
・所定内賃金
・所定外賃金
・賞与、一時金
(2)現金給与以外の人件費
①退職金費用:退職引当金、退職年金掛け金などの費用
②法定福利費:社会保険料の事業主負担分
③法定外福利費:社宅費用、レクリエーション費用、社員食堂、財形貯蓄補助、自己啓発支援など
④その他(採用費、教育研修費)

適正な人件費算出のための2つの指標

会社が適正な人件費を算出するための指標は、売上高人件費率と労働分配率です。
(1)売上高人件費率(%)=人件費÷売上×100
売上高(事業本来の活動から得られる収入)に占める人件費の比率
(2)労働分配率(%)=人件費÷付加価値×100
※付加価値=売上総利益=売り上げ額×利益率
会社の利益(付加価値=企業が生み出した価値の総額)に対する人件費の割合のことを指します。売上高人件費率と同様、一概に労働分配率が小さいことが良いことで、労働分配率が大きいことが悪いことではありません。重要なことは、業種、企業規模、ビジネスモデル等に合わせた適切な売上高人件費率を把握し、経営指標として比較しながら正しく運用することです。
労働分配率の値は通常40~60%程度だと言われています。この割合が高過ぎる企業は労働効率が悪いということになります。

適正な人件費」は企業にとって永遠のテーマ

人件費は、業種や企業、時代や、時期によって「適正」の水準が異なります。
多くの経営者の方が、「うちの会社の人件費は高いのだろうか? 低いのだろうか?」と悩まれています。
参考に「TKC経営指標 速報版」のデータと比較してみましょう。
この数字が正しいとは限りませんが、これよりも高ければ、利益に対して人件費が過大である可能性があります。

参考:要約版・速報版 | TKC経営指標(BAST)

サービス業:売上高人件費率:労働分配率

歯科診療所:53.9%:63.9%
無床診療所:50.9%:63.7%情報処理サービス業:61.9%:70.9%
労働者派遣業:59.2%:81.8%
経営コンサルタント業:46.9%:57.2%
広告業:19.1%:53.3%
デザイン業:39.4%:58.0%
美容業:53.6%:61.2%

どうすれば最適な売上高人件費率になるのか

当然ながら従業員の処遇を向上させれば売上高人件費も高くなります。
しかし、処遇を向上することを避けていると、社員のモチベーションの低下に繋がり、退職者の増加や、現場の機会損失が生まれ、利益低下に繋がる可能性があります。
処遇向上は従業員のモチベーションを上げるための人事戦略でもあります。
従業員のモチベーションが上がれば一人当たりの生み出す利益(労働生産性)が上がり、増益となります。利益が増えれば労働分配率は下がるので、さらに処遇を向上することができます。
やみくもに労働分配率の上昇を嫌うのではなく、こういったサイクルを回すことが重要です。
逆に売上高人件費率が高すぎるので下げなければいけない場合の手段は、大きく分けて以下の3つが考えられます。

(1)一人当たり生産性(売上高)を上げる

一人あたり売上高は急には上がりません。売上高人件費率を下げるためには長期的な視点が必要で、急激な変化は起きないため、会社経営においては健全な解決方法と言えます。
一度一人あたり売上高を上げることができれば、今後も継続した売上高が見込めるため、収益体質を根本から改善することに繋がります。

(2)売上に対する社員数を減らす

社員数の削減はリストラや早期退職など即効性のある策です。売上高人件費率を下げるために短期的に結果を出せる反面、会社の信用を落とす可能性があります。
社員削減する場合は、売上を維持できるように営業現場以外の社員を優先的に削減することになります。もちろん、管理現場の負荷は高くなるため、オペレーション業務効率化、社員の教育がセットになります。

(3)売上に対する社員の人件費を見直す

人件費の見直しも社員数の削減同様、会社の信用を落とす可能性がある対策です。
業種によりますが、売上に対する成果報酬制度を取り入れるなど、人事評価制度を作ることで売上高人件費率をコントロールする仕組みを考えても良いでしょう。


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